国会論戦・提案

2016年03月17日

希望者の継続入居を 堀内氏 公営住宅退去で追及

日本共産党の堀内照文議員は17日の衆院災害対策特別委員会で、阪神・淡路大震災の際に設けられた借り上げ公営住宅から被災者が退去を求められている問題を取り上げ、希望者全員の継続入居へ国が責任を果たすよう求めました。

 兵庫県内の各自治体では、借り上げ災害公営住宅の返還期限(20年)を理由に被災者が退去を求められ、応じない場合は行政から提訴される事態まで起こっています。

 堀内氏は、神戸市から提訴された72歳の女性の事例を紹介しました。この女性は乳がんを患ったうえ、難病を抱え、まっすぐ歩けないにもかかわらず、退去を迫られたとして、「入居者一人ひとりの状況を具体的に踏まえた柔軟な対応が必要だ」とただしました。津島淳・国土交通政務官は「地域の状況等を踏まえ各地方公共団体が判断する」と答えました。

 堀内氏は、一人一人の生活再建を図るという災害対策基本法の精神も示し、「国が被災者を見捨てないという姿勢を示すことが大事だ」と強調。(1)コミュニティーの維持という観点から政府が指針を示し、自治体が原則継続入居を認めるような仕組みをつくる(2)継続入居を認めた場合、国からの財政支援を行う―ことなどを提案しました。

 河野太郎防災担当相は「国として何ができるか、しっかり検討していきたい」と述べました。

2016年3月19日 しんぶん赤旗 より

 

衆議院会議録情報 第190回国会 災害対策特別委員会 第3号

○堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文です。
 東日本大震災から五年が経過をいたしました。まだ現地は本当に、復興は道半ばにも至らないような深刻な現状がある、厳しい現状があると思います。復興は、そして被災者の生活再建は、決して年限、時間では区切れるものではないと言わなければなりません。これは、二十一年前の阪神・淡路大震災の被災者としての私自身の実感でもあります。
 大臣に冒頭お伺いしたいんですが、二〇一三年に、大規模災害からの復興に関する法律が成立し、災害対策基本法が改正されました。その審議の際に、我が党の高橋千鶴子議員の質問に答え、当時の古屋防災担当大臣がこれらの法律の基本理念について、被災者一人一人の生活再建を図ることが大事だ、そういう趣旨の答弁がございました。河野大臣も同じ認識でよろしいでしょうか。
○河野国務大臣 災対法の基本理念の一つとして、被災者一人一人の生活再建を図るということを含めて、被災者の援護を図り、災害からの復興を図るというふうに規定をしております。
 私も、被災者一人一人に寄り添って復興を目指していくということが大切だと思っております。
○堀内(照)委員 ありがとうございます。
 ところが、阪神・淡路大震災の被災地では、借り上げ災害公営住宅の期限が二十年と定められ、今、順次その期限が来るということで、被災者が災害公営住宅から追い出されようとしております。
 阪神・淡路大震災の復興の過程では、避難所から仮設住宅へ、そして仮設住宅から災害公営住宅へと転居のたびにコミュニティーが破壊をされ、孤独死が社会問題にもなってまいりました。
 この借り上げ住宅は、当時、災害公営住宅の建設が間に合わないことから、民間やURの住宅を借り上げて公営住宅としたものであります。
 仮設で、公営住宅に入りたいということで何度も抽せんするわけですが、この抽せんに漏れて、ようやく当たったついの住みかがこの住宅だった。もちろん、他の公営住宅に当たった人は退去する必要はありません。抽せんでたまたま当たったのが借り上げ住宅だったということで、今退去を迫られているわけであります。震災から二十一年がたちましたから、当時六十歳代だった人は今八十歳代であります。到底引っ越しなどできないということで、入居者、被災者の方々に衝撃と不安が広がりました。
 既に、今、西宮市と神戸市で、それぞれ借り上げ期限が切れた住宅がございます。神戸市は、立ち退きに応じない被災者三人を提訴いたしました。西宮市も、同様の立ち退きに応じない被災者を提訴しようと、今、市議会に諮っているところであります。神戸市は、この提訴に至るまでにも被災者や代理人との話し合いにすら応じないまま、踏み切ったわけであります。
 借り上げ住宅入居者の中には、当初、行政から、この二十年という入居期限を知らされていなかった方も多いわけです。公営住宅法第二十五条二項では、「事業主体の長は、借上げに係る公営住宅の入居者を決定したときは、当該入居者に対し、当該公営住宅の借上げの期間の満了時に当該公営住宅を明け渡さなければならない旨を通知しなければならない。」とされているんですが、この要件を満たしていないのに一方的な退去を求めている。これは問題ないんでしょうか、国交省にお尋ねしたいと思います。
○杉藤政府参考人 お答え申し上げます。
 公営住宅法上、事業主体の長は、今の例ですと神戸市長ということになりますが、公営住宅法第二十五条二項に基づき、借り上げ公営住宅の入居者を決定したときは、当該入居者に対し、当該公営住宅の借り上げの期間の満了時に当該公営住宅を明け渡さなければならない旨を通知しなければならないこととされております。
 一方、借り上げ公営住宅の借り上げ期間の満了に際しましては、公営住宅法第三十二条第一項第六号に基づき、事業主体は入居者に対してその明け渡しを請求することができるとされております。この明け渡し請求を行う場合には、同条の第五項に基づきまして、当該請求を行う日の六カ月前までに、当該入居者に対してその旨を通知することが要件とされております。
 しかしながら、事業主体が借り上げ公営住宅の借り上げ期間満了に伴うその明け渡し請求を行う際に、入居者に対する公営住宅法第二十五条第二項に基づく通知は前提条件とはされておりません。
 したがいまして、同項に基づく通知を事業主体が入居者に対して行っていなかったとしましても、同法第三十二条第一項六号に基づきます借り上げ公営住宅の明け渡しを請求することは可能と考えます。
○堀内(照)委員 前提じゃないとは言うんですが、法律で定められていることがやられていない、これは全く問題ないと言えるんですか。
○杉藤政府参考人 お答え申し上げます。
 今回は、借り上げ公営住宅の明け渡しを請求したということでございまして、法律上、明け渡し請求をすること自体は可能であるというふうに考えております。
○堀内(照)委員 本当にこういうことでいいんだろうかと思うんですね。手続に不備があっても、六カ月前に退去請求の通知をしさえすれば、被災者はついの住みかから追いやられてしまう。これは本当に理不尽だと思うんです。
 では、何のために二十五条二項が定められているんですか。
○杉藤政府参考人 借り上げ公営住宅は、事業主体が建物所有者から住宅を賃借するものでございますので、借り上げ期間が終了すれば、当該住宅を建物所有者に返還する必要がございます。
 公営住宅法第二十五条二項の通知でございますけれども、このために、借り上げ公営住宅の入居者に対しまして、あらかじめ入居時に借り上げ期間満了時には明け渡しをしていただく旨を通知しなければならないこととしております。この趣旨でございますが、入居時にあらかじめ退去時期が予測できるように配慮をしたものでございます。
○堀内(照)委員 その配慮が全くされていないということなんですよ。
 本来、この規定は、そういう入居者の居住の安定、やはりそれが守られなければならないから、そういう配慮をするために、事前にお知らせしなければならないということだと思うんです。
 しかし、それがされていない。六カ月前に知らせさえすればいい、こんなことで本当にいいのかと私は思うんですね。期限についてまともな説明もない中で、納得できないという被災者がいるのは当然でありまして、その方々を提訴するという事態まで今生んでいるわけであります。
 昨年、私は実は予算委員会でこの問題を取り上げまして、当時、太田前国交大臣でありましたが、質疑の中でこういう答弁がありました。
 大臣は、「私としては、兵庫県や各市に対しまして、入居期限後の支援策全般について、きょう出た例等」、私が期限が来ることで被災者が転居を迫られているという事例を幾つか紹介しましたので、その例等、「も出しまして、丁寧な対処をしていただければ、」という答弁でありました。
 きょう、国土交通大臣政務官がお見えです。これで丁寧な対処と言えるんでしょうか。
○津島大臣政務官 堀内照文委員にお答え申し上げます。
 借り上げ災害公営住宅に入居している方々の居住の安定確保については、まずは地方公共団体において丁寧に対応するべきものと考えております。
 一方、御指摘のとおり、神戸市においては、借り上げ期間の満了を迎えた災害公営住宅の明け渡し請求を三名の方に対して行い、さらに、建物の明け渡し等を求める提訴に至ったと聞いております。
 しかしながら、神戸市においては、借り上げ災害公営住宅の借り上げ期間が満了する方に対し、例えば、高齢者の方や手厚い介護が必要な方に対し、入居期限を延長し、継続入居を認める、あるいは、その他の方についても、住みかえ希望先の市営住宅に入居決定するまで最長五年の延長を行うといった対応をしていると聞いております。
 このように、地方公共団体においては、借り上げ災害公営住宅の入居者の方々の居住の安定の確保に向けて、各地域の状況に応じた対応を講じているものと承知しております。
○堀内(照)委員 今答弁がありました、各自治体において継続入居をどういう要件でやっているのかというのを、きょう資料でお配りさせていただきました。
 私は、ぜひちょっと聞いていただきたいのは、どういう人が提訴されているかということなんです。
 神戸市から提訴された七十二歳の女性は、以前に乳がんを患い、四・八センチ切られたというんですね。抗がん剤治療の副作用もきつかった。その後、左足にしびれを感じ、診察を受けると、後縦靱帯骨化症、難病だとわかった。手術も受けましたが、しびれはとれないし、真っすぐ歩けない、じっと立っているのも五分が限界。こういう方でも、神戸市が示している継続入居の要件は要介護三以上、重度障害者、八十五歳以上ですから当てはまらない、退去を迫られてきたわけであります。
 私は国の方にもいろいろこの問題を何度かお聞きしましたが、市からは、丁寧な対応をしているんだ、今も大臣政務官から、住みかえ策等あるんだということであります。
 例えば、この方は市からどういうふうにやられてきたか。市が行った説明会の日、インフルエンザで寝込んでいたというんですね。にもかかわらず、玄関先で呼び鈴を鳴らして、説明会に来てほしいと。インフルエンザで無理だと言っているのに、玄関口で三十分以上も話し込む。説明会は三日間続いてあったそうですが、三日連続して毎日そんな対応だったと。結局、被災者の実情を聞くというよりは、説得にかかる、そんな対応だったということです。
 西宮市は、この表を見ていただいたらわかりますように、幾つかの要件で五年の猶予はあるものの、継続入居は一切認めていません。
 兵庫県や神戸市は幾つかの条件で継続入居を認めているわけですが、しかし、例えば今の方も当てはまらないなど、それがかえって、一人一人の実態を見ることなく、要件によっての冷酷な線引きになってしまっている。これが被災者一人一人の生活再建を図るにふさわしい対応と言えるんだろうかと私は思うんです。
 河野大臣にお伺いしたいんです。もちろん第一義的には、私は自治体の対応、責任が大きいと思います。しかし、国はそれを見守るだけで果たしていいんだろうかと思うんです。国としても解決のためにできることをやる、こういう姿勢が今求められているんじゃないでしょうか。
○河野国務大臣 お配りの資料を見ますと、宝塚市や伊丹市というのは全戸継続というふうになっております。このように、一人一人の事情にきちんと寄り添った対応を自治体がやっているところがあるわけでございますので、それぞれの自治体には、お一人お一人の事情をしっかりと酌んだ、しっかりとした丁寧な対応をしていただきたいと思っております。
○堀内(照)委員 しかし、実際はそうなっていないということなんですね。
 兵庫県保険医協会の医師らが、昨年秋からこの一月にかけて、借り上げ災害公営住宅入居者の健康相談を行っております。それを踏まえて、県知事、神戸市長、西宮市長宛てに意見書を提出しております。
 この意見書では、相談に来られた方の九割以上が通院をしているんだとか、薬の服用をしているんだとか、高血圧を有する人が、相談場所によってまちまちですけれども、六割や八割ということです。医療上の必要から継続入居を希望する人が多数だったということであります。これらの内容について、七十五歳以上と七十四歳以下ということで分けて分析もされています。しかし、年齢による、今言ったような医療上の必要の差異ということは見られなかったと。
 この阪神・淡路大震災からの二十一年の現実というのは、被災者の生活再建というのは決して時間や年限では区切れない、期限が来た借り上げ公営住宅の継続入居の必要性についても、年齢などの要件で線引きすべきではないということを私は教えていると思うんです。今大臣からも答弁いただきましたように、入居者一人一人の状況を具体的に踏まえた柔軟な対応が必要だ、これは本当に教訓だと思います。
 今大臣からも言っていただきました、現時点では、宝塚、伊丹の方々は全員が継続入居、兵庫県、神戸市は要件を満たせば、西宮は全員退去だということで、自治体によって本当にばらばらなんです。同じ災害の被災者で、同じように借り上げ住宅に入居しながら、自治体間でこういう格差があっていいんだろうかと思うんですが、この点、国交大臣政務官、お願いします。
○津島大臣政務官 お答え申し上げます。
 阪神・淡路大震災においては、兵庫県や神戸市、西宮市など七つの地方公共団体で借り上げ災害公営住宅が供給されております。
 公営住宅法では、借り上げ期間満了後の対応として、公募によらず他の公営住宅に入居することを可能とするなどの措置を講じております。
 それに加えまして、災害公営住宅の借り上げ期間満了後の対応については、地域の状況等を踏まえ各地方公共団体が判断されることから、対応は異なっております。
 具体的には、御指摘もございましたが、兵庫県では、八十五歳以上の者や重度障害者がいる世帯等への継続入居、神戸市では、八十五歳以上の者や重度障害者がいる世帯等への継続入居や一部住宅を市が買い取ることによる継続入居、西宮市では、重度障害者がいる世帯等は住みかえ先の市営住宅が決まるまで最長五年間の住みかえ猶予期間を設定など、入居者の方の事情等を勘案した対応を行っているものと考えております。
 以上です。
○堀内(照)委員 住みかえが支援策だというのは、私は支援策と見るべきじゃないと思いますよ。住みかえられる人はいいんです。しかし、問題なのは、そういう転居ができない人にまで、年齢等の要件で線引きがされ、転居、退去を迫るということで本当にいいのか。しかも、それが自治体間によって対応がばらばらになるということで本当にいいのか。このことを私は問うているわけであります。
 自治体任せだとやはりこうばらばらになるわけですから、私は、だからこそ国の責任というのが問われてくるんだと思うんです。
 そこで、幾つか、提案も含めて、以下質問を続けたいと思います。
 阪神・淡路大震災では、避難所から仮設住宅、仮設住宅から公営住宅、転居のたびに被災者がばらばらになり、それまでつくり上げてきたコミュニティーが壊されてきました。これは兵庫県が震災十年でまとめた検証の中にも出てくるわけですが、このコミュニティーの形成ということがやはり教訓なんだ、こう総括をされております。
 これは、その後の東日本大震災からの復興の過程を見ましても、例えば仮設住宅を集落ごとにつくっていくですとか、そういうコミュニティーへの配慮ということがやはり大事になっているんだと思うんです。一般的に言っても、災害からの復興の過程でコミュニティーを壊さない、このことが非常に大事だということが確認できると思うんですが、いかがでしょうか。
○加藤政府参考人 お答えいたします。
 大規模な災害においては避難生活の長期化も想定されることから、被災者の方々が応急仮設住宅で生活を続けるに当たり、孤立化を防ぐためにも、コミュニティーの維持形成を行うことは重要であるというふうに考えております。
○堀内(照)委員 兵庫県は、要件を幾つか課した上で、実は判定委員会というのを設けまして、割かし丁寧に個別に判断されるというふうに聞いていたんです。しかし、私が実際に被災者の相談に乗っていた弁護士の方から聞くと、事前に県が相談会を持ち、この要件を示して、なかなかやはりあなた難しいですよということで、継続入居申し込みの申請の前の段階でふるいにかけているんじゃないかということが指摘をされました。
 それで、実は兵庫県で、この判定に漏れた方でお一人、再判定の申し立てをしておられる方がいらっしゃいまして、この方は、六十四歳でひとり暮らしの男性です。二〇一三年に脳梗塞を発症し、右下肢麻痺、それから不眠症、発作性心房細動、腰部脊柱管狭窄症など、病気と要支援二の医師の意見書も添えられていたようであります。
 トイレやお風呂に手すりを設置し、しびれや痛みが増す中で、人の三倍近い時間をかけて近所のスーパーに買い物に行く。病院も、総合病院、眼科、歯科、整形外科、今、全て歩いていける距離にあるから行けるんだ。十五年住む町にようやくこうやってなじんできた。デイサービスでも、介護者や利用者とも話せるようになって、友達もできたんだと。
 いわば生活の糧ですね、スーパーですとか病院ですとか、それから友人や支え、そういうものが転居となれば断ち切られてしまうわけであります。ようやく培ってきたコミュニティーが壊されることが、この方にとって生きる力、生きるすべを文字どおり奪うことにもなってしまいます。
 借り上げ住宅の期間が満了になったとき、これは実際には転居ということもあるでしょうし、継続入居という選択もあるでしょうけれども、自治体がそういう対応をする際に、コミュニティーの形成や維持ということをやはり重視する必要がある。運用上の指針やガイドラインなどでこういった観点をしっかり入れて示していくということも必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○加藤政府参考人 お答えをいたします。
 借り上げの災害公営住宅においては、国土交通省から、コミュニティーの維持形成に資する観点から、住民が共同で使う施設の一つとして集会所や高齢者生活相談所の整備に要する費用の一部について国による財政支援の対象としているというふうに伺っております。
 また、災害救助法に基づく応急仮設住宅においては、内閣府告示に基づき制定される都道府県の条例において、地域のコミュニティーを確保するとの目的で、おおむね五十戸以上の仮設住宅を設置する場合に集会所を設置することができるというふうにしておるところでございます。
 また、東日本大震災では、先ほどの戸数にかかわらず、地域の実情に合わせて、入居予定者数等を勘案しながら、適切な規模の集会所、談話室を設置するとともに、空き住居が生じている場合には集会や談話室等のスペースとして利用できることとしているところでございます。
 このように、さまざま事情がございますので、被災自治体においてコミュニティーの維持を図る場を確保していただくということにつきましては、助言を行ってまいりたいというふうに思っております。
○堀内(照)委員 借り上げ住宅ですから、オーナーとの関係では借り上げ期間を定めなければならないのはもちろんだと思うんです。
 しかし、被災者の恒久住宅の一つとして提供される、応急仮設から恒久住宅へ移る、その恒久住宅の一つとしてこの借り上げということがとられてきたわけですから、そういう制度の趣旨から考えれば、期限後もなお転居できないという方がおられれば、希望すれば自治体は原則継続入居を認めるような、そういう仕組みというのも必要ではないかと思うんですが、この点、いかがでしょうか。
○杉藤政府参考人 お答え申し上げます。
 平成十一年の借地借家法の改正によりまして、家屋の賃貸借の期限の上限が撤廃されまして、現在、建物の賃貸借期間は、借地借家法二十九条二項の規定に基づきまして、その上限が定められておりません。その結果、事業主体である地方公共団体と建物所有者との話し合い次第で、阪神・淡路大震災の当時とは異なりまして、その借り上げ期間を二十年を超えて自由に設定するということも現在では可能となっているところでございます。
 また、各地方公共団体の判断によりまして、借り上げ災害公営住宅の借り上げ期間満了後において、建物所有者との話し合い次第で、引き続き建物を借り上げ、それを入居者の方々に転貸することで継続入居をしていただくということも可能でございまして、各公共団体におかれましてこのような仕組みを御活用いただきたいというふうに考えてございます。
○堀内(照)委員 自治体判断で今も延長は可能なのは知っているんですね。しかし、例えばURなんかは話し合いに応じますよという姿勢があるのに、自治体の側からやはりやらないわけですよ。ですから、私は、入居者、被災者が希望すればということで伺ったわけです。
 これは最後に河野大臣にもお伺いしたいんですが、実はこれはきのうも質問通告のレクチャーの中でいろいろ議論があったんですけれども、公住法の枠組みだけでいうと、なかなか被災者支援ということでは難しい面がある。しかし、内閣府も、一旦公営住宅というのに入ってしまったら、これはもう公住法の枠組みですということで、なかなか難しいんだという話でありました。
 ですから、私は、被災者支援という観点で、ぜひ内閣府として国交省とも連携をとって、国交省にもぜひ踏み込んでいただきたいと思っているんです。
 もう一点の提案は、国からの財政支援の問題です。
 継続入居を認めた場合、住宅を買い取るという対応も一つあります。その際の国からの支援を災害対応並みに引き上げていくことや、それから家賃低廉化のための補助も問題になります。
 これは、再契約となったら、今は一般借り上げと同じ二分の一に下がります。激甚災害の場合は、当初五年は四分の三で、その後は三分の二だ。ぜひこれは三分の二の補助を続けていく。激甚災害が起きたことで住居を失って、なお生活再建に課題があるからこそ継続となっている。時間がたったからといって補助率が下がるということでは、被災者の実態とやはりかけ離れて時間で区切るということになってしまいますので、この点の財政支援、いかがでしょうか。
○杉藤政府参考人 借り上げ災害公営住宅の財政支援のあり方につきまして御答弁を申し上げます。
 借り上げ期間が到来した災害公営住宅につきまして、地方公共団体が建物所有者との合意に基づいて住宅を買い取り、買い取り公営住宅として引き続き供給するということは制度上可能でございます。
 ただ、この災害公営住宅の整備及び家賃の引き下げにつきまして、発災した後におきまして国の補助率を通常より引き上げている理由でございますけれども、被災直後の地方公共団体では、復旧復興のため平時では想定されない財政支出を余儀なくされることから、国が特別の支援を行う必要が高いためでございます。
 したがいまして、災害公営住宅として相当の期間借り上げを行った後、地方公共団体が改めて建物を買い取り、公営住宅として使用するというような場合におきましては、復興の進展に応じた応分の負担を地方公共団体に求めるという観点から、一般の公営住宅としての補助率を適用することが妥当というふうに考えてございます。
○堀内(照)委員 しかし、国からの財政支援が下がることで自治体が継続入居に向かわないというようなことになってはやはりいけないと思いますので、ぜひこれは検討いただきたいと思うんです。
 最後に、大臣に伺いたいと思います。
 やはり私は、国が最後まで被災者を見捨てないという姿勢を示すことが本当に大事だと思うんです。今、阪神・淡路の被災者に起こっていることは、どう見ても、災害対策基本法で言う生活再建を図るというこの趣旨から外れるものだと私は思うんです。
 東日本でも、みなし仮設から今借り上げへと、この手法が使われようともしています。被災者の住まいとして、一挙に住居が確保できないという中で、一方ではこの借り上げというのは有効な手段であるわけですが、しかし、期限が来ると被災者にとっては展望がないという制度であっては私はやはりいけないと思うんです。国が、ここまでやるんだ、被災者一人一人の生活再建にこうやって責任を負うんだ、この姿勢をはっきり示すことで、自治体の取り組みを促すことにも私はなると思います。
 そういった点からも、先ほど幾つか提案申し上げましたけれども、ぜひ関連省庁とも連携して検討いただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○河野国務大臣 私のおふくろの実家が神戸で、祖母がやはり阪神・淡路で被災をいたしました。自衛隊を初め、大勢の地域の方に助けていただきました。祖母は亡くなりましたが、私も実際被災地に何度か伺って、あのときの被災のすごさというのは、本当にきのうのことのように覚えております。
 そういう中で、最初に申し上げましたように、被災された方一人一人にしっかり寄り添って復旧復興を果たしていくというのは大切なことだと思っております。一義的には自治体ということではございますが、国として何ができるか、しっかり検討してまいりたいと思います。
○堀内(照)委員 ありがとうございます。
 昨年の質疑でも紹介しましたけれども、入居期限が来るまでに、もうこんなことやったら私は死んでしまいたい、こういう被災者もいたわけです。こんなことを言わせる政治ではやはりだめだと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと強調しまして、終わりたいと思います。
 ありがとうございます。