国会論戦・提案

児童扶養手当 審議入り 厚労委員会

児童扶養手当 審議入り 衆院委 野党提出の拡充案

高橋氏が答弁 堀内氏が質問

 日本共産党など5野党共同で提出した、ひとり親世帯への児童扶養手当を拡充する児童扶養手当法改定案の審議が6日の衆院厚生労働委員会で始まりました。ごく一部の見直しにとどまる政府案とともに審議され、答弁席に着いた野党提出者4人のうち日本共産党からは高橋千鶴子議員が立ちました。

 5野党案は、(1)高校卒業までの現在の支給対象に20歳未満の学生を追加(2)手当加算額を第2子以降1万円へ増額(3)年3回の支払いを毎月支払いにする―というものです。

 日本共産党の堀内照文議員は、働くひとり親は非正規雇用は4割にのぼり、最低生活費未満の所得で生活している世帯が6割をしめる実態を指摘。「就業・自立支援の名で給付を抑制してきた帰結だ」として抜本的見直しを求めました。

 ひとり親世帯での高校卒業後の進学率は一般世帯の半分近い4割だと述べ、野党案のように支給期間を20歳未満の学生まで拡大すべきだと求めました。

 厚労相は「大学に行かず働く人とのバランスを考えると難しい」と言い訳に終始。

 答弁に立った高橋議員は、母子家庭の8割、父子家庭の9割が就労していながら非正規雇用で低賃金となっており、約4割の世帯が希望する大学進学が実際は2割にとどまっているからこそ抜本的見直しが必要だと述べ、「貧困の連鎖を断ち切るため、野党案は命綱の児童扶養手当を拡充する決定的なものだ」と答弁しました。

 堀内氏も「経済的理由で進学を諦める事態をなくすのが政治の責任だ」と述べました。

 堀内氏は、いまの年3回支給では月収入に大きな差が出て生活苦になる事例を指摘。野党案が掲げた、毎月の支払いにするよう求めました。

 塩崎恭久厚労相は「収入のチェックを毎回しないといけない」と拒否したのに対し、提出者の民進党の初鹿明博議員は「毎月なら家計管理もしやすくなる」と答弁しました。

2016年4月7日 しんぶん赤旗より

 

衆議院会議録情報 第190回国会 厚生労働委員会 第11号

○堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文です。
 きょう、私、質問を準備するに当たって、心に刻んできたことがございます。
 資料の一枚目に配らせていただきました。
 ちょうど一週間ほど前、三月三十一日の毎日新聞に載った五十五歳の女性の投書です。「娘の除籍」とあります。母子二人、必死に必死に生きてきた、その娘さんが、十一万五千円の学費が払えずに大学を除籍になったというものであります。
 この娘さんは、高校生のときにお母さんが正社員を離職されたことで、通信制高校へ転校した。卒業後二年間はアルバイトで授業料を稼いで、大学受験をして、ようやく入学できた大学です。その入学直後に母親が今度は解雇に遭った。それでも娘さんは奨学金を受けながら通い続けた。そして、母親も何とか新たな職が見つかって、ダブルワークで上向きになるかと思った矢先の除籍の通知だったというわけであります。
 このお母さんはこう書いておられます。「非正規雇用の母子家庭として、我が家が直面した状況は、今の政策が、本当に私たちレベルの庶民の現実など、全く理解できていない人々によって生み出されたことを物語っています。」と。こんな現実を生み出す政治でいいのかと問われていると思います。
 今回の法改正は、第二子以降の加算額を増額することを中心とするもので、それそのものは、関係者が強く求めてきたものであり、歓迎するものであります。同時に、今の一人親家庭の置かれている現実を考えればさらなる拡充が必要だ、そういう立場で、きょうの議題の両案に対して質問したいと思います。
 初めに、一人親家庭の現状への認識について確認していきたいと思います。
 資料の二枚目にグラフを載せておきました。
 これは、離婚と母子世帯に対する社会保障給付状況の推移というもので、ちょっと見にくいんですが、母親が親権を行う離婚件数、つまり、母子世帯になった数は横ばいで推移しています。にもかかわらず、児童扶養手当の受給が増加をしているわけです。つまり、児童扶養手当の受給がふえたのは、離婚がふえたんじゃなくて生活困窮が進んだということが示されていると思います。
 しかし、ちょうどその離婚件数と重なり合うように推移しています、生活保護を受給する母子世帯の数もこの間横ばいなんです。生活保護を受けずに就労しながらも生活困窮から抜け出せない世帯がふえているんだということだと思います。
 そのことを示しているのが、厚労省の調査であります、生活保護基準未満の低所得世帯数の推計についてというものであります。そこで母子世帯についても調査をしております。
 母子世帯のうち、最低生活費未満の世帯数、被保護世帯数、さらに、いわゆる捕捉率、これは何%になるのか、国民生活基礎調査による調査でお答えいただきたいと思います。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
 生活保護基準未満の低所得世帯数についてですが、保有する資産、あるいは親族からの扶養の可否、さらには稼働能力の有無等の把握が困難でございまして、なかなか正確な把握は難しいところがございます。平成二十二年に公表した数値は、あくまでも一定の仮定を置いた推計値として算出をしたものでございます。
 推計のデータに全国消費実態調査を用いるか、あるいは国民生活基礎調査を用いるかによっても結果はかなり異なるものでございますが、先生お尋ねの、平成十九年国民生活基礎調査のデータを用いた推計値によりますと、母子世帯総数約七十四万世帯のうち、フロー所得において最低生活費未満の世帯は約四十六万世帯、そのうち生活保護の資産要件を加味した世帯が約二十二万世帯となっております。全国消費実態調査を用いた推計値は、低所得世帯数はこれよりは少なくなっているところではございます。
 そして、被保護世帯数でございますが、この時点での被保護母子世帯数は約九万世帯でございまして、低所得世帯に対する被保護世帯の割合で見ますと、フロー所得で見た場合は一六%、資産を加味した場合は二八・五%、こうした推計値をお示ししているところでございます。
○堀内(照)委員 今の一覧表になっているのを資料の三枚目に載せておきました。母子世帯のところに線を引っ張っておきました。
 今ありましたように、捕捉率、フロー所得でいうと一六%、そして資産を加味した上では二八・五ですから、本来生活保護が受けられるはずの母子世帯の七割から八割以上が、わずかな就労所得などと児童扶養等の手当のみで、生活保護基準以下で必死に暮らしているということだと思うんです。
 仕事をするにしても、それからまた子供の送り迎えなどで、生活上どうしても車が必要だということで、それが資産ということでなかなか生活保護に結びつかないですとか、ただでさえ、今、生活保護申請の窓口に行けば、働け働けということで、なかなか受給に結びつかないという実態があるわけです。そうして必死に働いていても所得がこれだけ低い実態にあるんだということだと思うんです。それだけに、この児童扶養手当というのは、文字どおり命綱なんだと思うんです。
 二〇〇二年の同法改定以降、国は、就業・自立に向けた総合的な支援だということで、就業による自立の努力を強く求めてきました。二〇〇二年当時と現在で、母子世帯の就業の割合、それから、そのうち正規、非正規の割合の変化をお聞きしたいと思います。
○香取政府参考人 御答弁申し上げます。
 母子世帯の就業状況につきましては、全国母子世帯等調査というものの中で把握してございます。
 母子世帯の就業割合ですが、平成十五年度八三・〇%、平成二十三年度では八〇・六%となってございます。
 また、就業している母子家庭のうち、常用の方と、いわゆる臨時、パートの方ですけれども、十五年の調査ですと、常用雇用者三九・二%、臨時、パート四九・〇%。二十三年では、ちょっととり方が変わっておりますが、基本的には同じ統計のとり方をしておりますが、正規の職員、従業員が三九・四%、パート、アルバイトが四七・四%ということになってございます。
○堀内(照)委員 二〇〇二年ということでお聞きしましたので、それに一番近い平成十五年、つまり二〇〇三年の数字との比較でお答えいただいたんですが、これは五年ごとの調査ですので、その前の平成十年で見ますと、正規は五割を超えていて、非正規は四割弱だったと思うんですね。それから見ると、やはり就業の割合というのが若干減りつつ、そして、正規が減り、非正規がふえるというのが大きな傾向ではないかと思うんです。やはり雇用の規制緩和が進んだことや、比較的定時で勤めることができ、女性の就労が多い給食調理員など公務の現場も、指定管理者制度が導入されることなどで非正規が広がってきたというのが大きな一因ではないかと私は思っております。
 さらに、社会保険の加入状況についてお尋ねしたいと思います。
 雇用保険の加入率、健康保険、公的年金、それぞれ、被用者保険と国保、国民年金の加入率はどうなっているでしょうか。
○香取政府参考人 御答弁申し上げます。
 同じく全国母子世帯等調査で、二十三年度の調査で申し上げます。
 回答いただいた全ての母子世帯のうち、雇用保険に加入している世帯の割合が六〇%。健康保険に関しましては、被用者保険が四九・五、国民健康保険が四一・二となっております。同じく公的年金に関しましては、被用者年金制度に加入しておられる方が四七・九%、国民年金につきましては三六・〇%ということになってございます。
○堀内(照)委員 八割の方が就労しているのに、事業主負担のある社会保険制度への加入は五割弱から六割という水準なんです。就労していても、被用者保険に入れないような短時間の仕事をダブルワーク、トリプルワークで働いているという状況だと思うんです。国保などには低所得者に減免制度などもあるわけですが、自己責任の世界だと言わなければなりません。
 国は就業支援をするといいますが、一人親家庭の保護者の皆さんは、国から言われる前からずっと、ずっと八割台ですから、仕事について頑張ってこられたわけです。そして、国がそういう就業支援といいながら、一方で非正規雇用を広げる、社会保険制度もセーフティーネットとして十分機能しているとは言えない状況を生み出してきている。ここの責任が私はやはり問われると思っております。
 私は、就労支援そのものはもちろん否定するものじゃありません。必要なことだと思います。しかし一方で、就業、自立支援の名のもとで児童扶養手当の給付の拡大が抑制されてきた、その結果、多くの母子世帯が、就労してもなおワーキングプア、生活困窮の状態から抜け出せないことになっている、これが二〇〇二年からの政策の帰結じゃないかと思うわけであります。
 こういった、就労による自立を促進することに余りに重きを置くようなやり方、これは、大臣、見直すべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 今の一人親家庭の現状の厳しさについて堀内先生御指摘があったわけでありますけれども、一人親家庭への支援については、家庭の生計維持あるいは子供の将来への影響とか、そういったことを考えてみると、やはりできる限り就業による自立というものを支援していくことが望ましいというのは変わらない考え方ではないかなというふうに思っています。
 さっきも出ておりましたけれども、一人親家庭で約八割が就業をしているわけで、しかし、その半数がパート、アルバイト、非正規、不安定な就業形態にあって、経済的にもさまざまな困難を抱えている。そういうことで、私どもはこれまでも、最低賃金の大幅な引き上げ、あるいは同一労働同一賃金に踏み込むということも申し上げてきて、正社員転換などもやってきたわけでありまして、安定的な就業に結びつくということが一番大事なんだろうというふうに思います。
 そのためのきめ細やかな支援というものが大事であり、一方で、一人親家庭はなかなか生活面で厳しいわけでありますから、自立を支援していくためには、子育て・生活支援、就業支援、あるいは経済的支援、あらゆる支援に総合的に取り組まなければならないということで、年末にもパッケージをまとめさせていただいたところでございます。
 我々の考える支援は、やはり現物給付と現金給付のバランスをしっかり捉えながら、財政が厳しい中にあってもしっかりやっていくということでありますけれども、何よりも働き方改革というのが最大のチャレンジだと今安倍内閣で安倍総理も言っているわけでありますので、同一労働同一賃金、あるいは最賃の千円に向けての引き上げを含めて、一人親家庭の自立の促進に取り組まなければならないというふうに考えております。
○堀内(照)委員 就労支援や雇用環境を改善していくことはもちろん私も大事だと思っていますので、そうなんですが、総合的支援というのは、文字どおりいろいろな法律のもとでの制度を総動員してそれこそやっていくわけであって、この法律はこの手当の支給に関するものでありますから、今、現物、現金、両方述べていただいたんですけれども、手当の位置づけが後景に追いやられるということがやはりあってはならない、こう私は思うわけですが、その点は確認いただけますでしょうか。
 就業支援は大事なんですけれども、そのことが余りに強調されることによって、手当の位置づけが何か後ろに追いやられるような、施策として後ろ向きになるようなことはあってはならないですよねということを確認したいんです。
○塩崎国務大臣 今回の児童扶養手当につきましては、申し上げているように、特に多子家庭が厳しい中にあって、多子加算が何十年と変わっていないということでありました。それを、反省を込めて、倍額をするということにしているわけでありますので、やはりそこは、働くことと、それだけでは賄い切れない生活の部分についての現物と現金の支援の組み合わせをどうベストミックスにしていくかということだろうと思いますし、その政策自体は、やはり、全体としての財政制約の中で、できる限りのことをあらゆる手だてを使ってやっていく。
 今回、例えば保育園の、一人親に対してはかなり手当てをしているわけでありますから、そうやって総合的な支援をしていくということが、働くことを支えるということにもつながるというふうに考えております。
○堀内(照)委員 今大臣から、反省も込めてと言っていただきましたので、この位置づけはそうだと確認したいと思うんです。
 その上で、幾つか具体的に質問したいと思います。
 これは、ずっときょうも議論になりました支給回数の問題です。
 四カ月に一度ではやはり家計の管理が大変なんだ、毎月支給してほしいというのはごく当然の願いだと思っています。
 賃金の方は、支払いは毎月が原則なんです。これはなぜなのかということをちょっと確認したいと思います。
○山越政府参考人 労働基準法におきまして、賃金は、臨時に支払われる賃金あるいは賞与等を除きまして、毎月一回以上支払わなければならないとされておりますが、これは、賃金支払い期の間隔が開き過ぎることを防ぐことを目的として、一定の期日を定めて払わなければならないという規定と相まちまして、働く方の定期的収入の確保を図るものでございます。
○堀内(照)委員 済みません、なぜ間隔があき過ぎるとだめなのかということも含めて、ちょっと説明いただきたいんですけれども。
○山越政府参考人 賃金は労働者にとりまして主たる収入でございますので、働く方の生活上の不安を取り除くということを目的といたしまして、賃金支払い期の間隔が開き過ぎないようにするという目的でこの規定が設けられているというふうに承知をしております。
○堀内(照)委員 資料の次のページに、朝日新聞、二〇一五年十二月二十七日付の記事を載せておきました。
 「ひとり親 波打つ収入、綱渡り」ということで、手当の支給月とそうでない月とで収入が非常に差が出てくる。手当が支給されると、公共料金を一気に支払って、もう手当の半分がなくなる。一息はつくものの、長くは続かない。そうすると、次はどの料金を滞納するかということで、じきに頭がいっぱいになってくる。手当の支給前が一番しんどいんだという声が紹介されております。この記事は、次のページ、これはもう大西委員も紹介されましたけれども、低所得世帯の現金給付の渡し方に着目をし、千葉での悲劇的な事件のケースで、母親の収入状態の変動からこの事件について検証しているわけであります。
 毎月給付の重要性というのが非常に浮き彫りになっていると私も思います。一方で、賃金は、生活上の不安を取り除くために毎月支払いなんだと。しかし、なぜ児童扶養手当は毎月じゃないのかということなんです。
 これは、ずっと答弁がきょうもありました。いろいろな理由を大臣述べられましたけれども、その理由の一つ一つは、きょうの質疑の中で、自治体は独自にもうやっている、毎月やっているというケースなんかもあるわけですから、乗り越えられると私は思うわけです。そういうことを理由にして、賃金は生活上の不安を取り除くために毎月なわけですから、では、受給者の不安を取り除かなくていいのかということが問われていると私は思うんです。
 この点、大臣、毎月支払いにやはり踏み出すべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 先ほど来、何度か同じ御質問をいただいて、同じ答弁を繰り返しているわけでありますので、今回も同じことを言わざるを得ないわけでありますが、いわゆる年金とかそういうのとは少し違って、児童扶養手当に該当するかどうかということを毎回必ずチェックしていかないといけない。つまりそれは、税金の使い方という意味においてそうだということでございます。生活保護でも同じようなことが言われるわけでございますけれども。
 そういうようなことで、しっかりと、例えば、本当に所得をお一人だけで得ているのかどうか、つまり、御一緒に住んでいらっしゃる方がいて収入があるとかないとか、そういうこともチェックをしなければいけなかったりするわけであります。
 それともう一つは、やはり、一人親家庭の生活に必要な費用を全部児童扶養手当で賄っているわけでは決してなくて、先ほど来申し上げているように、現金給付も現物給付も組み合わせた支援をしているわけでありますので、他の施策と組み合わさって生活を支援していくということを考えてみると、目いっぱい、もらわれる側の立場を考えてみれば、そういうようなことであるということが一つ。
 やはり、これはもう何度も言っているように、かつて山井さんが政務官をやられたときに、事務的にこれは無理だということをおっしゃっておられたように、今申し上げたようなエリジビリティーのチェックを含めてやるということはなかなか難しいということでありますので、そういったことを全て乗り越えていく解があるかどうかということではないかなというふうに思います。
○堀内(照)委員 いろいろなものを組み合わせ、児童扶養手当だけが収入じゃないと。もちろんそうであって、その中でも、この資料五枚目の朝日新聞の、大西さんも提供しておられた、収入の推移、これだけ波があって大変なんだという実態を受けとめて、どうするのかということをやはり検討すべきだと思うんです。
 野党案では毎月支払いとなっています。
 これも大西さんも初鹿さんも資料で出されておりましたけれども、自制心がないから計画的に使えないということじゃないと大阪大学の先生も述べておられるとおりでありまして、まとめて支給されるというやり方によって生じているさまざまな問題というのは、受給者個人の問題、責任に帰すわけにいかないと思うんですが、いかがでしょうか。
○初鹿議員 堀内議員、ありがとうございます。
 先ほど私も質疑の中で申し述べましたが、現在の行動経済学の、これは現在バイアスという問題を取り上げさせていただきましたけれども、やはり目先のところに支出をしてしまうという傾向が人間は強いわけでありまして、それと比べて、毎月支給をすることによって、家計管理がしやすく、生計の維持が可能になってくるというのはもう明らかだと思います。
 おっしゃるとおり、まとめ支給によって現在生じている問題は、受給者個人の問題や責任に帰することができるものではないという委員の御指摘はそのとおりでありまして、だからこそ、今回の我々の改正案は、このような最近の行動経済学の研究の成果を反映させると同時に、受給者の生活実態に合わせて、児童扶養手当について、現行の年三回から、毎月支払うこととしております。
 ありがとうございます。
○堀内(照)委員 毎月支給にぜひ踏み出すために努力していくべきだと思います。
 もう一点、支給期間の問題で、子供が十八歳までとなっております。しかし、冒頭の、大学を除籍されたという例もありますように、教育費の負担というのはやはり大学が一番かかるわけで、とりわけ入学の初年度が、入学金等もあるわけですから一番かかるわけです。ここが本当に子供の進学に深刻な影を落としているというのが現状だと思います。
 文部科学省が発表した高校卒業以降の進学率、これは大学、短大及び専修学校、各種学校ですが、平成二十七年の学校基本調査では、現役世代では七一・三%、過年度卒業生も含むと進学率は七九・八%になっています。
 一方、母子世帯がどうなっているのか、これをお答えいただきたいと思います。
○香取政府参考人 先ほど来御答弁で申し上げております全国母子世帯等調査によりますと、平成二十三年度、一人親家庭の子供の高等学校卒業後の進学率は四一・六%、これは、大学等、大学、短大、専修学校等に在籍している者の割合ということでございます。
○堀内(照)委員 一般家庭では七割、八割の高等教育への進学率ですが、母子家庭だとおよそ半分の四割台になるわけです。
 今回の児童扶養手当の議論の中でも、先ほどもありました、総合的に支援していくんだということで、いろいろ私もメニューを見ましたら、子供の学びを応援するということもありました。
 しかし、それだけで本当に解決するのかということです。そうした支援で勉強ができるようになっても、いざ進学する際に先立つものがなければ諦めなければならない、こういうことではやはり意味がないと思うんです。一番苦しいところをもっともっと応援していくということがやはり必要だ。
 この支給、二十歳未満というのが野党提案でありますけれども、それを引き上げていくということについて、大臣、ぜひ私は必要だと思うんですが、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 児童扶養手当の支給対象年齢について、高校進学率が九割を超えて、高校卒業の年齢までの間、働いてみずから生計を立てるケースがほとんどないというこの事実を考慮して、十八歳の年度末、こういうふうに今はなっているわけであります。
 大学進学機会の確保のために、支給対象年齢を引き上げて、大学在学中も支給対象とすべきという御提案については、大学に行かずに、高校を卒業して就職をされるという方々もおられるわけでありますので、そことのバランスを踏まえると、なかなかまだそういうことは難しいのではないかというふうに思っております。
 政府としては、やはりさまざまな支援策を組み合わせていくわけでありますので、一人親家庭を含む子供の大学等への進学機会の確保については、奨学金の充実などによって、教育費負担の軽減によって対応していくということにしているわけでございまして、こうした取り組みの充実を含めて、一人親家庭の自立の促進に総合的に取り組まなければならないというふうに思います。
○堀内(照)委員 バランスと言われますけれども、今の経済状態だから四割にとどまっているわけで、ここに支援が行けば、もっと母子世帯の子供の進学率も上がっていくと思うんですよね。
 それでは結局、今の議論では、バランスを理由に、金がない人は大学に行くなということになるのかと思うんですね。これは、一人親家庭だろうが二人親家庭だろうが、経済的理由で進学を諦めるような事態というのはやはりなくすというのが私は政治の責任だと思います。
 昨年十二月二十二日付の毎日新聞で、慶応大学の学生のことが紹介されておりました。
 彼女は、中学校のときに母親がリストラに遭って派遣社員になった。勉強が得意だったけれども、塾に通う余裕がなかった。受験対策が必要な進学校は諦めた。それでも、高校時代は進学資金をためるためにアルバイトをした。部活でくたくたになった後、夜十時まで働いた。勉強はそれからだ。働かないと進学の道が途絶えるが、働いただけ勉強時間が減るというジレンマ。高校三年生になって、バイトでためたお金で塾に通って、志望大学に合格をした。バイト代の残りも授業料の足しにもなった。精神的にも肉体的にもぎりぎりの毎日で、いつ進学を諦めてもおかしくなかった、こう言っております。ここまで頑張らないと進学への道が開かれないというのが現状なんです。
 この彼女が、今度の法改正に非常に期待したということも書かれてありました。これは、手当支給を二十歳まで延長してほしい、貧しいなら大学に行かずに働けと言われているような感じだ、これが彼女の言葉なんです。
 大臣、これをどう受けとめますか。
○塩崎国務大臣 先ほども申し上げたように、さまざまな支援策というものを御用意して、厳しい環境にある若い人が育っていけるようにするというのが大事なんだろうと思います。
 今の問題は、一つ、例えば、これは今回、給付型の奨学金の話で随分出てまいりましたけれども、その手前にあったのが、授業料免除とか、そういうようなこともあるわけであります。
 いずれにしても、さまざまな政策ツールを用意し、また、民間でも、あるいは国立大学もそうですけれども、そういったところでも対応する仕組みというものを幅広く持っていただくということも、みんなで育てよう若い人たちということになるのではないかなというふうに思います。
○堀内(照)委員 まだ全然具体化にもなっていない話でありまして、今すぐできるのがこの手当の拡充ということですから、ぜひやるべきだ。
 最後に、野党案は、私がこれまで指摘してきました、支給を拡充していくこと、毎月支払いを行うことなどなど、一人親家庭の現実から見ればどれも待たれているものをしっかり提起しているんだと思うんです。
 この法案の意義について、最後に提案者に伺って、質問を終わりたいと思います。
○高橋(千)議員 お答えいたします。
 子供の六人に一人が貧困世帯、うち一人親家庭は二人に一人ということはよく知られておりますが、しかし、母子家庭でも八一%、父子家庭では九一%が就労しており、OECD平均六六・五%と比べても、就労率は既にとても高いです。
 ダブル、トリプルと働いても、非正規で、最賃に張りつく低賃金。父子家庭は、二〇〇六年には三百九十八万円だった平均年収が、五年後には三十八万円も下がっています。長時間労働や出張、転勤が当たり前の職場が多い中で、これまでと同じ働き方ができないことが要因にあると思います。収入が少しふえれば支給額を打ち切る、あるいは減らされる。貧困からなかなか抜け出せません。
 一人親家庭の子供のうち、大学、大学院へ進学したいという希望が三八・五%もあるのに、実際の十九歳時点の就学状況では二〇・六%にとどまっております。
 野党案は、こうした一人親家庭の経済状況に鑑み、貧困の連鎖を断ち切るためにも、命綱とも言える児童扶養手当を、対象年齢あるいは多子世帯あるいは使いやすさという角度から支援を拡充しようとするものです。もちろん、大臣の言う組み合わせも当然必要なことでありますが、決定的なものとしてぜひ実現させていきたい、このように思っております。
 ありがとうございます。
○堀内(照)委員 ありがとうございます。終わります。