国会論戦・提案

2015年08月05日

地域医療連携推進法人 医療営利化へ布石

医療営利化へ布石

堀内氏反対 改定医療法が可決

 衆院厚生労働委員会は5日、地域の病院、診療所、介護施設などを傘下に収め一体的に経営する新法人「地域医療連携推進法人」をつくる医療法改定案を、自民、公明の賛成多数で可決しました。日本共産党は「政府のめざす医療・介護一体的改革は医療も介護もそぎ落とし、自助・共助、慈善的な社会福祉事業におきかえるものであり、その手段となる新型法人を創設するものにほかならない」(堀内照文議員)と反対しました。

 反対討論で堀内氏は「地域医療構想実現のために、病床数や診療科の再編・縮小、医師・看護師の移動を行い、医療提供体制の改変を促進しようとするものだ」と指摘。“患者追い出し”を加速させ、「必要な診療科・医師が存在しない事態をいっそう進める」と批判しました。

 また、社会福祉法人が新法に参加できるとしたことは、社会福祉法の改定で公益的活動が義務化されたことで、介護保険から外した要支援者の支援などを社会福祉法人に担わせ、公的介護保障のない「地域包括ケア」の受け皿にしようとするものと強調しました。

 堀内氏は、新法人の理事長は医師でなくてよく、株式会社への出資もでき、議決権は病床数で差をつけることも可能であり、一部大規模法人による実効支配が排除されないなど「医療の営利産業化への火種となるものであり重大です」と指摘しました。

 そして、「給付費削減を前提にした連携・再編では、医療・介護をめぐる危機的な状況は解決されず、逆に矛盾が深まるだけだ」と述べ、必要な医療・介護を保障する体制の確立を求めました。

2015年8月6日(木)しんぶん赤旗より

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◆議事録 2015年8月5日 衆議院厚生労働委員会 反対討論

 

○堀内(照)委員 私は、日本共産党を代表し、医療法の一部改正案に反対の討論を行います。
 政府の目指す医療、介護の一体的改革は、川上から川下まで、医療も介護もそぎ落とし、自助、共助、慈善的な社会福祉事業に置きかえるものであり、本法案は、その手段となる新型法人を創設するものにほかなりません。
 第一に、地域医療連携推進法人は、主要病院を傘下に組み込むことで一体的に運営し、地域医療構想実現のために、病床数や診療科の再編、縮小やそれに伴う医師、看護師等の人材移動を行い、医療提供体制の改変を促進しようとするものです。
 社会保障制度改革推進本部に設置された専門調査会は、一割以上の病床を削減し、二〇二五年、百十五万から百十九万床とする推計を示し、地域医療構想はこれを踏まえて策定し、病床機能報告制度の機能別病床数が推計値に収れんしていくよう取り組みを進めるべきだとしています。
 この推計に基づき、強引な病床削減、再編が行われれば、入院日数の大幅短縮で患者追い出しが加速しかねません。また、診療科の再編、高度医療機器や医師、看護師等の重点化など、集中、効率化が進めば、二次医療圏が広域にわたる地域では、住民が通える範囲に必要な診療科、医師が存在しない事態を一層進めることになります。
 第二に、本法案は、地域包括ケアシステム推進のため、社会福祉法人等を社員とすることができるとしています。
 地域包括ケアを掲げた医療介護総合法は、要支援外しを初め、地域での公的介護給付を大幅に後退させました。生活支援を地域の互助に依拠する制度改変を行いましたが、担い手確保の展望はありません。
 本法案は、大規模医療法人を中心として、川上から川下までネットワーク化を図るとともに、社会福祉法の改定により公益的活動を責務とする社会福祉法人などを取り込み、制度外のサービスをも担わせることで受け皿にしようとするものにほかなりません。
 政府が目指す地域包括ケアは、抑制、削減される医療提供体制の代替でありながら、公的介護保障として体制整備するものではありません。
 第三に、地域医療連携推進法人は、病院経営が可能であり、参加法人の運営に大きな影響を持つにもかかわらず、理事長は医師でなくてよいとされていること、関連事業であれば株式会社への出資が可能であること、議決権について、原則各一個としながら、定款で定めれば病床数等で差をつけることも可能であり、一部大規模法人による実効支配が排除されないことなどは、医療の営利産業化への火種となるものであり重大です。
 給付費削減を前提にした連携、再編では、医療、介護をめぐる危機的状況は解決されず、逆に矛盾が深まるだけです。病院、施設、地域で必要な医療、介護を保障する体制の確立を求め、討論とします。(拍手)