国会論戦・提案

「介護報酬削減の影響を告発」「子ども・子育て支援新制度」

 

介護報酬 減収を利用者転嫁

堀内氏 削減の影響、告発

衆院厚労委

日本共産党の堀内照文衆院議員は25日の厚生労働委員会で、介護報酬引き下げを利用者負担に転嫁しようとする事業者を告発し、国の対応を求めました。

 

 堀内氏が告発したのは、兵庫県尼崎市にある認知症グループホーム。4月からの介護報酬引き下げによる減収額をそのまま「管理費」として月額1万5000円も利用者から徴収しようとしています。堀内氏が「報酬減額の影響額をそのまま管理費として徴収していいのか」とただすと、厚労省の三浦公嗣老健局長は「減収分を補てんする目的で引き上げを行うことは認められない」と答えました。

 この事業所は200近いグループホームをはじめ全国展開しており、堀内氏は調査と是正を政府に求めました。

 政府は、介護報酬の引き下げについて利用者負担の軽減につながると説明してきました。堀内氏は介護報酬を引き下げた政府の責任に言及。「報酬引き下げが事業所の経営を直撃しているということは厳然とした事実だ」と述べ、引き下げ撤回を求めました。

2015年3月28日(土) しんぶん赤旗より

「子ども・子育て支援新制度」の関連する問題点で質問

介護報酬に続いて「子ども・子育て支援新制度」について、待機児童や障害児保育等の問題点を質問しました。

※詳細は動画・議事録等にて

 

 

◆議事録 2015年3月25日 衆議院厚生労働委員会

○堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文でございます。当委員会では初めての質問になります。どうぞよろしくお願いいたします。

  まず初めに、介護報酬の引き下げにかかわって伺いたいと思います。

  今回の介護報酬の二・二七%もの引き下げについては、幾ら介護労働者の処遇改善があるといっても、それを上回ってマイナス改定をかぶせれば、事業所にとっては大変な痛手であります。そうなると、人手不足の現場に一層の困難を持ち込むことになるわけで、私たちは反対であります。

  総理初め、これは、利用者の負担を軽減し、保険料の伸びを抑えるため、ふえ続ける介護費用全体を抑制するんだと繰り返してまいりました。十三日の予算委員会では、総理が我が党の高橋千鶴子議員の質問に答え、介護サービスの利用者負担を平均で二%程度軽減できると答弁されました。介護報酬が下がれば利用者負担が減るというのはある意味当然でありますけれども、大臣、この点、間違いないかということを確認したいと思います。

○塩崎国務大臣 平成二十七年度の介護報酬改定におきましては、介護職員の処遇改善や中重度の要介護者等に対する在宅生活を支援するためのサービスの充実を行いながら、経営の実態等を踏まえて、全体としてはマイナスの二・二七%という改定率で決定をしているところでございます。

  この結果として、介護保険料の上昇の緩和、それから介護サービスの利用者負担の軽減など、保険料の納付者や利用者の負担軽減にもつながると考えておりまして、このような点について、これまで国会でも答弁をしてきたところでございます。

○堀内(照)委員 ところが、それと全く逆行することが起きております。

  兵庫県尼崎市のグループホームで、介護報酬減額による事業所の減収分を利用者に負担をお願いする文書が、利用者のところに郵送をされております。私ども、今回、入手いたしまして、その文面を少し御紹介いたしますと、こう書いてあります。

  今回の介護報酬改定は、介護報酬全体での改定率はマイナス二・二七%となり、そのうち弊社が御提供させていただいている認知症対応型共同生活介護サービスの単価が大幅に引き下げられました。今回の介護報酬改定の結果を慎重を重ね検討してまいりましたが、経営に対する影響が極めて大きく、現状の利用料金では御契約者様へのサービスの提供のみならず、事業継続が困難な事態となります。つきましては、四月一日より介護報酬改定に伴う減額分を御負担いただく目的で、重要事項説明書に記載する以下の料金を四月一日より改定いたします。

  こうありまして、基本サービス費と在所日数、地域区分単価、こういった計算までして改定による影響額をはじき出し、この事業所の場合は一万五千四十八円ということですが、その一万五千四十八円を、そのまま管理費なる費目を新たに創設して徴収しようとしているわけです。

  介護報酬引き下げ分を事業者がそのまま利用者に転嫁する、これはいいんでしょうか。

○三浦政府参考人 認知症グループホームなどにおきましては、食材や身の回りの日用品など、日常生活で通常必要となるものにかかる費用につきましては、実費相当額の範囲で利用者から費用の支払いを受けることが認められているところでございます。ただし、この場合にあっても、曖昧な名目で支払いを受けるということは認められません。

  また、利用料金の設定につきましては、利用者またはその家族の方に事前に説明して同意を得るほか、利用料金の額は事業所の運営規程に記載し、変更があった場合には市町村や都道府県に届け出ることとされております。

  これらの費用は、介護保険給付の対象となっているサービスとは重複しない便宜に対する費用であるということから、例えば、介護報酬の引き下げによる減収分を補填するという目的でその引き上げを行うということは認められないものと考えております。

○堀内(照)委員 この事業所は、北海道から九州まで二十七都道府県で、百九十五カ所のグループホームを初めさまざまな介護事業を全国展開しております。

  今も答弁ございましたとおり、どういう名目をつけようが、介護報酬引き下げ分を利用者に転嫁するということは許されないわけで、これは調査して是正すべきではないでしょうか。そして、ほかの法人事業所も含めて、こうしたことがないように徹底を図るべきではないでしょうか、大臣。

○塩崎国務大臣 今、三浦老健局長からお答えをいたしましたけれども、認知症グループホーム等における利用料金の額については、事業所の運営規程に記載をし、変更があった場合には市町村や都道府県に届け出ることとされておりまして、不適切な利用料金の変更があるかどうかは、市町村や都道府県で確認がなされる仕組みとなっているところでございます。

  厚生労働省としては、市町村や都道府県からの個別の疑義照会に対応することなどを通じて、市町村や都道府県において適切な確認がなされるように支援をしていきたいと思っておるところでございます。

○堀内(照)委員 これは、ぜひ国としても、市町村、都道府県をしっかり見届けていただきたいと思っております。

  このように、事業所への減額分を利用者負担に転嫁することは絶対許されませんが、報酬引き下げが事業所の経営を直撃しているということは厳然とした事実であります。午前中もございましたが、現場の困難がさまざまな形で明らかになっているわけですから、介護報酬の引き下げの撤回を強く求めて、次のテーマに移りたいと思います。

  いよいよ四月から、子ども・子育て新制度が実施をされます。依然として、新年度の待機児童は深刻であります。

  この月曜日、二十三日付東京新聞は一面で、都内二十三区で認可保育所に「今年も二万一千人入れず」と報じ、保育必要との認定証が来ても入所不可で、認定証だけもらってもどうしようもないと憤る保護者の声を紹介しております。

  私の地元の神戸市でも、灘区のあるお母さんは、四月からようやく正規で働けるのに、三番目の子の保育園が決まらない、本当は上の二人が大好きな同じ保育所に入れてやりたいが、このままどこも決まらないという事態だけは何としても避けたいと切実な声を寄せておられます。

  ほかにも、私がこの間直接聞いてきただけでも、内定が決まっているのに預け先がなく、内定辞退をしなくてはいけないのではないかとか、下の子の保育所が決まらず、このままいけば夫の事業所内保育施設に行かざるを得ない、そうなると、仕事が終わって兄弟別々の保育所にお迎えに行くわけで、お迎えに行って帰宅、それだけで車で一時間以上もかかってしまうと、各地で深刻な声が寄せられております。

  先日、当委員会で大臣は、待機児童ゼロを目指して取り組みを強力に進めますと所信を述べられました。取り組まれている待機児童解消加速化プランをさらに前倒しで進めることが必要で、そのためにも、自治体への財政支援も含めた緊急措置をとるなど、思い切った支援が必要だと考えますけれども、いかがでしょうか。

○山本副大臣 御指摘のとおり、待機児童の解消は待ったなしでございます。

  そのために、今御指摘いただきました待機児童解消加速化プランを進めておりまして、平成二十五年度、二十六年度の二カ年におきましては、従来の二倍のスピードで整備を進めまして、予定どおり、約二十万人分の保育の受け皿が確保できる見込みとなっております。

  また、平成二十七年度におきましては、今後三年間で確保する約二十万人分の受け皿について、前倒しをして整備することといたしておりまして、約八・二万人分の受け皿の確保を進めていく所存でございます。

  この約八・二万人分のうちの約一万人分につきましては、既に平成二十六年度の補正予算で計上いたしました保育所等整備交付金によりまして、保育所整備を前倒しして進めているところでございまして、保育所の早期開設というものをしっかりと進めてまいりたいと思っております。

  今後とも、自治体の待機児童の解消に向けた取り組みを確実に対応していけるよう、政府として最大限努力をしてまいる所存でございます。

○堀内(照)委員 今、現に困っている保護者の方々に、まだ十分に応えるというスピード、規模ではないと思うわけですね。そのためにも、さらに前倒しでということで私お願いしたわけで、自治体に対して保育施設と保育士確保に必要な特別の財政支援を緊急に行うことや、用地取得のための国有地無償貸与、また土地取得の助成制度の実施など、さらに踏み込んだ国の施策を求めるものであります。

  待機児童解消のためには、必要な保育施設を保護者の要望に即して整備していくことが欠かせないと思います。しかし、そのもとになる待機児童の把握の仕方に問題があると考えています。

  厚生労働省は、それぞれ各自治体に待機児童調査を依頼する際、待機児童の新しい定義というのを添付しております。このたび、この定義について新たに変更した点というのはどのような点でしょうか。

○安藤政府参考人 待機児童の定義につきましてお答えを申し上げます。

  待機児童調査におきましては、統計数値としての連続性にも配慮して、現行の取り扱いを基本としつつ、新制度の施行に伴いまして必要となる見直しを行ったところでございます。

  新制度では、小規模保育や幼稚園を含む新たな共通の給付が創設されることや、保育の必要性の認定の事由に求職活動ということが明確に位置づけられることなどを踏まえまして、待機児童の定義についても整理を行いました。

  主な変更点といたしましては、小規模保育と一時預かり事業の幼稚園型などの補助を受けている幼稚園につきましては、新制度のもとで新たに認可事業である地域型保育事業として位置づけられるということから、その利用児童を待機児童数には含めないということにしたところでございます。

  また、特定の保育所などを希望して、ほかに利用可能な地方単独保育施設を利用しない場合については、待機児童数には含めないという取り扱いにつきましての明確化を図りました。

  さらに、保護者が求職活動中の場合は待機児童数に含めるということにしておりますが、調査日時点で求職活動を休止していることの確認ができる場合には待機児童数に含めない取り扱いにすることにつきまして、これまでやや曖昧だったものを明確化したというところでございます。

  また、育児休業中につきましては、現行の取り扱いを踏まえ、整理をさせていただいたということなどが挙げられるところでございます。

○堀内(照)委員 求職活動の休止を確認できる場合と言いますけれども、何をもって休止の判断とするのか。また、育休については、これまで明記されていなかったものを、わざわざ、待機児童に含めないことができるということも明記されているわけであります。

  兵庫県姫路市のある方は、求職活動中でずっと申し込んできたのに、昨年秋、姫路市が待機児童ゼロになったと報道をされた。うちの子は待機児童とは数えられていなかったのかと大変憤っておられました。育児休業が明けるのに保育所が決まらない方は仕事をやめなければならない、本当に深刻なわけであります。

  これまで、求職中や育休については、待機児童数を少なく見せるために自治体の判断で除外する例もあり、その判断が自治体によってまちまちであるがゆえに、実態がつかめないという批判もありました。今度は、国が新たな定義でそういうものにお墨つきを与えることになると思います。定義の変更は撤回をして、求職中や育休について、きちんと待機児童としてカウントすべきではないでしょうか。

○安藤政府参考人 まず、新制度におきましては、保育の必要性の事由に新たに求職活動が規定されたことを踏まえまして、保護者が求職活動中の場合については待機児童数に含めるということにつきまして明示したわけでございます。従来は、求職活動の状況把握に努め、適切に対応というような形になっておりました。その上で、求職活動を休止していることの確認ができるという場合には、待機児童数に含めないことを明らかにしたものでございます。

  また、新制度では、保護者が育児休業中の場合については待機児童数に含めないことができることとして、これもまた明確化を図ったところでございますが、育児休業を取得している方の状況につきましては、市町村がその実情を踏まえて判断をしているというのが現状でございまして、育児休業の取り扱いを一律に定めるということは適切ではないことから、待機児童のカウントについては市町村の判断に委ねることとしたものでございます。

  なお、市町村の判断により待機児童に含めないこととした場合におきましても、育児休業を延長した方や育児休業を切り上げて早く復職したいという方のニーズにつきましては適切に把握をしていただいて、引き続き、利用調整を行うよう明確に求めているところでございまして、この趣旨を踏まえまして、市町村におきまして適切に対応いただきたいと考えているところでございます。

○堀内(照)委員 一律ではないということなんですけれども、自治体によってばらばらであることがやはり問題であって、正確な実態をつかむということが必要だと思うわけです。

  育休延長も、その期間が終われば職場復帰をします。待機児童とカウントしないと実態が把握できないわけであります。これでは仕事に復帰できない、退職するしかないといった保護者の必死の思いに応えるべきで、待機児童を狭めるようになるようなこの定義は見直すべきだと申し上げたいと思います。

  また、この定義では、認可保育所に入所を希望してもそれがかなわず、小規模などの地域型の施設や幼稚園の一時預かり事業などで保育できれば、待機児童と数えられません。今これも答弁があったとおりです。

  今回の新制度は、潜在的なニーズも含めて、自治体がしっかりつかんで、計画的に施設の整備を進めようというものであったはずであります。保護者の多くは認可保育所の利用を希望しております。しかし、これでは、そのニーズを正確に把握するものにはならないのではないでしょうか。

○安藤政府参考人 新制度におきましては、小規模保育などの地域型保育事業につきましては、新たに市町村が認可する事業として児童福祉法上に位置づけをしまして、質の確保されたものとして公的給付の対象としております。また、幼稚園については、幼稚園型の一時預かり事業が創設されまして、午後の預かりについて、消費税財源を活用して安定的な補助がなされることとなっております。

  これらを踏まえまして、こうしたものを利用している場合には、一定の質が担保された保育サービスが提供できているものとして、待機児童には含めないこととしたところでございます。

○堀内(照)委員 小規模も含めて待機児童解消のために整備をするということでありますけれども、多くの保護者の希望は認可保育所への入所であります。それは何も根拠なしに認可がいいんだ、認可保育所がいいんだと言っているわけではありません。やはり、子供の育ちにとって最善の必要な環境をと願ってのことであります。

  私が話を伺った保護者の方々が口をそろえておっしゃられたのは、子供は荷物ではないんだ、ただ預ければいいというものではないという言葉でありました。

  小規模や家庭的保育などでは、さまざまな基準が認可保育所とは当然違ってきます。一番のかなめともいうべき保育士の配置基準が小規模と家庭的保育でどうなっているのか、お答えください。

○安藤政府参考人 子ども・子育て支援新制度におきましては、小規模保育事業や家庭的保育事業を新たに市町村が認可する事業として公的給付の対象とすることとしております。

  このうち、定員規模が六人から十九人である小規模保育事業につきましては、三つの類型を設けております。具体的には、現在行われている認可外保育事業を含めた多様な事業からの移行を想定いたしまして、保育所分園や小規模の保育所に近いA型、家庭的保育に近いC型、その中間のB型、この三つを設けているところでございます。

  それぞれの職員配置基準につきましては、A型では、保育所の配置基準にプラス一名の配置を求めまして、保育従事者の全てを保育士としております。B型では、保育所の配置基準にプラス一名の配置をこれも求めまして、保育従事者の二分の一以上を保育士としまして、保育士以外の保育従事者には研修受講が必要としているところでございます。C型では、研修を受講した家庭的保育者を配置する場合には子供三人に対し保育従事者一人、その補助者を置く場合には子供五人に対し保育従事者二人というふうにしているところでございます。

  また、定員規模が一人から五人であります家庭的保育事業の職員配置基準につきましては、小規模保育事業のC型と同様、研修を受講した家庭的保育者を配置する場合には子供三人に対し保育従事者一人、その補助者を置く場合には子供五人に対し保育従事者二人としているところでございます。

○堀内(照)委員 基本的に資格を持った保育士が配置される認可保育所と、そうでない小規模B、Cや家庭的保育などの地域型事業所では、明らかに保育士の配置という点で格差があるわけです。ほかにも、地域型施設では雑居ビルの一室でもいいとか、給食も外部搬入が可能であるなど、認可保育所との歴然とした違いがあるわけです。だからこそ、保護者の多くが認可保育所を求めているわけで、その願いに応えるべきだと思います。

  ところが、この加速化プランのもとでどう推移をしていっているかということでありますが、この加速化プランが始まった一年間の数字を確認したいと思います。

  二〇一四年四月一日時点での保育所利用児童数、地方単独保育施設利用人数を、前年同日比との変化とその増加率について、それぞれどうなっているか、お答えいただけますか。

○安藤政府参考人 お答え申し上げます。

  認可保育所の利用児童数につきましては、平成二十五年四月一日現在で二百二十一万九千五百八十一人、平成二十六年四月一日現在で二百二十六万六千八百十三人となっておりまして、比較をいたしますと、四万七千二百三十二人、伸び率にして二・一%の増加となっております。

  また、地方単独保育施策として整理をしておりますものの利用児童数につきましては、平成二十五年四月一日現在で一万六千二百六十四人、平成二十六年四月一日現在で二万三百七十七人となっております。

  ただ、この平成二十六年の数字につきましては、平成二十七年四月施行の子ども・子育て支援新制度の先取り実施をするための国の支援策でございます保育緊急確保事業の対象となりました小規模保育事業や幼稚園における長時間預かり保育などが含まれております。こうした国の事業の対象分というのは、従来は地方単独保育施策のカテゴリーには含まれていなかったものでございますが、二十六年につきましては、この保育緊急確保事業の対象となったものについてはその数字に含めるようにという形で統計をとったものでございますので、この二つの数字を一概に比較することはちょっとできないかなと思っておりますけれども、その上で、比較した数字を申し上げますと、四千百十三人の伸び、伸び率にして二五・三%の増加となっております。

  なお、これらを含めました全体の保育料増加分に占める地方単独保育施策として整理したものの増加分の割合は、八%となっております。

○堀内(照)委員 単純に比較できないということでありますが、この地方単独施設は、おっしゃられたように、新制度のもとでは、施設が希望すれば小規模や家庭的保育などいわゆる地域型へと移行する施設でありますので、おおよその傾向は見えてくると思うんですね。

  いわゆる地方単独施設の伸びが非常に大きいわけです。特に、待機児童の多い政令指定都市では、保育所の利用の伸びが四%に対して、地方単独は四三%の増。中核市は、保育所が四%の増に対して、地方単独は六七%の増。例えば、中核市、大阪の高槻市は、百一人から三百六人と三倍。兵庫県の西宮市は、ゼロ人だったのが八十一人ということであります。

  地域型がふえることが単に悪いというわけではなく、定義では、そこに入ると待機として数えられないわけで、自治体にとっては、これで待機児童解消だということになれば、本来保護者が求めている認可保育所の整備に向かわないのではないかという懸念があるわけであります。

  昨年六月の当委員会での高橋千鶴子議員の質疑の中で、雇用均等・児童家庭局長は、保育の専門性について、「保育士は、単に子供を預かる者ではございません」、「子供の発達を支援し、健康や安全を確保し、また、保護者への相談支援などを行うといった、保育の専門職としてさまざまな役割を担っている」と答えておられます。

  そうであるなら、基準を緩めた施設でよしとするのではなく、あくまで認可保育所に入所したいという保護者の願いにきちんと応えられることが必要だと思います。認可保育所の整備へ国の責任を果たすよう、重ねて強く要望するものであります。

  あわせて、今、保育所の絶対数が足らず、新制度に移行しようとする中で混乱も生まれております。

  新制度に向けて、在園児も新たに保育の必要性の認定を受けることになっておりますが、その在園児が通っている保育所から退園を迫られるという事例が生まれております。

  岡山県早島町では、二月半ば時点で、新年度の待機児童数が三十六人と過去最悪になりました。その中で、新たな利用申し込みの方の点数が高くなって、在園乳児十一人の保護者に退園通知が出されました。慌てた保護者が集まって、これは生活がかかっているんだと町長と必死に交渉する中で、町も対応され、急遽十一人の定員拡大を行って、退園児を出すという事態は回避をされました。

  このように在園児が退園させられるというようなことはあってはならないと思うんですが、この点、いかがでしょうか。

○安藤政府参考人 子ども・子育て支援新制度への移行に当たりまして、現に保育所を利用しているお子さんについても、市町村が保育の必要性の認定を行った上でその利用を決定するという経過をたどる必要がございましたが、安定した環境で子供の心身の健全な発達を促すという観点からは、一貫して継続的な環境で保育を受けられるようにするということが望ましいと考えております。

  このため、ことしの一月に、各都道府県等に対しまして、現に保育所を利用している児童については、市町村は、現在利用している施設を継続的に利用することを保障することが適当であり、適切な運用が行われるようにということを文書で依頼したところでございます。

  なお、認可外保育施設が認可保育所になる場合についても、同様の配慮をすることとしております。

  各市町村におかれましては、その趣旨を踏まえて、適正な運用を行っていただきたいと考えているところでございます。

○堀内(照)委員 もう四月一日目前でありますけれども、改めてこの通知の徹底をぜひ図っていただきたいと申し上げたいと思います。

  同様の混乱は、障害児をめぐっても起きております。

  兵庫県加古川市で、保育園に通う障害児が、保育園生活あと一年という来年度、保育認定を受けられずに、他の幼稚園へ転園させられそうになる事例が起きました。

  このお子さんの母親は、小学校五校で英語の臨時講師として働いているんですが、就労時間が規定に足りなくて、市からは、お子さんは一号認定になるので幼稚園へ転園だと申し渡されたわけであります。

  このお子さんは自閉症で、保育所に通い始めのころはなかなか言葉も発しなかったそうでありますけれども、この一年間の保育園の生活の中で、言葉を発するようになるなど、子供たちの集団の中で成長してきたわけです。やっと成長の兆しが見えた子供の環境を変えることは、子供の成長や発達にとってよくないということは言うまでもありません。

  認定を受けて、十月にそういうふうに言われたわけですが、この半年、お母さんは悩み、また奔走もし、何とか就労時間をふやすことで四月以降も通える見通しがようやく今週に入ってできたわけでありますけれども、このお母さんが言っておられましたのは、市の言うままに、泣く泣く転園させられるケースも多いのではないかということでありました。

  障害を持つ子供たちの成長、発達にとって、子供の集団生活の中で発達の機会が得られる大事な場所が保育所であります。ところが、保育の必要性の認定要件に、障害という項目はありません。この保育の必要性の認定要件に、子供自身の障害ということや、また、発達上課題を抱えている子もいるわけで、発達上の必要というものも加えるべきではないでしょうか。大臣、いかがですか。

○塩崎国務大臣 新制度では、国が定める保育の必要性の事由に照らしてみて、市町村が保育の利用を希望する保護者を認定する仕組みになるわけでございます。

  子供が障害を持っていることのみをもって保育の必要性があるとすることについては、子ども・子育て会議の中でもさまざまな議論が行われたわけでございまして、虐待のおそれのような、日中、子供が家庭にいることが適当でないようなケースとは事情が異なることなどを踏まえて、国が定める保育の必要性の事由として明示的には盛り込まなかったというところでございます。

○堀内(照)委員 私が伺ったこの方のお子さんの場合も、そうやって言葉が発せられるようになっただけではなくて、ちゃんと受け答えもできるようなそういう成長もありましたし、生活面でも、トイレに行けなかったものが行けるようになるとか、本当に子供たちの集団の中でそういう発達をしているわけなんですね。

  この集団の中でということと、それから保育所というのは、一日十時間前後、子供たちの集団生活があるわけです。集団ということとあわせて、生活の場での発達ということもあるわけで、これは療育の施設や幼稚園などにもない、保育所ならではのやはり大事な役割があるというふうに思うんですね。

  今、各自治体では、利用調整のところでは少し優先利用ということがあるわけですけれども、今大臣おっしゃったように、就労が前提で、それではこれだけ待機児童が多い中ではやはりとても入れないということになっているわけであります。障害を持つ子供の親ほど就労時間が短くなるということが多いわけでありまして、やはり基本的な要件のところでほかの人との差がついてしまって、なかなか入れない。既定の就労時間にも満たないと、そもそも認定そのものも受けられないわけであります。

  そうなると、特に三歳未満の障害児の場合は、療育施設の方も今、待機が多いわけですから、集団の中での育ちを保障する場がなくなってしまいます。せいぜい使えるのは一時預かり等でありまして、そのような細切れでは発達が保障されないわけであります。

  保育の必要性を今回認定するようになるということであれば、その認定事由の中に子供の障害や発達上の必要ということをぜひ明記すべきだと思うわけです。

  現行では、自治体の判断で、親の就労に関係なく障害児を受け入れている例が広がっております。この点では、新しい制度においても引き続き、その他市町村が定める事由の中で、障害について保育の必要を認定するという自治体の判断ができるということは確認しておきたいと思うんですが、大臣、いかがですか。

○塩崎国務大臣 先ほどお答えを申し上げたように、国が定める保育の必要性の事由の中に子供の障害を明示的には盛り込まなかったわけでございますけれども、一方で、議員御指摘のように、現行では、各市町村が独自の判断をして、子供が障害を持つことをもって保育所に入所させている場合もございまして、そのことについては承知をしているわけでございます。

  新制度においても、国が定める保育の必要性の事由の中に、市町村が認める事由に該当することを設けておって、制度の実施主体である市町村の判断によって、引き続き同様に取り扱うことを可能としているわけでございます。

○堀内(照)委員 市町村の判断で可能だということは確認をしておきたいと思いますし、ぜひ、そのことを周知もして、障害児にとっても必要な保育が保障されるように重ねて要望して、さらに幾つかただしたいと思います。

  地域型の保育事業には、障害児を受け入れると、児童二人に対して職員一人の配置が加算をされます。しかし、保育所の方は、主任保育士を補助する者に対する加算だけであります。これでは、障害児の受け入れを、保育所より地域型の小規模施設や家庭的保育へと誘導するものではないかと思います。なぜ地域型だけこのような加算になるのか、お答えください。

○安藤政府参考人 新制度におきまして新設されます地域型保育事業につきましては、障害児二人に対して保育士一人を配置できるように、障害児保育加算を公定価格に盛り込んだところでございます。

  一方で、保育所における障害児の受け入れ加算につきましては、平成十五年度から一般財源化して、地方交付税措置により対応しているところでございまして、新制度施行後においても、同じ形で引き続き対応していくということにしております。

  なお、新制度施行に伴いまして、消費税財源を活用して、質の改善として、保育所などにおきまして、障害児等の特別な支援が必要な子供を受け入れて、地域関係機関との連携や相談対応などを行う場合には、地域の療育支援を補助する者を配置する療育支援加算を公定価格に盛り込んでいるところでございます。

○堀内(照)委員 保育所に対しては一般財源で手当てもしているんだということでありますけれども、この十年、例えば人口十万人の自治体で、障害児保育事業費に係る基準財政需要額というのは八百二十万から八百三十万円で推移をし、そのうち一般財源化影響額というのは五百五十数万円と、ほとんどふえていないわけです。しかし、その一方で、保育所での障害児受け入れは、二〇〇五年三万一千二十六人から、二〇一三年五万三千三百二十二人と、子供はふえているのに、一般財源化される中で、実質、保育所には手当てがふえていないということであります。

  そして、地域型へと傾斜をしていく。その地域型での受け入れ体制はどうかといえば、先ほど確認したように、小規模事業所B型は保育士半分でいい、C型や家庭的保育では資格を持った保育士がいなくてもいいということになっているわけです。そのかわり、定められた研修を修了した者が子育て支援員として担い手となるわけですが、そうした施設で障害児を十分に受け入れることができるんだろうかと思うわけです。

  この子育て支援員の研修について、特に障害の研修というのはどのようになっているでしょうか。

○安藤政府参考人 お答え申し上げます。

  子育て支援員の研修カリキュラムでは、子育て支援員が障害児に対応するということを想定いたしまして、障害児支援制度の理解、障害特性に応じたかかわり方や専門機関との連携、障害児支援等の理解などを学ぶ科目を基本研修の中に位置づけまして、原則として、この研修の受講者全員に履修を求めているところでございます。

○堀内(照)委員 時間にしてどれぐらいでしょうか。

○安藤政府参考人 一時間でございます。

○堀内(照)委員 保育士というのは、大学や短大などで二年から四年の学業と実習の上に、国家試験を受けて得られる資格であります。それと比べても、障害についてわずか一時間の研修しか受けていない人が受け入れる施設で、障害児の発達保障という点で本当に十分なのか。いや、もっと言えば、安全を守るという点でも本当に大丈夫なのかと思うわけであります。

  障害を持つ子供の発達や安全をこれで本当に保障できるんでしょうか。大臣、いかがですか。

○塩崎国務大臣 子ども・子育て支援新制度におきまして、保護者からの利用申し込みを踏まえて、市町村が施設、事業における受け入れ体制等を考慮した上で利用調整を行うこととされているために、あらかじめ障害を有するとわかっている子供については、原則として、受け入れ体制のある施設、事業を利用していただくこととなると考えられるわけでございます。

  その上で、地域型の保育事業については、保育を行う際に、保育士、それから保育士と同等以上の知識及び経験を有する家庭的保育者のいずれかが必ず半数以上いることとしておりまして、また、障害児を受け入れた場合については、それに加えて職員の加算をとることができるため、手厚い対応が可能となっているわけでございます。

  なお、地域型の保育事業のうち、利用対象者を障害児などに限定している居宅訪問型保育事業については、障害児などを保育する場合には、必ず、障害児入所施設等を連携施設として設定することを求めるとともに、保育事業者の研修カリキュラムにおいても、障害等の専門研修を行うこととしておりまして、これらにより適切な受け入れがなされるものだというふうに考えているところでございます。

○堀内(照)委員 あらかじめ受け入れ体制がある施設というんですけれども、待機児童が多い中で果たしてそれが本当に保障されるのかということですし、家庭的保育者が保育士と同等だということなんですが、それはやはり全然違うと思うんですね。家庭的保育者というのは、市町村長が一定の研修を受けた者に対して認定をするということですけれども、そういう市町村長認定の者と同等ということであれば、この保育士の国家資格というものは一体何なのかという話になるわけであります。

  先ほど、保育の専門性ということも指摘をしましたけれども、親の就労という観点だけではなく、子供の発達という点でも、一日十時間前後を保育士という専門家がいる場所で生活をし、そして子供の集団の中で過ごすことが障害児の発達にとってどれほど大事なことなのか、また、保護者への相談支援という点でも、障害児を抱えた特有の悩みを持つ保護者の方々に対して、そうした知見を持った保育士がいるということがやはり非常に大事なことなんだというふうに思うわけであります。

  だからこそ、障害児についても保育の必要性をしっかり認定要件にも加えるし、資格を持った保育士が配置をされている認可保育所での障害児受け入れに伴う加配にこそしっかり加算をする、財政的な支援も強めるべきだと申し上げたいというふうに思います。

  そして、保育が必要な全ての子供が入所できる認可保育所の整備こそ求められているんだ、その保護者のニーズに応える整備へ国の責任をしっかり果たすということを最後に重ねて申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

  ありがとうございました。