国会論戦・提案

被災障害者の支援拡充を 熊本地震 堀内氏が改善求める

 日本共産党の堀内照文議員は25日の衆院災害対策特別委員会で、熊本地震で被災した障害者の問題を取り上げ、障害者の死亡率が住民全体の2倍といわれている東日本大震災の教訓を踏まえ、支援の拡充を求めました。

 堀内氏は、日本相談支援専門員協会と日本障害フォーラムの訪問調査で、自治体などから提供された名簿から高齢障害者などが漏れていると指摘。「すべての障害者手帳保持者の現況を集約し、必要な支援に結び付くよう機関が連携すべきだ」と述べました。

 さらに、益城町では福祉避難所が5カ所だけで、一番近い避難所まで歩いて40分かかる住民が、自宅の片付けで毎日往復している例を紹介。「被災障害者のニーズに応えた、きめ細やかな具体化が求められる」として、福祉避難所増設や人的支援強化を求めました。

 河野太郎・防災担当相は「高齢者や障害者、妊産婦など配慮が必要な方には、避難所の環境改善をしっかり行う」と答えました。

 堀内氏が、被災医療機関の再建支援補助金の申請を期限(23日)後も受け付けるかとただすと、厚労省の梅田珠実審議官は「個別に相談し、期日を超過した申請も可能だ」と答弁。堀内氏は、医療機器も含めた復旧へ補助対象の拡大も求めました。

 

2016年5月26日 しんぶん赤旗より

 

 

衆議院会議録情報 第190回国会 災害対策特別委員会 第7号

○堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文です。
 発災から一カ月余りが経過しました。先日も、避難所での食事改善の通達が改めて出されるなど、避難所での生活改善自体にまだ課題が多く、これから梅雨入りして暑くなるだけに、一層強化が求められます。
 視察先の益城町で、壊れた住宅から和服などを取り出して整理していた女性が、申し込んで当たればいいけれどもと漏らしていましたが、仮設住宅ですね、必要な被災者にしっかり建設していくということも大事です。住宅や生活再建へ向けた本格的な支援も、今後もちろん必要になってきます。
 被災者一人一人の生活再建へ、文字どおり課題は山積していると思います。そういう意味でも、国の役割、責任というのは非常に大きいと思います。
 きょうは、その中でも、まず障害者支援について伺いたいと思います。
 東日本大震災では、障害者の死亡率が住民全体の二倍であると言われました。その教訓から、被災した障害者がどのような状況に置かれ、どんな支援が必要か、これを速やかに、そして的確につかんで、必要な支援に結びつけていくことが急がれる、このことを障害者団体は強く求めているわけであります。
 そこで、日本相談支援専門員協会と日本障害フォーラム、JDFが、地元の支援組織、機関とも協力をして、障害手帳保持者の実態調査を行っています。この調査の対象及び到達点についてまずお伺いしたいと思います。
○藤井政府参考人 お答え申し上げます。
 日本相談支援専門員協会は、熊本県及び熊本市と連携をいたしまして、被災自治体と相談の上、被害の大きかった熊本市及び益城町の障害者手帳をお持ちの方の自宅を全戸訪問して、障害者の安否確認及び必要な支援につなげていただくような活動を実施していただいております。
 四月の二十九日より活動を開始いたしまして、五月二十四日現在までで、熊本市の東区、南区及び益城町ではほぼ全戸訪問が行われまして、五月二十三日より新たに熊本市西区で訪問活動を行っているところでございます。
○堀内(照)委員 今、全戸とおっしゃいましたけれども、手帳保持者全部に行っているんでしょうか。介護の利用者などは除いているとお聞きしたんですけれども。
○藤井政府参考人 はい、手帳保持者全戸でございます。
○堀内(照)委員 この訪問活動は、報道でも、熊本市東区で少なくとも二十五人の障害者が、危険、要注意と判定されたり、エレベーターが故障した住宅で暮らしていたことが判明するなど紹介されておりまして、非常に大事な調査だと感じております。
 私は、この土曜日に神戸の障害者施設で、ゴールデンウイーク明けから先週末までこの訪問活動の支援に参加していた方のお話を伺ってまいりました。ちょうど、そのときですから、きのう、金曜日に帰ってきたばかりだということでありました。
 この方は、益城町の訪問活動に参加をしていました。精神障害一級の方が多い、そもそも地域にこれに見合う障害福祉サービスの受け皿がなく、精神病院、医療にしかふだんからかかわりがなかった方々が多い、そういう意味では今後の支援という点でも大きな課題があるというふうにおっしゃっておりました。
 訪問すると、同居している対象者の家族や親も同じ精神障害を持つケースも珍しくないと。今、全戸とおっしゃいましたけれども、そういう方は名簿に載っていないんです。これはちょっとおかしいと思うんですね。その方はたまたま名簿に載っている方の家族だということで捕捉をされたわけですけれども、一人で生活されている場合、対象から漏れている方がいるんじゃないかと、今のお話を伺っても思うわけであります。
 最初、私が説明を聞いたときは、介護保険利用者は地域包括等介護のケアマネとかかわりがあるから名簿から除かれているという説明を受けましたけれども、今、全戸とおっしゃいましたけれども、それでも現地では、精神障害の方、対象の名簿の方のところに行くと、その親御さん、六十五歳以上の方で名簿に載っていない方が、本来対象となるべき方がいたということであります。少し現場の実情と違うんじゃないかと思うんです。
 私は、マンパワーが必要なときですから、いろいろな組織の力を最大限に生かして、分担してやるということは大事だと思うんですね。しかし、その際にも漏れがないということが大事だと思うんです。今、全戸とおっしゃったけれども、現地で実際にはそうなっていない実情があるわけであります。
 全ての手帳保持者について、どのルートから把握されようとも、最終的には障害者支援のところでしっかり現況が集約されて必要な支援に結びつける、そういう意味ではいろいろな機関が連携するということが大事だと思うんですけれども、今の全戸訪問ということとあわせて、現場の実態とちょっと違うんじゃないかということもありますので、もし追加して説明があれば。それとあわせて、連携をしっかりやって、しっかり障害者支援のところで集約して支援に結びつける、このことが大事だと思うんです。
○藤井政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど答弁申し上げました、日本相談支援専門員協会等によります全戸訪問と申し上げましたけれども、障害者手帳をお持ちの方の属する世帯の全戸訪問ということでございまして、日本相談支援専門員協会等が訪問しておる御家庭につきましては、高齢者は別でございまして、そうではなくて、障害者手帳をお持ちの方のお宅に全戸訪問しておるということでございます。
 その上で、障害者手帳をお持ちの方の状況につきましては、日本相談支援専門員協会が、被害の大きかった地域についてまさに全戸訪問を通じて今把握していっておりますほか、障害福祉サービスの利用者、福祉サービスの利用者につきましては、相談支援専門員でございますとか、あるいは利用している事業者が状況を把握しておりますし、また地域包括支援センター等が把握するような場合もございまして、さまざまなルートから把握をしているところでございます。
 そうして把握された情報につきましては、相談支援専門員等が必要な支援に結びつけるということもございますし、また、熊本県、熊本市、それから厚生労働省の現地対策本部、それからまた相談支援専門員協会等も加わっていただきまして設置をされております職員派遣・支援調整協議会が現地にございますが、この協議会において情報を集約いたしまして、連絡調整が図られているところでございます。
 御指摘のように、まさに関係者がしっかり連携して取り組むことが重要だというふうに私どもも考えておりますので、今後とも、国、県、市町村、それから民間団体ともしっかりと連携をいたしまして、被災された障害者のニーズの把握、さらに必要な支援の提供に努めてまいりたいと考えております。
○堀内(照)委員 私は、単純に高齢者ということではなくて、障害手帳をお持ちの高齢者が省かれている例が現場であったということを指摘しました。
 それから、名簿も、行ってみたら三十五年前にもうこの方は引っ越しましたよという方もあったり、そういうことも聞きましたので、しっかり、漏れがない、そして連携を図るということを強く求めたいと思います。
 それから、高齢者について、今も少しありましたが、介護支援専門員協会と地域包括支援センターが全戸訪問している地域もあると伺いました。それはどの地域で行われて到達がどうなのか、そしてその取り組みをどう評価されているのか、それ以外のところで今全戸訪問していない理由というのがありましたらお聞かせいただきたいと思います。
○浜谷政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のとおり、今回の熊本地震に際しましては、被災地域の地域包括支援センターの活動を支援するため、日本介護支援専門員協会の協力によりまして、他の地域のケアマネジャーに被災地の要介護高齢者等の状況把握をしていただいております。
 このうち、西原村と益城町におきましては、戸別訪問による実態把握のニーズが高いという市町村の要望を受けまして、日本介護支援専門員協会におきまして全戸訪問を実施しております。
 現状でございますけれども、西原村では、調査が必要な世帯への全戸訪問、千百三十二軒が終了しております。益城町におきましては、五月二十三日現在で五千九百四十一軒訪問しており、今月中をめどに全戸訪問を終了する予定と聞いております。
 地域の実態の把握、あるいはそれをもとに必要な支援につなげるという意味で、多大な貢献をいただいているものと考えております。
○堀内(照)委員 ほかの必要なところも行く予定はあるんでしょうか。
○浜谷政府参考人 お答えいたします。
 今回の熊本地震におきましては、まず熊本県内の関係市町村に対しまして、地域包括支援センターや介護支援専門員などにも協力を依頼する等の方法によりまして、被災した世帯の要介護高齢者等の状況や実態の把握に努めていただくよう関係市町村にお願いしているところでございます。
 そういう意味では、各地域の実情がございますので、基本的には関係市町村の判断によりまして必要な実態把握、支援を行うというところでございまして、国といたしましても、先ほどありました、熊本県、それから厚生労働省の現地対策本部、関係団体等によりまして構成されます職員派遣・支援調整協議会を設置し、連絡調整をしているところでございまして、こういったところでニーズを把握いたした上で、必要に応じ、日本介護支援専門員協会に協力を依頼するなど、必要な支援を行ってまいりたいというふうに考えております。
○堀内(照)委員 これは、私はやはり全戸やる必要があると思うんですね。
 これは東京新聞に先日載っておりました支援に入った方の言葉ですけれども、自分は大丈夫と思ったり我慢をしたりして自宅にいる人がいる、状況が悪化していないかしっかり聞かなければ。そして、こういうことをつかむことによって、地域単位の網羅的調査で継続的な支援の基礎をつくっていきたいと。
 本当に大事な意味があると思うんです。地域包括等、ふだん利用がない方はやはり漏れてしまいますので、しっかりと全戸行くということが必要だ。
 けさの朝日新聞でも、支援に入った方が、長引く避難生活等で体調が悪化されている、しかし、今なかなか、医療機関等、相談支援の人手不足で十分対応ができていない、さらに悪化することも懸念される、ですから応急的なこういう聞き取り調査が非常に大事だと痛感したと。この方は最後にこう言っています。今後は国の復興予算で保健福祉の専門職を長期的に派遣できるよう関係者に対応を求めたい。
 ですから、しっかり国が対応していくべきだということを、ここはちょっともう時間がありませんので指摘にとどめたいと思いますが、お願いしたいと思います。
 益城町でこういう例もあったと、先ほどの障害者訪問活動の中での事例でお伺いしました。山合いにある二十軒ほどの集落で、二十七歳の女性と御両親が暮らしています。家は危険で住めません。しかし、一番近い避難所が歩いて四十分かかる小学校。家の片づけもありますので、毎日四十分かけて通われているというんですね。益城町には福祉避難所が五カ所しかありません。山合いにぽつぽつと集落があるというところもありますので、なかなか難しいところもあるのかなと思いますが、月曜日、視察の際、説明いただいた総務課長は、福祉避難所もふやしていきたいとも述べておられました。
 大臣にぜひお伺いしたいんですが、数字の上では福祉避難所のキャパシティーが足りているようには見えるんですが、実際には建物の被災のためにロビーでしか寝るスペースがなくて受け入れられるような状況じゃないとか、片づけや仕事、学校などもあって家から離れられないということで、そこには行けないという方もあります。やはりニーズに応えたきめ細やかな具体化が求められると思うんです。絶対数も益城町では足りていない。
 必要な福祉避難所を確保していく上で、特に人員配置の方も問題になると思うんですが、そういうことも含めて、市町村の取り組み、ぜひ国が責任を持って対応していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○河野国務大臣 まだ、きょう現在、九千人をちょっと欠けるぐらいの方が避難所に避難をされているというのが現状でございます。
 例えば福祉避難所もそうですし、避難所も、あらかじめ用意をしていたけれども、地震でそこも被災をしてしまって使えなくなってしまったというところが少なからずあったというのも現実でございます。そういう中で、配慮の必要な高齢者、障害者、乳幼児、妊産婦、その他配慮することが必要な方に対しては、少し避難所の環境改善というのをしっかりやってまいりたい。
 特に、熊本は三十度を超えるような気温になってまいりましたし、梅雨もだんだんと近づいてまいりました。益城町などはメーンアリーナ、サブアリーナの改修が終わりましたので、いろいろなところからそこへ移っていただいて、あいた会議室にさらに移っていただくというような作業を今やっているところでございますので、少しでも良好な生活環境のもとで生活できるように努めてまいりたいと思っております。
 また、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、乾燥機といったものを今全ての避難所に入れられるように、ニーズを吸い上げて手配をしているところでもございます。
 また、特に配慮の必要な方には、旅館やホテルを二次避難所、福祉避難所として活用できるようにさせていただきました。また、一般の避難所に福祉スペースを設けることができる場合には、そこも福祉避難所と同様に災害救助法による国庫負担の対象とさせていただいているところでございますので、御指摘のように、特に配慮を要する方を含め、避難されている皆さんに少しでもいい環境で避難所の生活を送っていただけるように、しっかり国も、熊本県あるいは自治体と連携をしてやってまいりたいと思います。
○堀内(照)委員 今旅館などのお話もありましたが、やはりなかなか遠くて行けないという声がありますので、実態に合わせて国の責任を果たしていただきたいと思います。
 時間がありません。ちょっと飛ばしまして、被災した医療機関の再建について伺います。
 民間病院の再建への支援は、医療施設等災害復旧費補助金があります。補助の対象となる政策医療の中身がこの間拡大もされてきました。これにかかわって、二点なんですが、ちょっとまとめて伺います。
 申請期限、実は月曜日で終わっているんです。しかし、まだまだこれから受け付けていく必要があると思いますが、受け付けていただけるのかということを一つ確認したい。
 四月の末に、現地に医療機関の訪問調査をした全国保険医団体連合会、兵庫県保険医協会の担当者から私はお話を伺いました。地震の震動によるスプリンクラーの誤作動もしくは配管の破断等による水によって機器がやられるとか、機器そのものが倒壊してだめだとか、建物に損傷がなくても、なかなかそういう医療機器の被害というのは大きいんだという話もありました。もう高額の医療機器は自前では買えない、こういう方もあったということであります。
 再建に向けた補助金は、対象が拡大されてきたとはいえ、全ての医療機関が対象になりませんし、機器のみの被害ではなかなか対象になりません。月曜日に熊本県からいただいた要望の中にも、早期復旧へ、補助率のかさ上げや補助の対象の拡大、全額国庫による基金の創設など支援を求めております。東日本のときにも基金が組まれました。
 また、地域医療介護総合確保基金でも、地域医療構想の達成のためだけでなく、居宅等における医療の提供に関する事業も対象になっているわけです。
 こうしたことも含めて、自治体の裁量、自由度のきく仕組みも活用して、医療機器の購入費用も含めた支援の具体化をぜひ求めたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○梅田政府参考人 お答えいたします。
 このたびの熊本地震において被災した医療施設の復旧は地域の住民の健康を守るために重要と認識しておりまして、医療施設等災害復旧費補助金によって、復旧のための工事費等について補助することとしております。
 この被災地内の医療施設への周知に関しましては、震災後に事務連絡により復旧事業の実施についてお知らせしているところでございますが、議員御指摘の期日に関しましては、これは事務連絡において五月二十三日までとはしておりますが、期日までに間に合わない場合は個別の御相談によって期日を超過して申請することも可能と明示しております。
 災害復旧費補助金を活用した被災施設の復旧が円滑に進められるように努めてまいりたいと思っております。
 それから、当該医療施設等災害復旧費補助金でございますが、このたびの熊本地震につきましては、激甚災害に指定されたということがございますので、公立病院や日本赤十字社などの公的医療機関は補助率を二分の一から三分の二に引き上げ、救命救急センターや災害拠点病院などの政策医療を実施している民間医療機関は補助額の上限を撤廃し、さらに、これらの医療機関の医療機器の購入費についても補助対象に追加するといった対応をしてございます。
 また、医療施設等災害復旧費補助金につきましては、これまでも必要に応じ復旧対象を拡充してきておりますが、さらなる補助対象の拡充や基金の設置等による支援につきましては、今後、被災地における被害状況も踏まえつつ、関係省庁と調整してまいりたいと考えております。
○堀内(照)委員 ぜひよろしくお願いします。
 終わります。