国会論戦・提案

保育士処遇改善法案 共同提出

保育士処遇改善へ共同

給与5万円上げ 5野党が法案提出

日本共産党、民主党、維新の党、生活の党、社民党の野党5党は24日、保育士の給与を月額5万円引き上げる保育士処遇改善法案を衆院に共同提出しました。

 待機児童解消のために保育所増設が急がれますが、保育士給与は全産業平均(33万円)より約10万円も低く、人手不足の解消が急務となっています。しかし、今年度予算に給与増額はありません。

 5野党の法案では、事業者に助成金を支給し、1人当たり平均月額5万円を引き上げます。民間の認可保育所や幼稚園、児童養護施設や放課後児童クラブ(学童保育)が対象で、46万1千人にのぼります。

 財源は2800億円。公共事業の削減や法人税課税の見直しで確保。大企業の内部留保を踏まえて法人税課税の見直しを行うとしています。

 提出後の会見で、民主党の山尾志桜里衆院議員は、「待機児解消のために保育士確保が必要です。月額5万円増では足りないかもしれないが、大きな最初の一歩です」と述べました。

 日本共産党の堀内照文衆院議員は、「量だけでなく質が問われており、その要は保育士の確保です。安心して預けられる環境をつくるため、法案をきっかけにして、さらに充実させていきたい」と表明。高橋千鶴子衆院議員は「保育士も、子育てしながら働き続けることが困難、あるいは奨学金も返せないと、辞めていく現状です。待遇改善のため野党で共闘して頑張っていきたい」と語りました。

 

【保育等従業者の人材確保等に関する特別措置法案要綱】

第一 総則
 一 目的
   この法律は、一人一人の子どもが健やかに成長することができる社会を実現するために保育等従業者が重要な役割を担っているにもかかわらずその賃金が他の業種に属する事業に従事する者と比較して低い水準にあること、小学校就学前の子どもの教育及び保育に対する多様な需要への対応の重要性が著しく増大していること等に鑑み、保育等従業者の賃金の改善のための特別の措置等を定めることにより、優れた人材を確保し、もって子ども・子育て支援の水準の向上に資することを目的とすること。
(第1条関係)

 二 定義
  1 この法律において「保育事業者等」とは、子ども・子育て支援法の特定教育・保育施設の設置者及び特定地域型保育事業者であって、都道府県、市町村その他政令で定める者以外のものをいうこと。
  2 この法律において「保育等従業者」とは、保育事業者等の従業者(政令で定める者を除く。)をいうこと。
(第2条関係)

第二 保育等従業者処遇改善助成金の支給
 一 保育等従業者処遇改善助成金の支給
  1 都道府県知事は、保育等従業者の賃金を改善するための措置を講ずる保育事業者等に対し、その申請に基づき、当該措置に要する費用に充てるための助成金(以下第二において「保育等従業者処遇改善助成金」という。)を支給すること。
  2 保育等従業者処遇改善助成金の支給の要件、額、申請の方法その他保育等従業者処遇改善助成金の支給に関し必要な事項は、政令で定めること。
  3 2の政令を定めるに当たっては、一人一人の子どもが健やかに成長することができる社会を実現するために保育等従業者が重要な役割を担っていること並びに小学校就学前の子どもの教育及び保育に対する多様な需要への対応の重要性が著しく増大していることを踏まえるとともに、保育事業者等における保育等従業者の職責等に応じた処遇の体系、他の業種に属する事業に従事する者の平均的な賃金水準等を勘案し、かつ、申請に係る保育事業者等の負担に配慮するものとすること。
(第3条関係)

 二 不正利得の徴収
   偽りその他不正の手段により保育等従業者処遇改善助成金の支給を受けた者があるときは、都道府県知事は、国税徴収の例により、その者から、その支給を受けた保育等従業者処遇改善助成金の額に相当する金額の全部又は一部を徴収することができること。
(第4条関係)

 三 交付金
  1 国は、保育等従業者処遇改善助成金の支給に要する費用の全額に相当する金額を都道府県に交付すること。
  2 国は、毎年度、予算の範囲内で、保育等従業者処遇改善助成金に関する事務の執行に要する費用に相当する金額を都道府県に交付すること。
(第5条関係)

第三 子ども・子育て支援に関する業務に従事する者の処遇の改善
  1 第二に定めるもののほか、国は、児童福祉法の児童養護施設の従業者、同法の放課後児童健全育成事業に従事する者その他の社会的養護を含めた子ども・子育て支援に関する業務に従事する者の処遇の改善のために必要な措置を講ずるものとすること。
  2 国は、1の措置については、政令で定めるところにより、他の法令の規定にかかわらずその費用の全額を負担することができるものとすること。
(第6条関係)

第四 雑則
 一 報告等
  1 都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、保育事業者等若しくは保育事業者等であった者若しくは当該保育事業者等の従業者であった者(以下1において「保育事業者等であった者等」という。)に対し、報告若しくは帳簿書類その他の物件の提出若しくは提示を命じ、保育事業者等若しくは当該保育事業者等の従業者若しくは保育事業者等であった者等に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該保育事業者等の事業所若しくは施設、事務所その他その業務に関係のある場所に立ち入り、その帳簿書類その他の物件を検査させることができること。
  2 1による質問又は立入検査を行う場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならないこと。
  3 1による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならないこと。
(第7条関係)

 二 事務の区分
   第二の一の1、第二の二及び第四の一の1により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法の第一号法定受託事務とすること。
(第8条関係)

 三 厚生労働省令への委任
   この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、厚生労働省令で定めること。
(第9条関係)

第五 罰則
  第四の一の1の報告をしなかったこと等に対して所要の罰則を設けること。
(第10条関係)

第六 施行期日等
  1 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。
  2 この法律は、子ども・子育て支援に係る制度について見直しが行われ、保育等従業者に関し、優れた人材の確保に支障がなくなったときは、廃止するものとすること。
  3 関係法律について所要の改正を行うこと。
(附則関係)