国会論戦・提案

「福祉施設職員の退職共済制度 助成続けよ」「保育所施設の改修、補修、耐震化工事の問題」

 

退職金の助成続けて 堀内氏「障害者施設に影響」

 日本共産党の堀内照文議員は7日、衆院厚生労働委員会で質問しました。福祉施設職員の退職共済制度において、障害者・児施設等への公費助成を廃止する問題をとりあげ、人材不足に追い打ちをかけるものだと批判しました。

 独立行政法人福祉医療機構が実施する社会福祉施設職員等退職手当共済制度は、退職金を積み立てる財源がない福祉施設の職員の待遇を改善し、人材確保をはかるために創設された退職金制度です。

 社会福祉法人が掛け金を支払いますが、保育所と障害等の施設については、国と都道府県が掛け金の3分の1ずつを助成しています。公費助成がない場合、法人が1人当たり13万4000円負担しなければなりません。

 堀内氏は「年間2400万円、人件費0・4カ月分の負担増。業界全体で退職金のいらないパートなどへの切り替えがいっそう進む。正規職員を雇用し人材育成をやるほど事業体としてはやっていけない」との大阪の社会福祉法人関係者の声を紹介。公費助成が廃止された場合の影響についてただしました。

 塩崎恭久厚生労働相は「他の事業主体とのイコールフッティングの観点から公費助成の見直しが必要。法人への影響を緩和するため、適切に報酬改定に反映されるよう努める」と影響を否定しませんでした。

 堀内氏は、福祉労働者の処遇改善が急務のなかで、公費助成の打ち切りはやめるべきだと主張しました。

2015年4月12日(日) しんぶん赤旗より

 

保育所施設の改修、補修、耐震化工事の問題

保育所施設の改修、補修、耐震化工事のための予算や問題についても質問しました。

※詳細議事録・動画

 

 

 

 

◆議事録 2015年4月7日 衆議院厚生労働委員会

○堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文でございます。
 議題となっています独立行政法人についての法案にかかわって質問をいたします。
 まず取り上げたいのは、勤労者退職金共済機構の資産運用委員会による運用のあり方であります。
 初めに、大臣に基本的な認識をお聞きいたします。
 この資産運用は、五兆円もの規模の金融資産の運用になるわけですが、これは労働者の大切な退職金の原資になるわけで、投機的な運用によってリスクにさらすというわけには当然いかないと考えますけれども、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 今回、法改正によりまして、基本ポートフォリオを作成する際には資産運用委員会の議を経るということとなりますけれども、資産運用は、中小企業退職金共済法におきまして安全かつ効率的に行うこととされておりまして、その範囲内で作成されることは変わりはないというふうに考えております。
 今後、基本ポートフォリオを作成する際には、中小企業退職金共済法において求められている安全かつ効率的な資産運用を具体化するために、資産運用委員会において適切に議論が行われるというふうに考えておるところでございます。
○堀内(照)委員 このたびの法改正で、同機構の資産運用のあり方について、新たに、大臣が任命した外部の専門家等から成る資産運用委員会が運用を行うということになります。
 現在の資産運用の管理についてはどうなっているのか、その仕組みと体制についてお答えください。
○岡崎政府参考人 勤労者退職金共済機構におきましては、機構の中の内規という扱いでございますが、三つのシステムがございます。
 一つは、資産の運用について、定例的な議論、あるいは状況把握をするということで、これは機構の役職員から成っておりますが、資産運用委員会というのがございます。ここで、議論それから状況の把握をしている。
 それから、理事長が最終的に資産の運用の決定をするわけでありますが、その理事長の諮問機関として二つの委員会を置いております。
 これは、いずれも外部の有識者から成っておりますが、一つが、ALM委員会。これは資産の運用に関します基本的な事項について助言をするという位置づけでございます。もう一つが、資産運用評価委員会。これは資産運用の結果についての評価をする委員会でございます。これらは、いずれも外部の有識者五名ずつから構成されているという状況でございます。
○堀内(照)委員 ですから、従来も外部の有識者が入って、事前にはALM委員会が助言をし、事後には評価委員会が評価をする、多重にチェックが入る仕組みになっているわけです。
 今回の法案では、大臣が任命する五人以内の資産運用委員会だけということなんですが、この五人以内というのは、最少人数というのはどうなるんでしょうか。
○岡崎政府参考人 法律上の文言は「以内」となっておりますが、これは、たまたま欠員等が生じるということを想定して「以内」としただけでございまして、基本的には、五名を任命するという考え方でございます。
○堀内(照)委員 いずれにしても、大臣やごく少数の資産運用委員会の意向が強く反映するものとなっており、仕組みや人的な体制という点でも、むしろ現行よりチェック機能が弱まっているのではないかと思うわけですが、この点、大臣、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 今御説明申し上げましたけれども、今回新設をいたします資産運用委員会の委員には、中小企業で働く方に退職金を確実にお支払いするという中小企業退職金共済制度の趣旨、目的を踏まえて、経済、金融等の専門知識に基づいて適切に御議論いただけるような方を任命することが求められているというふうに考えております。
 加えて、現在、外部有識者により構成される委員会は、先ほど御説明したとおり、機構の内規に基づいて助言、評価を行っているのに対して、今回の法改正後は、法律によって、資産運用の基本方針を作成、変更する場合には資産運用委員会の議を経なければならないこと、そして資産運用業務の状況を監視することとされておりまして、外部有識者によって構成されます委員会の権限がむしろ強化をされているというふうに考えております。
 したがって、資産運用委員会の設置後は、現在よりもチェック体制はむしろ強化されるものというふうに考えているところでございます。
○堀内(照)委員 内規を法律化して実質強化されているということでありますけれども、実際には、人的な体制という点でいうと、むしろ縮小しているということでありますので、投機的なリスクを回避するという担保が見えないと思うわけです。中退共のホームページでは「安全・確実・有利で」ということをうたわれておりますが、実際にこれで安全が担保できるのかという懸念があります。加入している三百二十八万人の労働者の退職金を守るためにも、投機的なリスクにさらすことは当然あってはなりません。
 これは今、答弁も、安全かつ効率的にとあったとおりだと思いますので、そこはやはり歯どめとなる仕組み、担保が必要で、当事者である労働者や積み立てる使用者が運用委員会の人選や決定に異議を申し立てられるような仕組みですとか、それから、運用委員会の人選についても、大臣の任命ではなく、透明で公平性が担保できる方法、構成とすべきだということを指摘しておきたいと思っております。
 次に、福祉医療機構の貸付事業、福祉貸付事業及び医療貸付事業について伺いたいと思います。
 この福祉医療機構は、福祉の増進と医療の普及及び向上を目的として設立された独立行政法人であります。そうした目的、理念のもと、医療・福祉分野の融資は、必要な施設建設等、重要な役割を果たしてきたと思います。
 とりわけ、福祉や医療の分野というのは、施設の収入が報酬、公定価格などで単価が決まっており、そもそも営利を目的とした事業ではありません。今も議論がありましたけれども、それだけに、融資の返済は長期かつ低利で行って、必要な福祉・医療資源を提供するという点で、この貸付事業の独特の、また重要な意義があるというふうに考えていますが、この点は、今度は大臣に、認識をぜひ。
○塩崎国務大臣 この独立行政法人福祉医療機構は、福祉施設や医療施設に対して融資、貸し付けをするわけでございますけれども、特に福祉施設につきましては、小規模零細なものも多く、財政基盤が弱い、それから、介護報酬や診療報酬等の公定価格の中で非営利かつ公共的、公益的な事業運営が継続的に求められるなど、先ほどもちょっと御説明申し上げましたけれども、国の政策と密接な関係を持ちながら運営をされる必要がございます。
 このため、福祉医療機構においては、福祉医療貸付事業として、国の政策に即して、民間では必ずしも実施されないおそれがある長期、固定、低利の資金を融資し、国民生活に必要不可欠な福祉施設や医療施設の基盤整備や安定経営に寄与しているというふうに考えております。
 さらに、福祉医療機構の貸付事業の中でも、例えば東日本大震災への対応とか、あるいは耐震化の整備、介護基盤の緊急整備、保育関連施設の整備など、国の政策に即した整備事業を重点的に貸付利率等の優遇措置を行っているところでございまして、そういうところが意義ではないかというふうに考えております。
○堀内(照)委員 そういう事業にこのたび金融庁の検査を導入するということですが、実際どういう検査をされるんでしょうか。金融庁にお願いいたします。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。
 金融庁検査は、平成二十五年十二月二十四日の閣議決定に記載されておりますとおり、金融庁検査の実効性が確保できる業務につきまして、主務省と金融庁の連携及び検査体制の整備を図った上で導入することとされております。具体的には、損失の危険の管理に限るということとされております。
 福祉医療機構につきましては、いわゆる福祉貸付事業及び医療貸付事業が検査の対象でございますので、主として信用リスク管理態勢及び資産査定管理態勢の適切性を検証することになるものと考えております。
○堀内(照)委員 リスク管理を行うということなんですが、そもそも現在の財務状況がどうかということも確認しておきたいと思うんです。
 同貸付事業と債権管理についてどう評価をされているのか、お答えください。
○鈴木政府参考人 福祉医療機構では、リスク管理債権といたしまして四つの区分、具体的に申しますと、破綻先債権、延滞債権、三カ月以上延滞債権、そして貸し出し条件緩和債権、この区分によりまして、リスクに応じた債権管理を行っております。
 また、債権の悪化を未然防止するといった観点から、全ての貸付先から事業報告書を求めまして、注意を要する貸付先に対する実地調査あるいは面談、こういったことを通じた相談、支援を行っております。
 それから、貸付先に係る事業や財務状況の把握にあわせまして、経営指標などをもとにして経営指導を実施いたしているところでございます。
 またさらには、償還期日の見直し、こういったような貸し付け条件の見直しなどを行うといった対応を行ってございます。
 そこで、こうした取り組みによりまして、リスク管理債権の比率でございますけれども、平成二十三年度末では三・一六%ございましたが、二十四年度末で二・八六%、二十五年度末では二・四〇%ということで、年々減少しているところでございます。
 この中には、東日本大震災におきます返済猶予分も入っておりますけれども、これを除きますと、二十五年度末では一・九〇%となっておりまして、現状、適切な債権管理ができているというふうに評価をしているところでございます。
○堀内(照)委員 適切な管理が行われているということでありますが、福祉や医療の施設の特性も把握した現行の事業だからこそ、きめ細やかに対応し、貸し倒れもほとんど発生せずに来ているというふうに思うわけです。
 そこへ金融庁が入るということですが、経営効率の目で検査をして、リスク債権、即経営改善が必要だと効率化が求められるようなことはないのか。リスクといっても、条件変更しながら苦労して返済しているわけで、また、そのようなところへ効率化と言っても、今もありましたけれども、この施設の収入というのは報酬、公定価格であります。民間のノウハウを導入すると言って、収益を上げるために人件費を削れといったような指導につながらないかという懸念もあります。
 答弁があったように、あくまでリスク管理だということでありますが、個々の施設や事業所へ口を出すというようなことはないのか、あくまで機構独自の特性を生かしたチェックということが行われるのか、そういう私が言ったような懸念というのが当たらないということを確認しておきたいんですが、金融庁、この点でも。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほどお答えいたしましたとおり、金融庁検査は、リスク管理に関する態勢の整備状況について検証を行うものでございまして、個々の貸し付けの是非にまで立ち入ることはございません。
 また、金融庁検査の結果を受けまして各法人がどのような業務運営を行っていくかということにつきましては、引き続き、当該法人及び主務省が政策的に判断されるものと考えております。
 したがいまして、金融庁検査の導入によりまして、御懸念のような政策目的の達成に支障が出るということはないと考えております。
○堀内(照)委員 この事業の特性を踏まえた運用が必ず必要だということを重ねて申し上げまして、続いて、この機構の別の事業、社会福祉施設職員等退職手当共済制度についてお聞きしたいと思います。
 まず初めに、この制度の目的はどうなっているでしょうか。
○鈴木政府参考人 社会福祉施設職員の退職手当共済制度でございますけれども、これは、社会福祉施設等に従事する人材を確保し、福祉サービスの安定的な供給と質の向上に資することを目的といたしまして、民間社会福祉施設経営者の相互扶助の精神に基づき運営される制度でございます。
○堀内(照)委員 この問題は、また別途法案が提出をされておりますけれども、その法改正で、この制度のうち、今度、障害者関連の施設、事業については公的助成を廃止するとしております。なぜ障害を外すんでしょうか。
○鈴木政府参考人 この退職手当共済制度でございますけれども、ここにおきます公費助成につきましては、平成十八年に見直しが行われております。それは、介護保険におきます営利法人等とのイコールフッティングの観点から、介護保険制度の対象となる高齢者関係の施設、事業につきまして公費助成が廃止された、こういう経緯がございます。
 この十八年の改正の議論の際に、社会保障審議会の福祉部会の意見書が出されておりますけれども、そこに今御指摘ございました障害についての言及がございます。
 具体的には、障害等のその他の施設、事業に係る公費助成につきまして、平成十八年であわせて見直すべきとの指摘もございましたけれども、当時は、高齢者関係とは異なり、社会福祉法人がサービスの中核的な担い手となっている現状があること、それから、障害者の関連施策など制度自体の枠組みの変更が検討されている、そうした中で、この退手共済につきまして同時に結論を得ることは困難である、こういうことから、その取り扱いにつきまして将来の検討課題とする、こういった言及がございます。
 その後、今日に至りますまでに、障害者につきましては、障害者総合支援法等に関します施設、事業、これにつきまして、既に障害者関連施策に係る制度移行が完了しているという事情の変更が一つございます。
 それから、社会福祉法人が大宗を占めているというのが当時の状況でございましたけれども、現在、障害関連でも社会福祉法人以外の経営主体が六割弱を占める状況になっている。
 こうした点を踏まえまして、前回改正時の介護保険施設、事業と同様に、既に加入している方に係る公費助成、これは維持するという経過措置を講じた上で、今般、公費助成を廃止するということにいたしたわけでございます。
○堀内(照)委員 公的助成から外れますと、この共済に加入しようと思えば掛金が三倍になり、事業所への負担が重くなります。かといって、加入せずに退職金を独自に払うことももちろん大変なわけで、いずれにしても、事業所への負担が重くなり、退職金を払えないという事態にもなりかねません。そもそも、退職金を出さない事業所もふえるのではないかと思います。そうなれば、この制度の目的でもある人材確保ということにも逆行することになります。
 この公的助成を外すことによる影響というのを、大臣、いかがお考えでしょうか。
○塩崎国務大臣 今先生から御指摘のございました社会福祉施設職員などへの退職手当共済制度、これにつきましては、職員の処遇の向上に重要な役割を果たしておりまして、今後とも、制度を安定的に運営し、維持することが必要であるというふうに考えております。
 他方、障害福祉サービス分野においては、前回改正時に公費助成を維持する理由とされた障害者関連施策に係る制度移行、これも完了したということなどから、介護関係施設、事業と同様に、他の事業主体とのイコールフッティングの観点から、先ほど局長から答弁申し上げたように、公費助成の見直しが必要ではないかということで考えているところでございます。
 こうした観点から、障害者、それから障害児に関する施設、事業については、今般、公費助成を廃止することとしておりますけれども、法人の運営への影響を緩和するため、既加入者に対する公費助成を維持することとしております。
 なお、新規加入者につきましては、法人の掛金負担の増加について、制度見直し後の施設、事業の経営実態等を把握することによって、適切に報酬改定に反映されるように努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○堀内(照)委員 公的助成から外れるとどういう影響が出るのか、既に二〇〇六年に外された介護でどうなっているかということを見てみたいと思うんです。
 介護関連施設での共済加入者数及び新規加入者数について、二〇〇六年以前との比較でどういう変化があるかということをお答えいただきたいと思います。
○鈴木政府参考人 ただいま御指摘ございました、介護施設、事業に関します公費助成の廃止に伴う影響でございますけれども、法律上の特定介護保険施設等の職員数、これで申し上げたいと思います。
 これは、制度改正時に既に加入していた方、この方々の退職によりまして、制度改正前の平成十七年、これは二十八万七千五百四十四人でございましたけれども、平成二十六年度には二十五万三百四十五人となっておりまして、平成十七年度に比べますと三万七千百九十九人の減でございますが、推移といたしましては、平成二十一年からは二十五万人台を維持しているという状況でございます。
 また、そのうち、この改正に伴いまして公費助成の対象外となりました、制度改正後に新たに加入した職員の数でございますけれども、制度改正直後には、平成十八年、六千五百九十五人でございましたけれども、平成二十六年度には十二万八千八百八十五人となっておりまして、近年は毎年一万人程度のペースで増加しているということでございます。
○堀内(照)委員 加入者数はおよそ四万人減っているわけですね。この間、介護労働者の総数は約五十万人以上もふえているのにであります。
 新規加入の方なんですが、みずほ情報総研株式会社が二〇一三年三月に、社会福祉施設職員の退職金の在り方に関する調査研究報告書というのを出しているわけですが、そこによれば、二〇〇六年以前は五万人前後、毎年新規加入があったわけですが、公的助成がなくなってから、毎年二万数千人と、およそ半分の水準で推移をしているわけであります。
 大阪のある介護施設では、二十五人の職員一人当たり四万四千円、合計百十万円でよかった掛金が、一人当たり十三万二千円で、二十五人分で三百三十万、一気に二百二十万円も事業所の負担がふえました。
 介護報酬で手当てすると大臣もおっしゃいましたけれども、この間、介護報酬が上がったのは〇九年改定だけで、一二年改定は、処遇改善交付金が組み込まれていましたので、それを除けば実質マイナスになっているわけで、今回もマイナス改定であります。
 ですから、施設は本当に大打撃でありまして、新規加入が以前の半数になっているように、そもそも共済に入れない、退職金が準備できないという事態であります。
 これは人材不足に本当に追い打ちをかけていると思うんですが、改めて塩崎大臣、これでも、障害施設を公的助成から外そうというこの影響、否定できないのかということを、もう一度お答えいただきたいと思うんです。
○塩崎国務大臣 先ほど御答弁申し上げたように、やはり民間の方々の参入というのが半分以上になってきているということもあって、イコールフッティングを考える、しかしながら、今介護のお話が出ましたが、介護のサービス提供主体の経営については、これは全体として、この報酬の中でもしっかりと見ていくということでもございますので、そういったことで、今回の改正の趣旨はやはりお認めをいただきたい、このように考えているところでございます。
○堀内(照)委員 しかし、介護報酬は上がらないわけですね。
 大阪の別の事業所では、介護に加え、今回助成から外れる障害者施設も運営しています。それから、今後助成から外そうとも言われている保育も運営をされている従業員三百人の事業所があるわけですが、仮に全部公的助成から外れてしまうと、助成があったときと比べたら、年間二千四百万も負担がふえます。これは、この事業所の総人件費の〇・四カ月分にもなります。規模が大きいと中退共にも入れません。
 事業所の担当者は、本当に負担が大きく、これでは業界全体で退職金の要らないパートなどへの切りかえがふえるのではないか、真面目に正規を雇って人材育成をやればやるほど事業体としてはやっていけない仕組みになっている、何とかしてほしいと切実な声を上げています。
 イコールフッティングと言われますけれども、これだけ介護や保育を初め福祉労働者の処遇改善が言われている中、社会福祉法人以外の経営体の職員へも支援を強めることが大事であって、制度を低い方に合わせるということは処遇改善のマイナスにしかなりません。障害や今後の保育への公的助成の打ち切りはやめるべきだと強く申し上げておきたいと思います。
 残る時間で、所信質疑に続いて、保育の問題も若干質問したいと思います。
 待機児童の問題、その後もさまざま報道がされておりまして、四月六日付の雑誌アエラでは、保活、保育活動ですね、翻弄された母親たち三十一人の訴えということで特集が組まれております。まだ育休中なのに生後三カ月で預けなければならないとか、病院のベッドでも保活、認可外に二十万円以上の負担だとか、復職が遅ければアウト、第十希望に滑り込み、電話すらつながらない、もう引っ越すしかないと、深刻な実態を伝えています。
 一方で、施設の老朽化のため、廃止に追い込まれる保育所も生まれています。
 茨城県守谷市土塔中央保育所は、今、保護者の運動もあって、現在のところは廃止は免れましたけれども、二〇一三年秋に、耐震に問題があるということを一つの理由に、将来的な廃止の方向が打ち出されております。埼玉県ふじみ野市では、園舎が耐震基準に満たないことを理由に、この三月で二つの保育所が廃止になりました。市民が、市長に存続へ直接請求まで行っております。同じく埼玉県鶴ケ島市では、築四十年の耐震強度が不足している東部保育所を段階的に閉鎖するということであります。
 国は、こうした保育所の耐震強度不足の施設や、老朽化で改修が必要な施設についての状況を把握されているでしょうか。
○安藤政府参考人 保育所の耐震化につきましてお答え申し上げます。
 保育所を利用する子供の安全、安心を確保する観点から、保育所の耐震化を図ることは重要であると考えておりまして、毎年、社会福祉施設等の耐震化状況調査におきまして、その状況を把握しているところでございます。
 平成二十五年十月一日時点において、全ての保育所の約八割が耐震基準を満たしておりますけれども、各自治体ごとに見ますと、若干ばらつきがあるという状況でございます。
○堀内(照)委員 老朽化の方は把握されていないんですね。
 全国保育協議会の「全国の保育所実態調査報告書二〇一一」によれば、園舎の築年数の平均は二十五・六年、老朽改築が今後大きな課題との指摘をしています。築三十年以上の保育所が、公営で五七・一%、民営で四二・三%、全体で五割近くに上るとされています。
 耐震化については、今答弁ありましたけれども、そもそも一九八一年以降の建物については耐震診断すら行われていないわけであります。
 ぜひ国としても、これは実態をつかんで対策を打つべきだと思います。
 ちょっと時間がないので質問を一問飛ばしたいと思うんですが、こうした補修、改修、耐震化工事への支援が、保育所整備交付金で対応するということで、今事業所の負担は四分の一で済むというメニューになっているわけですが、これは不十分だというふうに思うわけなんですね。
 神戸市西区の枝吉保育所は、一九七四年三月竣工の施設で、二〇〇九年に民間移管をしました。その際、建物診断を受けると、屋根、外壁、保育室、事務室、給水、排水通気、衛生器具、軒並み早期補修が必要だと。二〇一四年にようやくその一部を改修に踏み切ったんですが、総額一億三千万円の工事になりました。神戸市の補助制度、安心こども基金を活用した制度を使ったんですが、神戸市の補助は、待機児童解消や新規建設が優先されて、老朽化に伴う改修工事の補助には上限が設けられ、ようやく事業採択されたときには、おりた補助金は一千万だけでした。
 事業所の負担は四分の一で済む制度設計なのに、財源不足で独自の自治体の上限があるがために、工事費用一億三千万円の四分の一どころか、九割以上が自己負担になって、銀行からの融資も受けましたけれども、まだ資金が足りず、改修が半分でとまったままだと。
 いわゆる保育所整備とは別枠で、改修や耐震化のための予算の抜本的な増額が必要だと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 先生御指摘のように、子供たちの安全を確保するために保育所の耐震化を進めるということは大変重要であることは、そのとおりだと思います。
 先ほど来申し上げているように、このため、平成二十七年度の予算案においては、新たに創設をいたしました保育所等整備交付金、二十七年度は五百五十四億の当初予算で用意をしているわけでありますが、新たな保育の受け皿の確保のみならず、既存の私立保育所等の耐震化や老朽改築を行うための費用も対象としておりまして、必要な予算を確保しているものというふうに考えております。
 耐震化の推進は、各自治体における取り組み姿勢が極めて重要でありまして、厚生労働省としても、この取り組みを強力に各自治体に対して促して、支援をしていきたいというふうに思います。
○堀内(照)委員 今申し上げたのは民間の例ですが、公立の場合は一般財源の中で手当てしないといけません。埼玉のさきの公立廃止の動きも、報道では、国や県の補助金がない、財政的な問題だというような指摘もされております。全国で公立保育所閉鎖が進む一因にもなっていると私は思いますので、保育の受け皿がなくなるということでは、これは待機児童解消にも逆行します。
 公立も私立も含めて、整備費とは別に、やはり改修、補修、耐震化工事のための予算の抜本的な増額が必要だと重ねて訴えまして、質問を終わります。