国会論戦・提案

2015年07月29日

国の責任投げ捨てる 社会福祉法改悪案が可決

 

社会福祉法 反対討論 社会福祉法改悪案が可決

衆院委 共産党は反対 国の責任投げ捨てる

 社会福祉法改悪案が29日の衆院厚生労働委員会で自民、公明、民主、維新の賛成多数で可決され、日本共産党は反対しました。

 法案は、実態のない「内部留保」を前提に営利企業との「公平性」を強調し、すべての社会福祉法人に無料・低額の福祉サービス提供の責務を課すとともに、「余裕財産」の地域公益活動への投下を義務づけます。

 反対討論に立った日本共産党の堀内照文議員は「格差・貧困の拡大や福祉制度の後退で生じた問題への対処を社会福祉法人に肩代わりさせようとするもので、さらなる制度後退につながる」と批判。利用者サービスの質・量の低下、労働者の処遇悪化につながり、現在の低い水準の報酬単価、配置基準を放置したまま新たな責務を課すことは許されないと述べました。障害者施設への退職共済の公費助成廃止については、「低い賃金水準のうえ、退職金も保証されなければ、人手不足に拍車をかける」と指摘しました。

 堀内氏は、制度のない頃から「自分たちで作るしかない」と苦労して共同作業所を作ってきた女性が「内部留保などとんでもない。人間らしく暮らせる場となるよう改善こそ望みます」と訴える手紙を紹介。「社会福祉制度が国民の権利であることを否定し公的責任を投げ捨て、社会福祉法人の役割の変質を迫るものであり廃案にすべきだ」と強調しました。

2015年7月30日(木)しんぶん赤旗より

 

 

 

◆議事録 2015年7月29日 衆議院厚生労働委員会 反対討論

○堀内(照)委員 私は、日本共産党を代表し、社会福祉法等改正案に反対の討論を行います。
 社会福祉法人は、家族関係者の血のにじむような資金づくりの上に成り立ち、ぎりぎりの運営を強いられています。当事者、家族、職員などから寄せられる、内部留保などどこにもない、せめて実態を把握してから議論してほしいとの訴えは当然であり、七時間の質疑で採決するなどあり得ません。
 以下、反対の理由を述べます。
 第一に、実態のない内部留保を前提に、営利企業との公平性を強調し、全ての社会福祉法人に無料、低額の福祉サービス提供の責務を課すとともに、余裕財産の地域公益活動等への投下を義務づけています。
 これは、格差、貧困の拡大や社会福祉制度の後退などで生じた問題への対処を社会福祉法人の慈善的事業に肩がわりさせようとするもので、さらなる制度後退につながります。
 重大なのは、利用者への支援の質、量の低下、労働者の処遇悪化につながることです。現在の報酬単価、職員配置基準は、人として当たり前の生活を保障するにはほど遠い水準です。それを放置したまま新たな責務を課すことなど許されません。
 第二に、福祉従事者の労働条件の一層の悪化をもたらすことです。
 障害者施設への退職共済の公費助成を廃止することは、人材確保に逆行します。極めて低い賃金水準の上、退職金も保障されなければ、人手不足に拍車をかけることは明らかです。
 フィリピンEPAのため導入された准介護福祉士資格は、介護職全体の労働条件引き下げにつながるもので、廃止すべきです。
 参考人も語られたように、社会福祉法人には、資金を集め、自主的、先駆的に事業を立ち上げ、制度化をなしてきた歴史があります。重度障害を持つ子供たちの卒業後の進路先がなかった時代から作業所づくりを続けてきた女性から、手紙をいただきました。
 受け入れてくれるところがないのなら、行ってきますと毎日出かけていく場所を自分たちでつくるしかないと、学校の先生方や地域の方々の力をかりて社会福祉法人を立ち上げ、作業所をつくってきました。
 障害のある子供を抱えながら、バザーを初め、さまざまな資金づくりに身を粉にして取り組んできました。我が子たちがさまざまな仕事に取り組み、社会の一員として頑張っている姿に接し、私たちも喜びを持てる親に成長させてもらいました。そして、社会資源を私たちの手でつくり上げてきたことに誇りを持ってきました。
 しかし、今は、運営は厳しく、人手不足も深刻です。我が子たちのあすが続くのか、本当に不安です。
 内部留保なんてとんでもありません。福祉現場が人間らしく暮らせる場となるよう、徹底した改善こそ望みます。
 社会福祉制度が国民の権利であることを否定し、公的責任を投げ捨てるとともに、社会福祉法人の役割の変質を迫る本法案は廃案にすべきであることを指摘し、討論を終わります。(拍手)