国会論戦・提案

「年金機構の外部委託反対」と「歯科技工士の待遇の改善は急務」

 

歯科技工士 待遇の改善は急務

堀内氏 診療報酬上げ求める

 日本共産党の堀内照文議員は1日の衆院厚生労働委員会で、歯科技工士の窮状を紹介し、誇りを持って働きつづけられるよう国が責任を果たすべきだと求めました。

 歯科医から発注を受けて入れ歯などをつくる歯科技工士は、専門性が高い国家資格であるにもかかわらず、長時間労働の一方で収入は低く、50代以上が半数近くを占めています。

 堀内氏は、兵庫県では養成学校がなくなり技工士会の新規会員はわずか1、2人で、「歯科技工士がいなくなる」との声があがっていると指摘。歯科診療報酬のうち、技工士に入る製作技工料と歯科医の管理料を「7対3」とする厚労省の告示にふれ、「これが守られたらやっていけるとの声がある。政治の責任を果たすべきだ。診療報酬を引き上げることが重要だ」と求めました。

 唐澤剛保険局長は「7・3を標準とする考え方を尊重していただきたい」と認め、塩崎恭久厚労相は「予算編成でしっかり議論していく」と答えました。

 若い技工士を育てていくために働き続けられる環境をつくることが不可欠だとの堀内氏の指摘に対し、塩崎氏は「質の高い技工士を確保するためバックアップしていく」と答弁しました。

2015年7月7日(火)しんぶん赤旗より

年金の外部委託反対

堀内氏 「請負に指揮、違法だ」

 日本共産党の堀内照文議員は1日の衆院厚生労働委員会で、日本年金機構の外部委託問題を取り上げ、個人情報を扱う業務の外部委託はやめるべきだと追及しました。

 日本年金機構全体の外部委託契約は、1億円以上で99社にのぼります。しかし、労働者数について質問したのに対し、「把握していない」との年金機構の認識について堀内氏は「個人情報を扱う事務で把握できない状況でいいはずはない」と指摘。年金機構和歌山事務センターでは、外部委託に対する管理者を配置しながら再委託を見抜けませんでした。

 堀内氏は「委託にすれば請負となり、機構が労働者を直接、指揮命令できない。個人情報を扱う業務を外部委託することに無理がある」と指摘しました。しかし、塩崎恭久厚労相は「守秘義務を課しているので問題ない」と開き直りました。

 堀内氏は「和歌山事務センターでは職員が直接、請負会社の労働者に指揮命令していた。違法行為ではないか」と指摘しました。

 日本年金機構の水島藤一郎理事長は「請負会社の責任者に指揮命令していた」と釈明しましたが、堀内氏が「どういう役職か」と迫ると、「責任者だと認識している」としか答えられませんでした。

2015年7月3日(金)しんぶん赤旗より

 

◆議事録 2015年7月1日 衆議院厚生労働委員会

○堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文です。
 私は、六月三日のこの委員会で、年金機構和歌山事務センターでの、委託を受けた会社が再委託をしていたという事例を取り上げました。その後、新たに書類が届きまして、「採用通知および提出書類のご案内」という、労働者向けに、もともと業務を請け負った共栄データセンターの名前で発せられたもので、センターの担当者の名前も明記されております。
 これは、ずっと文面を読んでいきますと、最後に、「尚、雇用契約書につきましては、雇用会社である株式会社KDCキャリアコンサルティングと雇用を取り交わしさせていただきたく存じます。」ということで、頭は共栄データセンターで、最後の問い合わせ先がKDCというもので、そのKDCの代表取締役が、冒頭の共栄データセンターの担当者の名前がそのまま代表取締役ということになっておりまして、本当にひどい事態だなと思いました。
 それで、労働者は労働組合をつくり、共栄データセンター及びKDCを相手に、未払い賃金の支払い等を要求して今闘っているところです。
 この外部委託のあり方について引き続ききょうはお聞きしたいんですが、前回質疑の中で、大臣から、機構職員に占める正規職員の割合は半分弱だと答弁がございました。しかし、ここには外部委託で働く労働者は含まれておりません。
 現在、年金機構が委託している業者は何社であり、そこで働く労働者はおよそ何人か、教えていただきたいと思います。
○樽見政府参考人 お答え申し上げます。
 日本年金機構がその業務の一部を委託している業者の数ということでございますが、契約金額が一億円以上ということで集計いたしますと、平成二十六年度の実績として九十九社であるというふうに承知をしてございます。
 委託先の事業者において、日本年金機構に関する業務に従事する労働者数ということだろうと思いますが、それについては把握をしていないというふうに聞いております。
○堀内(照)委員 外部委託だといっても、確かに文書発送作業の文書の印刷だけですとか、そういう場合もあるでしょうが、事務センターでの入力業務や書類作成、電話相談の対応など、基幹的な業務に従事する方も多くおられるわけです。いずれにしても膨大な数に上ると思われます。
 正規職員が半分弱どころか、年金業務に携わる労働者数ということで考えますと、本当に正規職員がむしろ少数派になっているような実態じゃないかと思います。およそどれぐらいの人が年金機構の業務に携わり、個人情報を扱っているのかが把握できないという状況がいいはずはない。ここは指摘をしておきたいと思います。
 また、さきの委員会で、私が全国の事務センターでの外部委託の実態について調査すべきじゃないかと質問したことに、大臣も調べるべきだというふうにおっしゃったわけですが、結果はどうだったんでしょうか。
○水島参考人 現在、日本年金機構の事務センターにおけます入力業務及び共同処理委託業者は、十社でございます。これらの十社に再委託契約があるかどうかということを調査いたしましたが、再委託の契約はございませんでした。
 また、派遣職員の活用について確認をいたしましたところ、五社が活用しているという状況にございました。
○堀内(照)委員 私、きのうペーパーもいただいたんですが、十社中五社で派遣を雇っているという中に、括弧で繁忙期も含むという書き方がされていまして、つまり、繁忙期以外にも常時派遣を使用しているところもあるということなんですね。
 それで、まさかとは思うんですけれども、丸ごと派遣労働者を使っているというような例はないでしょうね。
○水島参考人 共栄データセンターについてはそのような例でございました。他社、ほかではございません。
○堀内(照)委員 この再委託問題では、既に二〇〇七年、再委託はあってはならないという大臣答弁が、この委員会で高橋議員に対する柳沢大臣の答弁がございました。それから、ことしの六月十八日の予算委員会でも高橋議員がこのことについて言及されています。にもかかわらず、今回、再委託という事態が起きたわけです。
 前回、私が理事長に、事前にはつかめなかったのかとお尋ねしましたら、それはつかめなかったんだという答弁でした。
 それでいいんだろうかと思うわけでありまして、これは前回も取り上げたんですが、日本年金機構の内部統制システム構築の取組方針には、「適切な外部委託管理」という項目があり、本部には外部委託管理責任者を置き、外部委託ごとに、その所管部署に外部委託業務責任者を置いて、実際の管理、監視を行うということになっているわけです。
 今回の和歌山事務センターの事例では、管理責任者は本部にいる、業務責任者は部署ごとだということですが、その業務責任者というのは、どのように配置をされ、どのような管理を行っていたんでしょうか。
○水島参考人 日本年金機構におきましては、内部統制システム構築の取組方針におきまして、適切な外部委託の管理のために、委託業務を所管する部署に委託業務責任者を設置いたしまして、業務委託の各過程における管理及び監視を行うことといたしております。
 事務センターにおきます入力業務、共同処理業務に関しまして、外部委託業務責任者は、本部の品質管理部長になっております。
 当該委託契約におきます外部委託の実績の管理、個人情報の管理状況及びサービス水準の保証値、いわゆるSLAでございますが、その確認を行う等、適切な外部委託管理に努めることと規定をされております。
 御指摘の事案を踏まえまして、今回、和歌山、福島、大分の三事務センターにおきまして、業務委託契約を締結した会社が年度途中で契約を解除するという事態に至りました。
 このような事態を踏まえまして、次期の委託契約からでございますが、まず、受託事業者の作業員につきましては、原則、受託事業者が直接雇用しなければならないことといたします。次に、受託事業者が繁忙期における業務履行体制を充足するために派遣業者を使用する際は、労働者派遣事業許可証の写しを添付させ、機構の了承を得ることを外部委託の仕様書に規定をいたします。また、受託事業者に作業員の名簿の提出を義務づけますとともに、派遣職員についても守秘義務契約を結ばせることといたしまして、これらの対策を実施することといたしております。
○堀内(照)委員 事務センターの事務は、本部の品質管理部が発注したことですので、業務責任者も本部にいたと。
 現場にはそういう管理する担当者はいなかったということですか。
○水島参考人 現場には監督職員及び監督職員補助を置いておりまして、この職員が監督を行うこととなっております。
○堀内(照)委員 そういう方が現地におりながら、見抜くことができなかった。
 この外部委託は請負業務であります。請負ですから労働者を直接指揮命令するわけにはいきません。ですから、管理のあり方も、機構側の責任者、和歌山の場合は、業務責任者ではありませんが、それに類する担当者がいたわけですが、その人が請負の側の責任者を通じて管理をせざるを得ないんだと思います。
 大臣にお伺いしたいんですが、そもそも、機構職員が労働者に直接指揮命令ができない業務のあり方というのが、本当に適切な管理運営ができるのか、個人情報を扱う業務として成り立つんだろうかと思うわけであります。少なくとも、基幹的な業務については外部委託するには無理があると思うわけですが、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 日本年金機構は、平成二十年の七月に閣議決定されております日本年金機構の当面の業務運営に関する基本計画に基づいて、業務の効率化を図り、そしてコストの削減の見地からも業務の外部委託というのを進めていると承知しているわけでございます。
 機構の業務の委託については、日本年金機構法の第三十一条第二項において、委託を受けた業務に従事をする者や過去に従事していた者に対して守秘義務が課せられていて、それに違反した場合は罰則が科されるということになっておりますので、問題はないのではないかと思います。
 さらに、機構が実際に業務を委託するに当たっては、法令等に則して、その事業所が個人情報の適正な管理ができる事業所として認められているかを把握した上で委託先の認定をしているものというふうに承知をしておりまして、一般財団法人の日本情報経済社会推進協会からプライバシーマークというのを付与されるということが条件で、委託先を選定しているというふうに聞いております。
○堀内(照)委員 和歌山の例をお聞きすればするほど、本当に適正な管理ができていたのかなと私は思うわけですね。
 先ほど言いましたように、これは直接指揮命令するわけにいかないので、請負の側の会社のいわゆる責任者を通じてということになるわけですが、和歌山では請負先の責任者というのはどういう役職、立場の人だったんでしょうか。
○水島参考人 共栄データセンターの管理職であるというふうに認識しております。
○堀内(照)委員 私が労働者の方から聞いたのと全く違うんですね。共栄データの社員は現地にはいません。KDCの社員がいた。
 私が伺った話では、大体そういう役職者はKDCの社員の中にはいない、みんな一社員ばかりです。一番勤務経験の長い人が、その人がつかまえられて、業務が滞るともっと早くせいと叱責をされ続けたんだということで、別に役職者でも何でもない一労働者をつかまえてやるということでありまして、これは請負の労働者を直接指揮命令する違法行為にならないんでしょうか。
○水島参考人 私どもの監督者と請負先の責任者との間で指示命令が行われるわけでございますが、私どもの監督者は、KDC、共栄データセンターの職員だと認識をして指示命令を行っていたというふうな報告を受けております。
○堀内(照)委員 どんな役職がついていたんですか。役職はないはずですよ。確かにKDCの社員ですけれども、実際は。確かに表向きは共栄データセンターの名札をつけていた。しかし、何かしらの責任者という役がついていたんですか。
○水島参考人 業務責任者としての役職があったというふうに認識をしております。
○堀内(照)委員 私が労働者の方から聞いた話と全然実態が違っているんですね。今も、業務責任者と認識をしているということで、確たる役職名がついているわけではないわけですよね。これは本当に、こういうことが起こっているということでいいのかということだと思います。
 和歌山の労働者は、三月末で共栄データセンターがだめになって、四月からは直雇用されているという前回の答弁でしたけれども、その六カ月以内前まで年金機構への直雇用で非正規だったKDCの従業員二人については採用されませんでした。三月末で年金機構の非正規の直雇用だった、契約が満了になって四月からKDCのもとで働く予定だった三人も、年金機構での引き続き雇用はされませんでした。
 これは、つまり、年金機構は非正規職員を六カ月のクーリング期間を置いて繰り返し雇用しているからだと思うんですが、継続して雇用が必要なら、やはりきちんと正規として雇うべきじゃないでしょうか。
○水島参考人 大変申しわけございません。
 御通告いただいておりませんので、正確なところを把握いたしておりません。また把握した上でお答えをしたいと思います。
○堀内(照)委員 これは確かに通告していませんので、ぜひそういう実態があるかどうかというのもよく見ていただきたいんですが、外部委託の労働者たちも、もともとの契約の中で、委託先が、会社がかわっても、事業の継続の必要性から、雇用は新たな請負企業で保障されるというふうに説明をされてきているんですね。
 いずれにしても、非正規の職員も、外部委託の職員も、こういう年金機構の業務の性格上、継続して雇用が必要な業務なわけです。しかも、請負というやり方は、今少し御紹介しましたように、どうしてもやはり無理が私はあると思うんですね。個人情報を扱う重要な業務は正規でやはりきちんと雇うべきだと指摘をして、次のテーマに移りたいと思います。
 次は、歯科技工士問題、先ほど井坂さんも取り上げた問題ですが、私もお聞きしたいと思っています。
 全体の問題として、歯科医療の位置づけ、役割についてです。
 貧困が広がる中で、子供の口腔崩壊というような事態が進み、歯科医療の重要性に注目も集まっています。また、高齢者の健康維持には口腔ケアが非常に大きな効果を上げているということがさまざま報告をされています。
 大臣にお聞きしたいと思いますが、歯科医療の果たす役割はますます重要だと思いますが、その点の認識はいかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 子供の話もありましたけれども、最近出てくるのは高齢者の問題で、特に、口腔ケアが誤嚥性肺炎の発症予防になることがよく知られているわけであって、口腔と全身の健康の関係について広く指摘をされているところでございます。
 高齢化が進展をし、要介護者などに対する口腔ケアや在宅歯科医療のニーズも高まっておりまして、歯科保健医療の重要性というのは増しているというふうに認識をしております。
 議員立法で成立をいたしました歯科口腔保健の推進に関する法律、これに基づいて口腔保健推進事業というのを実施するとともに、地域医療介護総合確保基金において、都道府県が在宅歯科医療などを実施できるように、政府としても支援をしております。
 今後とも国民の口腔と全身の健康の維持増進に向けて取り組まなければならない大変大事な問題がこの口腔ケアだというふうに思っております。
○堀内(照)委員 中医協の議論の中でも、誤嚥性肺炎の問題だけではなく、経口摂食することによって腸管の粘膜免疫機能が正常化して、感染、褥瘡も減り、入院日数の短縮にもつながる。
 兵庫県歯科医師会の調査では、七十歳以上の高齢者で歯が二十本以上あった人に対して、零本の人の年間医療費は、男性で約十四万、女性で約九万五千円高かった。これだけのやはり違いが出てくる。健康を維持し、結果として医療費の抑制にも大事な効果があるというふうに思うんですね。
 にもかかわらず、歯科医療の現場というのは大変困難な状況に置かれておりますし、とりわけ歯科技工士の実態というのは深刻です。これは井坂さんも紹介されました、低賃金、そして長時間労働と。
 私も、技工士の置かれている現状についてどう認識され、どこに原因があるのかということを大臣にお聞きしようと思って通告していましたが、これは先ほど答弁がございました。厳しいという実態は認識をされているということとともに、その原因が小規模や一人ラボと言われるような業務体系のあり方もあるのではないかということでありましたが、私は、これはやはり違うのではないかと。井坂さんも構造的な問題とおっしゃっておりました。
 日本歯科技工士連盟の機関紙でいろいろな声が紹介されています。保険技工を中心に四、五人、確かに一人ラボというのは八割を占めているわけですけれども、ここは四、五人の従業員の技工所ですが、ここでも、帰りはほとんど終電、どんなに先生、歯科医師ですね、先生に尽くしても、突然仕事が来なくなることもあります、ですから、リスクヘッジのために、ちょっとオーバーぎみに仕事を抱えなければなりません、このままだと日本人の歯科技工士はいなくなります、こう言っております。
 私が衝撃を受けましたのは、兵庫県では技工士の養成学校がなくなったんです。大阪の学校等に通っているんですが、ことしの兵庫県歯科技工士会の新規会員は一人か二人だということなんですね。
 今、年齢構成で見ても、技工士は五十歳以上が四三・二%でして、これは地域から技工士がいなくなるという本当にゆゆしき事態だと思っております。
 それで、技工士のいわゆる技工料をめぐっては、いろいろこれまでも議論があり、取り組みがあったというのは先ほども大臣の答弁にございましたが、私が一つお聞きしたいのは、一九八八年に、いわゆる七、三告示と言われる、技工料の問題をめぐって厚生省から告示が出ております。その趣旨、目的について御説明をいただきたいと思います。その目的が果たされているのか、そうでないなら、どこに課題があるのか、あわせてお聞きしたいと思います。
○唐澤政府参考人 ただいま先生から御指摘いただきました七、三告示でございますけれども、これは、歯科診療報酬における歯冠修復及び欠損補綴料、この中に含まれる費用のうち、製作技工の部分と製作管理の費用というものがそれぞれおおむね七割とおおむね三割であるというものを示したものでございます。これは長い歴史の末にこういう形になっております。
 これは、歯科医療機関から歯科技工所に対する製作技工の委託を円滑に実施する、いろいろなトラブルもございましたので、円滑に実施をするということを目的として、標準的な割合を国として示したものでございます。
 もちろん、診療報酬そのものの額は保険医療機関が製作技工を委託する際の委託料の額を拘束するものではございませんので、大きな考え方はもちろん尊重していただかなければなりませんけれども、個々の契約における委託料につきましては、契約条件等の相違や地域差等を踏まえて実施をされているものと認識しているところでございます。
 このいわゆる七、三問題と、それからまた、これまでも御議論がございましたけれども、歯科診療報酬そのもののあり方ということも大きな課題であろうというふうに考えております。
○堀内(照)委員 今ありましたように、当然、保険診療ですから診療報酬が出ているわけですが、実際、歯科医から技工所へ補綴物を外注すると、そこはもう民民の取引であって、公定価格は及ばないわけです。そのことからダンピング、低価格競争にもなっているわけですが、七、三告示があくまで目安だというように、逆に価格を縛ろうとすると、確かに独禁法なんかにひっかかってくる。
 しかし、私は、公的には縛れないものだからこそ、当時、厚生省として、今もありましたように、円滑に実施させていく標準的な割合というふうに言っていただきましたように、歯科技工の経営が成り立つようにするための目安として示されたんだと思います。現場からも、およそ七割が技工料として入ってくるならやっていけるという声もあるわけなんですね。
 ならば、どうやって七、三告示の趣旨が生きるようにするのか、これはまさに政治の責任だと私は思うわけであります。
 根本的には、歯科全体の診療報酬を引き上げるということがまず重要だと考えています。これは先ほども大臣少し答弁ございましたけれども、診療報酬を、思い切った手当てをして、歯科医師側から技工士に対して七対三の七を支払えるような環境をつくるということが今本当に求められていると思います。
 必要な歯科医療の保険収載をすることとあわせて、診療報酬での思い切った手当て、これはぜひ必要じゃないかと考えるわけですが、大臣、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 先ほど井坂議員のときにも御答弁申し上げたところでございますけれども、二十六年度の診療報酬改定のときには、歯科医療については、虫歯とかそれから歯周病などの治療に対する評価だけでなくて、口腔機能の維持あるいは向上の取り組み、そして歯の喪失リスク増加への対応等に取り組んだところであって、歯科技工士がかかわる義歯などの、入れ歯ですね、製作に関する診療報酬の点数も引き上げたということであります。
 今先生がお話しのように、七、三告示があるといえども、やはり全体としての歯科の診療報酬の厚みがないとなかなかうまくいかないじゃないかということでございますけれども、どういう工夫をして歯科技工士がかかわる治療に関して点数があり得るのかということも考えていかなきゃいけないのではないのかというふうに思います。
 診療報酬改定については、ちょうどことしがその年になりますので、物価、賃金の動向、あるいは医療機関の収支状況、対応が必要な医療課題、その中にはこの歯科技工士の問題も念頭に置くべきなのかもわかりませんが、保険料等の国民負担のあり方などを総合的に勘案して改定率を決めなければならないということで、予算編成の過程においてしっかりと議論をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○堀内(照)委員 我が党の田村智子参議院議員が二〇一一年の九月に質問主意書で、歯科の基礎的技術料について、長期に据え置かれたものについて問いただしたときに、五十八もの技術が二十五年間報酬が引き上がっていないということが答弁でありまして、これは歯科業界でも大きな反響を呼んで、前々回、二〇一二年の改定で基礎的技術料などが引き上げられ、前回、一四年の改定では、今大臣の答弁がございましたように、当然幾つか引き上げられているものもあるわけです。
 しかし、その一二年改定の際に、兵庫県保険医協会歯科部会長の談話でこう述べているんです。
 二〇一〇年改定以前の十年間で七・三%引き下げられた診療報酬を回復するに至らず、十六年間にわたり二兆五千億円台に抑制された歯科医療費の総枠拡大にはほど遠い改定率である、そのため、中医協の医療経済実態調査で損益差額が初めて百万円を切るまでとなった歯科医院経営の危機を改善するには到底及んでいないということであります。
 ぜひ、こういう実態、声に応えて努力をいただきたいということを指摘したいと思います。
 同時に、考えなければならないのは、若い技工士をどう育てるのかということであります。
 一つは、地域的な特徴も踏まえて、都道府県が事業を策定する地域医療介護総合確保基金で、若い技工士を育てるための奨学金制度なり、研修制度なり、必要だという声があるわけですが、そういうものが活用できるかどうか、これを確認したいんです。
○二川政府参考人 昨年成立いたしました医療介護総合確保推進法に基づきまして、各都道府県に地域医療介護総合確保基金が設置されているわけでございます。
 対象の事業といたしましては、医療従事者の確保に関する事業、これがあるわけでございまして、ただいま御指摘の歯科技工士の人材確保、あるいは養成所に対する設備整備等も対象の事業というふうになってございまして、実際にこの基金を活用した取り組みも既に行われているところでございます。
○堀内(照)委員 私も調べましたら、幾つかの都道府県で既に歯科技工士にかかわる事業を進めているところがありました。養成学校などを通じて新しい技術の養成などに取り組んでいるわけですが、しかし、兵庫県は、今言いましたように、そもそも養成学校がなくなってしまっている。そういった事業をやる足場という点でも非常に、なくなっているという面と、それからまた、この問題はやはり全国的にも共通した課題だというふうに思うわけです。
 この点も最後に大臣にぜひお伺いしたいと思います。
 国としても、今から本腰を入れて、つまり十年、二十年たてば本当に技工士がいなくなるという事態が危惧されると私は思いますので、若い技工士を育てていくこと、育成することとともに、働き続けられる環境、これを支える事業もぜひ検討すべきではないかと思うわけですが、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 先ほども申し上げたわけでありますけれども、質の高い歯科技工士を確保していくということが、よりよい歯科医療を提供するために極めて大事でありますし、うまく合わない歯科技工物を改良していくときのつらさというのは、はた目で見ていると大変なことでもありますから、やはり質を上げていくということはとても大事なんだろうというふうに思います。
 去年、通常国会で医療法の改正を行ったときに、歯科技工士法も改正を行って、この試験の全国統一化というのをやっとできたわけでありまして、これが一つのきっかけとなって質の向上につながればなというふうに思うことが一点。
 それと、さっき申し上げたように、国としても、技工士の評価を上げる先鞭をつける意味で、人事院で初任給基準表の改正というのを今年度から行ったというようなこともございます。
 一方で、これもやはり質を上げるということで、先ほど井坂議員からはお叱りを頂戴いたしましたけれども、質が上がらないで評価を上げろと言ってもなかなか難しいので、やはり評価を高めるための質をどう上げていくかということで、厚生労働科学研究において、歯科技工業の実態についても情報収集を行っていくということもございます。
 いずれにしても、先ほどの診療報酬の中でも、この歯科技工士がかかわる行為についての評価を上げていくような質の改善というものを厚労省としてもバックアップができればなというふうに思います。
○堀内(照)委員 終わりますけれども、私がこの間お話を伺った技工士の皆さん、患者のために技工物をつくるということに非常に喜びを感じて、みずからの技術に誇りを持っておられます。その喜びや誇りが将来を見通せない低賃金、劣悪な労働環境の中で傷つけられている。質を改善してとおっしゃいますけれども、私は、むしろ今の歯科技工士の働き、役割をもっと評価するということが、質を改善するのを待って評価じゃなくて、今の実態をもっと評価していくということが必要なんだと思います。
 若い技工士を育て、その彼らが誇りを持って仕事を続けられるような環境をつくる、その政治の責任を果たすことを強く求めて、質問を終わります。