国会論戦・提案

2015年04月28日

医療保険改悪法案可決 反対討論

国民皆保険を縮小させる

衆院本会議 堀内議員反対討論 医療保険改悪法案可決

 国民健康保険の財政運営を市町村から都道府県に移す医療保険改悪法案が28日の衆院本会議で採決され、自民、公明、維新、次世代の賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。

 日本共産党の堀内照文議員が反対討論に立ち、国民皆保険を縮小させる同改悪案について「憲法25条に規定された社会保障に対する国の責任を放棄」と強調しました。

 堀内氏は、改悪案について都道府県が市町村に「標準保険料率」を示し、保険料の収納率にかかわらず納付金の納付(市町村から都道府県へ)が義務付けられることにより、「今でさえ耐え難い国保料の引き上げや徴収強化を招く」と指摘。「国民に医療を保障する制度が、国民の生活苦に追い打ちをかけ、人権や命を脅かすことがあってはならない」と述べました。

 都道府県に医療費削減目標を持たせ、病床機能の削減を促進することについて、「さらなる医療費抑制を都道府県の責任で行わせるものだ」と強調。「患者申し出療養は保険診療の例外を広げ、混合診療に道を開く」と述べました。

 さらに堀内氏は、入院時食事療養費の引き上げ、紹介状なしで大病院を受診した場合の定額自己負担の義務付け、後期高齢者医療制度の保険料特例軽減の廃止について、深刻な受診抑制を招くと指摘。「『公平』を口実に、現役世代にも高齢者にも新たな負担増を強いる」と批判しました。

2015年4月29日(水)しんぶん赤旗より

 

◆議事録 2015年4月28日衆議院本会議 反対討論

○堀内照文君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。(拍手)
 初めに、国民健康保険法案は、制度創設以来の大改定であり、内容は多岐にわたるにもかかわらず、参考人も含め二十二時間足らずで委員会審議を打ち切り、採決しようとしていることに強く抗議をするものです。
 本法案は、この間の自公民三党合意の社会保障と税の一体改革や、それに基づくプログラム法などと一体のものであり、国民の自助、共助へと社会保障を変質させるものにほかなりません。
 国保法第一条には、国民健康保険事業の健全な運営の確保とともに、社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とすると明確にうたっています。国民皆保険制度を縮小させるこの法案は、憲法二十五条に規定された社会保障に対する国の責任を放棄するものであり、断じて許せません。
 以下、具体的に反対する理由を述べます。
 第一は、今でさえ耐えがたい国保料の引き上げや徴収強化を招くことです。
 市町村は都道府県に納付金を納めますが、保険料の収納状況に関係なく一〇〇%納付が義務づけられます。都道府県は市町村に標準保険料率を示しますが、これは将来的な保険料負担の平準化に向けた地ならしであり、一層の保険料引き上げや徴収強化につながりかねません。
 国は三千四百億円の財政支援を新たに行うと言いますが、国庫負担は、この数十年の間の連続した引き下げで、一年当たり実質一兆円から二兆円規模なくなっています。そのために、各市町村で一般会計からの繰り入れをしてもなお国保料が高く、滞納世帯が三百六十万を超えています。
 医療にたどり着けず重度化、死亡する事態、一方的な差し押さえなどで生活苦をも強いられる深刻な事態が後を絶ちません。国民に医療を保障する制度が、国民の生活苦に追い打ちをかけ、人権や命を脅かすことがあってはなりません。
 住民の暮らしと健康を守る国保制度を再建するために、国庫負担の抜本的増額を求めるものであります。
 第二に、都道府県が、医療費適正化計画で医療費削減の目標を持ち、毎年その進捗を検証することが規定されていることは重大です。
 地域医療構想とセットで、病床機能の再編、削減等を促進することになります。国保の都道府県管理によって権限を強め、さらなる医療費抑制を都道府県の責任で行わせるものであり、必要な医療を公的保険で受けることができる皆保険制度を縮小させるものです。
 第三に、患者申し出療養は、保険診療の例外を広げ、混合診療に道を開くものです。
 安全性、有効性を確保する審査体制の見通しがありません。有害事象が発生しても、公的補償制度からは除外されている上に、患者申し出が起点だとして患者に責任を負わせるものです。難病団体は、保険の外にとめ置かれる治療や薬がふえ、患者の負担が途方もなく増大し、手が届かなくなると懸念をしています。
 困難な病気と闘う患者のためというのなら、患者申し出療養は白紙に戻し、確実に保険に結びつく仕組みを充実させていくべきです。
 最後に、公平を口実に、現役世代にも高齢者にも新たな負担増を強いることも重大です。
 入院時食事療養費引き上げ、紹介状なしで大病院を受診した場合の定額自己負担の義務づけ、後期高齢者医療制度の保険料特例軽減の廃止は、深刻な受診抑制を招くものです。協会けんぽへの国庫負担率下限の引き下げは、中小零細企業労働者の保険料率引き上げにつながります。
 その上、今後、費用の適正化、保険給付の範囲など、さらなる負担増の検討まで盛り込んでいることは断じて容認できません。
 以上、国民がいつでもどこでも安心して医療を受けられる国民皆保険の原則を大もとから揺るがす本法案は廃案にすべきことを強調し、討論を終わります。(拍手)