国会論戦・提案

2017年04月12日

4月12日厚生労働委員会(午後の対政府質疑部分) 介護保険法案質疑

4月12日に行われた厚生労働委員会での介護保険法案の審議の対政府質疑部分は以下のとおりです。

 

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以下議事録です。

議事録 2017年4月12日 衆議院 第193回国会 厚生労働委員会(午後の対政府質疑部分)

○堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文です。
 先ほどに引き続いて質問させていただきます。
 冒頭に一言申し上げたいと思います。
 まだ審議がこの法案は尽くされていないということは、対総理質疑の中でも私冒頭に申し上げました。少なくとも今週については金曜まで見通しがありましたから、私たちはそこまで含めて準備をしておりました。私たちのあずかり知らぬ問題の影響を受けるというのは本当に理不尽だと思います。採決は、もちろん、もってのほかでありますが、そういう理不尽な理由によって言論の府で議員の質問権を奪うというようなことなどはくれぐれもないように、委員長や理事の皆さんに強く求めておきたいと思います。
 七日の続きで、最初にお伺いします。
 介護保険優先原則のもとで、障害を持つ方が六十五歳になると、介護保険の方に障害サービス相当のサービスがあれば介護保険の利用を優先させられることになっております。障害者の多くが要支援一、二であり、それらの方々は介護保険給付ではなく市町村実施の総合事業の利用となりますが、市町村の振り分けによっては無資格者が行う基準緩和型サービスに該当するということもあり得るのではないか、無資格者が行う基準緩和型サービスが障害サービス相当とみなされるかということを問いました。しかし、そのときははっきりいたしませんでした。
 改めて整理いただくようにお願いしましたけれども、いかがですか。
    〔委員長退席、とかしき委員長代理着席〕
○堀江政府参考人 お答え申し上げます。
 六十五歳以上の障害者について、介護保険優先となっておりまして、介護保険サービスにおいて障害福祉サービスに相当するサービスがあれば、その範囲で、障害福祉の給付を行わず、介護保険給付を行う仕組みであることは、今委員の御指摘のとおりでございます。
 障害福祉サービスは介護福祉士等の有資格者によって提供されております。議員御指摘の、介護予防・日常生活支援総合事業などにおきます緩和型サービスを障害者が利用する場合についても、原則、無資格者によるものについては、同等の質が担保されていないことから、障害福祉サービスに相当するサービスとはみなされないと考えてございます。
○堀内(照)委員 有資格者によるサービスの提供が原則だというのは当然だと思います。無資格者によるサービスの提供が有資格者による障害サービスと相当するはずがないわけであります。
 大臣、ここは当事者にとってみれば本当に切実で重要な問題であります。今の原則どおりにきちんと障害者へのサービスは有資格者が担う、その原則が貫かれるように、事務連絡なり通知を発出するなどして周知徹底が必要だと思いますけれども、いかがですか。
○塩崎国務大臣 前回、やや混乱をいたしたことを、まずおわび申し上げたいというふうに思います。
 先ほど部長の方から答弁を申し上げたとおり、厚労省としては、介護予防・日常生活支援総合事業における緩和した基準によるサービス、この扱いについてでありますが、障害者が利用する場合についても、原則、無資格者によるものについては、障害福祉サービスに相当するサービスとはみなされないと考えております。
 現時点では、無資格者が提供する緩和した基準によるサービスが障害福祉サービスに相当するかどうかの判断に迷う自治体があるとは承知をしておりませんけれども、しかし、前回の質疑も受けて、私どもとしても、国としての考え方を明確に示して、それを周知するということをやっていきたいというふうに思います。
○堀内(照)委員 無資格者というのは当然あり得ないですので、ぜひ徹底していただきたいと思います。
 この問題一つとっても、介護保険優先原則の矛盾というのは本当に深刻だと思います。
 障害者自立支援訴訟に係る基本合意では、「介護保険優先原則を廃止し、障害の特性を配慮した選択制等の導入をはかること。」と、明確に介護保険優先原則の廃止をうたっております。
 この法案は文字どおり介護保険優先原則の立場に立っているわけでありますけれども、これは基本合意に反するんじゃないでしょうか。
○塩崎国務大臣 現在私どもが持っている社会保障制度、これにつきましては、一つのサービスが公費負担制度でも社会保険制度でも提供されるときは、国民が互いに支え合うために保険料を支払ういわゆる社会保険制度のもとでそのサービスをまず御利用いただくという保険優先の考え方は、やはり私どもの社会保障制度における原則であるというふうに考えているところでございまして、このために、介護保険優先原則を見直すということは考えていないところでございます。
 なお、障害福祉制度と介護保険制度の関係については、社会保障審議会障害者部会においてもさまざまな御意見がありましたけれども、我が国の社会保障の基本からは、介護保険優先原則には一定の合理性があるというふうにされているものだというふうに理解をしているところでございます。
○堀内(照)委員 これも前回と全く同じ答弁なんですね。
 今も言いましたように、明確に「介護保険優先原則を廃止」と言っているわけなんですよね。これは約束を破ることになりませんか。破っていいんですか。
○堀江政府参考人 済みません、ちょっともう一回御質問いただけませんか。
○堀内(照)委員 基本合意では介護保険優先原則の廃止と明確にうたっています。
 今大臣いろいろ言われましたけれども、この法案は介護保険優先原則に立っているわけですから、この基本合意の約束を破ることにはなりませんかとお尋ねしました。
○堀江政府参考人 基本合意の趣旨を踏まえまして、昨年の障害者総合支援法の改正におきまして、介護保険の利用者負担の軽減措置につきまして、介護保険への移行に伴って新たな利用者負担が生じないように、六十五歳に至るまで相当の長期間にわたり障害福祉サービスを利用してきた方について、その対象としたものでございます。
○堀内(照)委員 趣旨を踏まえてといいながら、なかなかそこが変わらないわけでありまして、これは本当に、私は介護保険優先原則は廃止すべきだと強く改めて求めておきたいと思います。
 次に、我が事・丸ごと地域共生社会づくりにかかわって、専門人材のあり方について質問したいと思います。
 包括的な支援体制について、専門職の共用、兼務を進めるものではないとこの間答弁されております。
 もともと、新たな福祉サービスのシステム等のあり方検討プロジェクトチームがまとめたビジョンでは、人材確保についての考え方について、「一層人材の確保が難しくなる一方で、全世代・全対象型地域包括支援を確立するために、」という検討がされてきました。今回、それを具体化したものだと思います。
 結局、少ない人員で包括的に対応できる人材をつくるというのが目的だと私は指摘しなければならないと思うんです。
 前回の質疑で、地域の課題の受け皿、保育所等もなり得るということも確認させていただきました。コーディネーターの方を別に置くとしても、そういうところが一手にいろいろな課題を引き受けることになるわけであります。
 「「地域共生社会」の実現に向けて」の「当面の改革工程」では、「専門人材の機能強化・最大活用」として、対人支援を行う専門資格に共通の基礎課程創設の検討と明記もされております。これは、前回の質疑の中で、大臣も、六日の医師・看護師等の働き方ビジョン検討会報告書にも触れられておりましたが、そこでは、「複数の職種にまたがる業務を機動的かつ円滑に実施することができれば、地域の人的資源が最大限有効活用され、」「その複合的な課題に包括的に対応できることとなる。」とあります。まさに、限られた人員を有効活用するために複数の職種にまたがる業務を機動的、円滑に実施できるようにすると。これのどこが、専門職の兼務、共用でないと言えるんでしょうか。
○定塚政府参考人 お答え申し上げます。
 共通基礎課程の検討でございますけれども、先日来申し上げているように、我が事・丸ごとの包括的な支援をできる、また多様なキャリアパスをつくれるということで、例えば地域に潜在的な有資格者の方がいらっしゃるときに、別の資格の研修も受けやすいなどの効果があるというふうに考えております。
 こうした観点から、各資格を通じた基礎的な知識、素養を身につけた専門人材を養成していくということのために新たな共通基礎課程の検討を行うというものでございまして、こちらは、要員の兼職、兼用を進めて、一人に過度な負担を求めようとするものではございませんし、また、医療や福祉や介護サービス事業所などに勤務する場合には、直接処遇職員については、同じ時間帯において、兼務は原則禁止となっておりますので、一人の職員を、人員配置基準上、介護、医療両方の仕事に一遍に従事させることはできないということはもとよりでございます。
○堀内(照)委員 それぞれの分野で人材が今不足しているもとで、キャリアパスということも言われましたけれども、それで、確かに医療、介護は今禁止というのがありましたけれども、他の分野も含めて、一方では包括的な支援体制だということを言っているわけですから、兼務、共用というのを広げたのでは、私は、問題が解決しないばかりか、現場がより疲弊すると指摘しなければならないと思うんです。
 それで、日本医療労働組合連合会が二〇一六年介護施設夜勤実態調査というのを行っております。
 それによりますと、九割の職場で長時間労働を伴う二交代夜勤です。二交代夜勤のうち、七割弱で十六時間以上の夜勤になっている。また、二交代夜勤のうち、夜勤が月四回を超える職員は全体の四割で、年々悪化している。二交代の月四回ですから月八回に相当するわけです。仮眠室がない施設が四割にも上り、深夜の長時間を、まともな仮眠すらとれない中、働き続けているという状況であります。勤務終了から次の勤務までの間隔、インターバルが十二時間未満の施設も二割を大きく超え、これも前年調査よりも悪化しているという報告であります。一人夜勤の事例も依然として改善されていない。
 こうした深刻な夜勤の実態が、低賃金と相まって離職を促し、人員不足に拍車をかけ、労働実態がさらに深刻になるという負のスパイラルになっているという指摘がされております。
 介護の現場の困難を解決するためにも、施設等の人員の配置基準の見直しと抜本的な処遇改善なしには解決しないんだ、それぞれの分野でやはりそういう対応が必要だ、特に介護では、今申し上げたような、人員の配置基準の見直し、処遇改善、ぜひともこれは必要だと思うんですが、大臣、いかがですか。
    〔とかしき委員長代理退席、委員長着席〕
○塩崎国務大臣 介護職員の待遇、処遇、働き方につきましては、特に処遇については、財源を確保しながら着実に行ってはきているわけでありますが、今年度は、ニッポン一億総活躍プランに基づいて、平成三十年度の介護報酬改定を待つことなく、技能や経験に応じて昇給する仕組みを構築して、月額平均一万円相当の処遇改善を行っているわけであります。
 また、平成三十年度の介護報酬改定に向けて、介護ロボットとかICTを活用して、介護の質を保ちながら効率的なサービス提供の推進、そして一番大事なのは、自立などにつながる、介護を受ける方の納得感の向上、そういったものをしっかりと進めるということに取り組むところでございまして、現場の負担軽減を実現しなければならないというふうに思っておりますが。
 どういう形で、今のように、インターバルの問題等々お話をいただきましたけれども、介護の現場の方々の働き方というのはいま一つまだはっきりしていないところがあって、今回、先ほどお話をいただいた新しい医療と働き方のビジョンの検討会の中で、医師の働き方の実態調査というのをやりましたが、前に申し上げたように、介護従事者に対する働き方の実態調査もやるべきだということを、やるつもりだということも申し上げたとおりでありまして、そのことが触れられているわけであります。地域あるいは年齢、職種などごとの働き方や、採用とか離職の状況とか離職の理由とか、いろいろなことをやはり調べて、あるべきビジョンの策定あるいは具体的対策に生かすべく、調査をしっかりやっていきたいというふうに思います。
 それを踏まえて、さらに働き方の改革をしていきたいというふうに思います。
○堀内(照)委員 調査を踏まえてということで、一言だけちょっと申し上げて終わりたいと思います。
 看護師のところではいわゆる指針があって、夜勤回数が制限されています、看護のところでですね。介護のところでもそういった指針がやはり必要だ、ぜひそのことも検討をお願いして、質問を終わります。