国会論戦・提案

2017年05月12日

 「医療の消費税ゼロに」 、 「医療機関脅しやめ 懇切丁寧の徹底を」 衆院厚労委 

 

 医療の消費税ゼロに 堀内氏「診療報酬は不十分」 衆院厚労委 

日本共産党の堀内照文議員は12日の衆院厚生労働委員会で、医療機関が消費税を自己負担せざるを得ない実態を示し、医療への「ゼロ税率」適用を求めました。

 保険診療は非課税で、利用者は消費税を支払う必要がないものの、医療機関は、医療機器の購入などで生じる消費税を自己負担しています。国は医療機関の消費税負担を補てんするため、診療報酬を調整して手当てするとしてきました。

 堀内氏は、診療報酬の改定によって、消費税導入時よりも報酬点数(額)が減っている項目があることを指摘。「診療報酬では消費税分は補てんされていない実態を認めるか」と迫りました。塩崎恭久厚労相は「課題があるから議論されている」と認めざるを得ませんでした。

 堀内氏は、診療報酬への上乗せは、患者負担増につながり、保険診療を非課税にしている政策的意味もなくなってしまう点を指摘。「この矛盾を解決するためには、仕入れにかかった消費税をきちんと還付する仕組みが必要だ」として、保険診療を消費税の課税対象にしてゼロ税率を適用するよう求めました。塩崎厚労相は「提案として聞き、どうするかは総合的に判断する」と答えました。

(しんぶん赤旗2017年5月15日より)

 

医療機関脅しやめよ 堀内氏 懇切丁寧の徹底を

日本共産党の堀内照文議員は12日の衆院厚生労働委員会で、厚労省地方厚生局による医療機関への指導で被指導者を怒鳴る、監査をちらつかせてどう喝するなどの高圧的対応についてただしました。

 厚労省の鈴木康裕保険局長は「指導大綱で『指導は保険診療の取り扱い、診療報酬の請求等に関する事項について周知徹底させることを主眼とし、懇切丁寧に行う』と定めている」と答弁。指導時に録音が認められなかった事例を紹介した堀内氏に、「指導をより理解するための録音は認められている」と答えました。

 堀内氏は、指導は懇切丁寧であるべきだとの趣旨を現場に徹底するよう要求。塩崎恭久厚労相は「ルールの周知徹底を図っていく」と述べました。

(しんぶん赤旗2017年5月17日より)

動画はこちら

 

議事録 厚生労働委員会 2017年5月12日

○堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文でございます。
 きょうは、大きく三点質問したいと思っています。
 熊本地震から一年余りがたちました。生活再建はまだまだこれからという状況だと思います。きょうの一点目は、被災した生活保護受給者にかかわる問題です。
 生活保護を受けておられる方が被災で失った家具、家電などの支給、これはどうなっているのかということをまずお答えいただきたいと思います。
○定塚政府参考人 お答え申し上げます。
 生活保護受給者の方も含め、被災者に対しては、災害直後から、災害救助法に基づきまして、日常生活を営むのに最小限必要な被服、寝具、その他生活必需品を速やかに支給されると承知をしております。
 生活保護制度につきましては、他法他施策が優先となっておりますので、災害救助法が発動されない場合に、生活保護費の一時扶助費として、最低生活に必要な家具什器の購入費用を支給できるという取り扱いとなっております。
 また、これらの措置での対応を超える家具等の購入費用につきましては、義援金や都道府県社会福祉協議会からの生活福祉資金の貸し付けを活用いただくことになりますが、生活保護制度におきましては、義援金が家具、家電の購入費用など生活の再建に充てられる場合、こうした場合は収入として認定せず、保護費に加えて手元に残る取り扱いとしております。
 また、生活福祉資金の貸し付けの償還の場合に、償還に充てる収入がある場合には、これを収入として認定せず、保護費が手元に残るようにしている、このような取り扱いでございます。
○堀内(照)委員 熊本では一部損壊の方が非常に多かったわけであります。
 それで、今いろいろありましたが、家具什器費の問題を資料の一枚目でつけておきました。
 一枚目の右側、ちょっと下線を引いたんですが、災害に遭って、災害救助法が発動されない場合は支給される。だから、された場合は、この適用はされないんですよね。ただ、転居の場合というのがありまして、全半壊で仮設なんかに入る場合は転居に当たりますので支給されるんですが、今言いましたように、熊本は一部損壊が非常に多かったわけです。
 それから、今、義援金というお話もありました。熊本では、一部損壊の方々に義援金が配分されたのはことしの三月、三万円なんです。被災から十一カ月たって、ようやくでありました。一番必要だった被災直後には全くありませんでした。
 それで、さらには、今、生活福祉の貸し付けがあるんだということでありましたが、我が党に相談いただいた方も、そうやって行政からは案内されて貸し付けを受けているんですが、間もなく、借りてから一年になりますので、返済が迫ってきます。
 今、収入がある場合は、返済分は収入と認定しないということですが、保護費のみの場合は、毎月、生活保護の保護費から返済しなければならない。四、五千円ぐらいになると思うんです。少ない保護費の中から四、五千円となれば、一週間の食費にも匹敵しかねないんだと思います。
 最低限の生活を保障するこの保護費を減額すれば、これは最低保障にすらならないと思うんです。そうならないためにも、いつどれだけ配分されるのかわからない義援金に、もう実質上頼っていることになっていますので、そうではなくて、やはり生活保護での支給のあり方を見直すべきじゃないかと思うんですが、大臣、いかがですか。
○塩崎国務大臣 先ほど局長から答弁をいたしましたが、被災者に対しては、災害救助法、これに基づく生活必需品の支給、それから生活保護制度による最低生活に必要な物品の購入に必要な費用に対する一時金の支給、これが行われるということが、優先するという話が先ほどあったと思います。
 こうした制度の対象にならないものの買いかえにかかる費用、これについて、毎月の生活扶助費とは別に、保護費から一時金として支給することについて、これについては、これらの需要は一般世帯においても発生をすることであります。そして、生活保護受給者にのみ、これらを仮に支給するとすれば、一般の低所得世帯との均衡の観点から、これは慎重な検討が必要になってくるというふうに考えています。
 一方で、災害救助法や生活保護制度の対象とならない家具などの購入費用については、義援金は遅いという話がありましたが、義援金や都道府県の社会福祉協議会からの生活福祉資金の貸し付け、これを活用いただくことになりますけれども、生活保護制度においては、義援金や生活福祉資金の貸し付けの償還に充てる収入がある場合は、原則としてこれを収入として認定しない、そして、保護費がその結果、手元に残るようにしておる扱いにしているわけでございます。
○堀内(照)委員 それはもう今答弁いただいて、私が言ったとおりでありまして、保護費しか収入がない人にとったら減額になるんですよ。これは本当にそんなことでいいのかと思うんですね。これは生活保護の制度できちっとカバーすべきだ、この見直しを求めたいと思います。ありますか、一言。ぜひお願いします。
 続いて、大きな二つ目の問題で、医療機関などへの指導の問題についてであります。
 全国で、医療機関などへの厚生労働省からの指導について、非常に高圧的だという声を聞きます。指導をめぐって若い医師が自殺するということも何例か私も聞いております。この指導は、そもそも何のために行われるものなのかと思うんです。指導大綱というのがあると思うんですが、そこでは指導の方法についてどう定められているでしょうか。
○鈴木政府参考人 保険医療機関等に対する個別指導についてお尋ねがございました。
 これにつきましては、保険診療や診療報酬請求に関するルールについて周知徹底することを主眼といたしまして、地方厚生局が、カルテなどに基づき、懇切丁寧に指導を行うということとしております。
 また、指導に当たりましては、学識経験者に現場での立ち会いをいただきまして、公正かつ適正な実施を図っているというところでございます。
○堀内(照)委員 今もありましたように、診療の取り扱い、報酬請求などの周知徹底のためであって、もう一方、監査というのもあると思うんですが、いわゆる療養の給付や報酬の請求が適正であるかどうかを出頭命令や立入検査などを通じて確かめる、そういう監査とは違うんだということだと思います。
 現場からは、大変威圧的な態度だったとか、急に大声で威圧して机をたたくとか、カルテを見るや否や被指導者をどなったですとか、人格を否定される発言があったですとか、監査をちらつかせて恫喝するといった実態があると聞いています。
 監査であっても、もちろん恫喝などは許されないと私は思いますが、ましてや指導は、あくまで主眼は、今もありましたように、保険診療の取り扱いや報酬請求の周知徹底、そのために懇切丁寧に、教育的にいわば行うものだと思うんです。
 この点で一つ確認したいんですが、指導の内容をより理解するために、後で聞き直せるように、録音というのが認められていると思うんですが。
○鈴木政府参考人 個別指導の録音についてお尋ねでございます。
 これは、御指摘のように、保険医等自身による確認を目的とする場合に限りまして、指導内容の録音を認めておりますが、録音をする際には、その録音内容に患者さんのプライバシーが入っていることがございますので、他人の方に聞かせる等、保険医等の守秘義務に反する目的では使用ができないというふうにお伝えをしております。
○堀内(照)委員 それから、集団的個別指導の選定基準、高点数ということになっているんですが、高点数だから悪いのかと私は思うんです。必要な医療を提供した結果、高点数になるということはあり得るわけであって、高点数だから悪い、何かそんな認識なのかと思うわけですね。この高点数を選定基準にすることをやはりやめるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○鈴木政府参考人 集団的個別指導の選定基準についてお尋ねがございました。
 これにつきましては、対象となる保険医療機関の選定に当たって、中医協の議論を踏まえて、恣意的にならないように公平で客観的な指標として、診療報酬明細書、いわゆるレセプトの一件当たりの平均点数が高いことを基準にしております。
 ただし、その際、医療機関によって特性が異なりますので、例えば病院の種別、例えば一般病院、精神病院等々でございます、それから、診療所の診療科目、内科、外科、小児科等々でございますが、一定の類型区分ごとに選定をすることとしております。
 このような基準については、これまで関係団体等からさまざまな御指摘をいただいておりますので、今後丁寧な指導を実施するために、今後とも、さまざまな御意見を十分お聞きしながら、必要な見直しについて検討してまいりたいというふうに思います。
○堀内(照)委員 恣意的にならないようにというんですが、診療内容に基づかない、高点数のみを理由にして選定するということは、やはり合理性はないと私は思うんです。これは萎縮診療につながるという指摘も現場であります。高点数にならないようにということで、必要な医療をむしろ抑制されるようなことがあってはならないと私は思うんです。改めて、これは今、今後の検討ということもありましたので、やめるべきだということを指摘しておきたいと思うんです。
 それから、指導にせよ監査にせよ、今も少しありました、学識経験者の立ち会いが認められていることになっています。それはどういう趣旨なのかということをお答えいただきたいと思います。
○鈴木政府参考人 指導、監査について、学識経験者の立ち会いについてお尋ねがございました。
 これは、保険医療機関等への個別指導、監査を実施する際に、健康保険法に基づきまして、診療または調剤に関する学識経験者が立ち会うということでございますけれども、この趣旨は、保険診療のルールや診療の実態を熟知した立場から、診療の実態に照らして、二つございますが、一つは、行政の指導が妥当、適切に実施されているか、つまり、行き過ぎた指導になっていないかということでございます。それから、保険医療機関の指導内容が医学的に適切であるか、こういう観点に基づいて発言をしていただきまして、指導の公平性を担保するということでございます。
○堀内(照)委員 ですから、監査であっても立ち会いを認めて公平性の担保に努めようということになっているわけでありまして、改めて、監査とは違う指導ということであれば、なおさら教育的、丁寧でなければならないと思うんです。
 大臣に、この点、改めて確認したいと思います。
 監査と指導はやはりこういう点で違うんだ、指導というのは、あくまで保険診療や報酬請求についての周知徹底が主眼であって、懇切丁寧に行われるべきであるんだ、監査とは違うという、この点を確認していただきたいのと、先ほど録音ということを確認しましたが、現場では認められないという事例も聞いております。そういうことも含めて、指導はこうあるべきだ、懇切丁寧であるべきだという趣旨が現場に徹底されるように大臣に求めたいと思うんです。二点、お願いします。
○塩崎国務大臣 先ほど来局長の方から、個別指導とは何たるかということを御答弁申し上げてまいっておりますけれども、繰り返すことになりますが、個別指導というのは、保険診療や診療報酬の請求に関するルールについて周知徹底をする、これが主眼であって、あくまでもこれは懇切丁寧に行わなければならないものだということでございます。
 また、個別指導を実施する際には、健康保険法に基づいて、診療または調剤に関する学識経験者が立ち会うこととし、指導の公平性を担保しているということでございます。
 録音については、先ほどお話し申し上げたとおり、指導内容の保険医等自身による確認を目的とする場合に限って許されるということで、もちろんプライバシーの問題には留意をしながら、こういうことでございました。
 ということで、これまでも公正公平かつ丁寧な指導を実施してきている、そういう姿勢でまいっておりますけれども、個別指導の趣旨などについて周知徹底を図りつつ、引き続き、原点に立ち返って、懇切丁寧な指導というものに努めていかなければならないというふうに思っております。
○堀内(照)委員 さまざまな事例を聞いておりますので、ぜひ、この点、趣旨がきちんと貫かれるように徹底をお願いしたいと思っています。この問題は、今後も注視をしていきたいと思っております。
 きょう、三点目に伺いたいのは、医療機関の消費税の問題、医療機関側にとってはいわゆる損税になっているという問題であります。
 保険診療は非課税であり、医療機関での患者の支払いには消費税は含まれません。しかし、医療機関がさまざまに仕入れをする際などは消費税を負担しているわけであります。その部分は控除されず、医療機関の持ち出しになっています。
 まず、この点で国の対応を確認したいと思います。
○鈴木政府参考人 医療機関における控除対象外消費税の扱いについて御質問ございました。
 御指摘のように、社会保険診療は非課税でございますので、課税仕入れが仕入れ税控除の対象とはならないということでございます。したがって、仕入れに係る消費税相当額を診療報酬に上乗せするという形で補填をしております。
 具体的には、過去の消費税を導入したとき、それから引き上げをした場合、医療機関の仕入れ費用の増加を勘案いたしまして、平成元年の三%への対応の場合には診療報酬を〇・七六%引き上げ、平成九年の五%への消費税の引き上げの場合には診療報酬を〇・七七%引き上げ、それから、平成二十六年の消費税八%への引き上げのときには診療報酬を一・三六%引き上げという対応をしております。
○堀内(照)委員 この間、消費税の導入時にも、五%、八%へのそれぞれ引き上げのときにも、診療報酬に要は上乗せをするということだったと思います。
 しかし、ちょっと分けて考えたいと思うんです。導入時と五%のときの上乗せ、このときはそういう経緯がありましたけれども、その後の繰り返しの改定で、点数そのものが下げられたり、項目自体がなくなったり、あるいは包括化されたりということで、消費税分、必ずしも補填しているとは言えない現状があるんじゃないでしょうか。
○鈴木政府参考人 消費税導入、それから五%引き上げ時の診療報酬の対応についてお尋ねがございました。
 御指摘がございましたように、この二つの機会の際には、消費税が主にかかると思われる項目に診療報酬を上乗せいたしました。その際、医療機関の仕入れ費用の増加等を勘案して引き上げを行っているということでございまして、それを踏まえて、中医協においての議論を踏まえて、適切に方式を算出していったということでございます。
 その後、累次の点数の新設、それから引き上げ、引き下げ等がございましたけれども、点数の包括化、統合等でなくなっている品目があるのではないかという御指摘でございますが、これは、全体として、仕入れに係る消費税を含めた費用を実態調査で把握した上で改定を行っておりますので、必要な報酬対応はしているのではないかというふうに考えております。
○堀内(照)委員 資料の二枚目に、日本医師会の資料から私の事務所の方で作成した表、特に、平成元年、導入時、上乗せをした項目について、現在の点数がどうなっているのかということで比較をしております。
 包括化等々、いわば明確に区分はできなくなったけれども、全体としては入っているんだという答弁だったと思うんですが、血液化学検査、五項目以上七項目以下は、五点上乗せして百九十五点だったのが、今、九十三点です。同じく、その検査の八項目または九項目は、五点プラスして二百四十五点だったのが九十九点に下がっているわけです。以下以下、同じように五点プラスして三十五点になっているのが十五点。四十点、五十点になっているのが十六点ということで、明確に下がっているのもあるわけなんですよね。これを今全体としてはとおっしゃいましたけれども、補填されていないという実態もあるんじゃないですか。
○鈴木政府参考人 お示ししていただいた資料でございますけれども、全体としては、やはり診療報酬の中で包括化が進んだり、改定ごとに報酬が下がっているものがございますので、全体として、きちっと高所大所から消費税が補填されているということであれば、個別の項目というよりも、むしろ全体として見るべきではないかというふうに考えております。
○堀内(照)委員 私は、全体として含まれているというふうにはとても言えないんだと思うんですね。
 それは、今の分けてということは、導入時と五%のときの上乗せ分と、それから八%のときの上乗せとちょっと分けて議論したいと言ったのは、八%の増税の際、今、導入時と五%への対応の、項目ごとの上乗せと違ったやり方をしているんだと思うんです。そのとき、なぜ従来の項目に上乗せするやり方を変えたのか、どんな議論があったのか、ちょっと、それをぜひ、お答えいただきたいと思うんです。
○鈴木政府参考人 御指摘のように、消費税導入時それから五%への引き上げ時と、それから八%への引き上げ時というのは、診療報酬への乗せ方が違っていたということでございます。
 これは、五%それから消費税導入のときには、先ほど申し上げたように、消費税が多くかかる項目に乗せておりましたし、八%のときには、基本診療料等に乗せております。
 これは、実は平成二十六年度の診療報酬改定につきましては、医療機関等における消費税負担に関する分科会というのを設置いたしまして、検討を行いました。その中での議論でございますけれども、平成元年、九年のような、限られた項目に配分する方法は透明性、公平性に欠けるのではないか、それからもう一つは、後の診療報酬改定でどこに補填したかが見えにくくなり、例えば基本診療料に加算として一括して補填するのが望ましいのではないかというような御意見がございましたので、こういう議論を踏まえまして、中医協において議論を行った結果、全ての方から納得が得られるような個別項目への上乗せというのは現実的になかなか難しい、それから、可能な限りわかりやすい形で上乗せすることを重視すべきであって、そのためには、基本診療料等に上乗せすることを中心に対応することが、現時点でとり得る、当時の時点でございますけれども、最善の策であるということでございましたので、方式を変えたということでございます。
○堀内(照)委員 見えなくなっている、区別ができないという透明性ということだけではなくて、公平性にも欠けるという指摘がやはりあったわけなんですね。それで、八%への増税のときには、今ありましたように、従来の項目に乗せるのではなくて、基本診療のところに乗せていくというやり方に変えたわけであります。つまり、五%分までの対応というのは、そういう意味では、やはり適切に上乗せができていないということを厚労省自身が認めているんだと私は思うんです。
 その上で、三%分を乗せた八%への対応、その部分はどうなのかを見たいと思うんです。これは、厚労省自身が調査、把握をされていると思います。消費税率八%に引き上げに伴う補填状況の把握結果についてというのがあると思うんですが、そこで明らかにされています。
 幾つかちょっと伺いたいんですが、一つは全体の補填率、二つ目は病院で、病院のうち、一般病院及び特定機能病院の補填率、それから三点目には診療所で、診療所のうち、医療法人その他の補填率、それぞれお答えいただきたいと思います。
○鈴木政府参考人 消費税八%引き上げ時の診療報酬における補填率についてお尋ねがございました。
 平成二十七年十一月に行った調査によりますれば、今お尋ねの医療機関全体の補填率でございます、これが一〇二・〇七%。それから、そのうち一般病院につきましては一〇一・二五%。特定機能病院、これは大学病院等を中心にするものでございますが、これが九八・〇九%。最後に、医療法人立の診療所、これについては九四・七一%というふうになっております。
○堀内(照)委員 今答えていただきました八%のときの補填、全体では一〇二・〇七%で、カバーされているように見えるんですが、これは資料の三枚目に、あとの二つ、今、二項目お答えいただいた、病院の問題と一般診療所の問題の表をつけておきましたが、病院の中でも、一般病院に比べて、特定機能病院になれば一〇〇%を割ってしまう、十分補填できていないという状況です。一般診療所で見れば、個人立よりも医療法人その他の方が、やはりなかなかしんどいということなんだと思います。つまり、規模が大きくなれば、それだけなかなか補填されないという実態なんだと思います。
 兵庫県の民間病院協会が、これはちょっと古いんですけれども、五%時に、二〇〇八年にアンケートを行っておりまして、それでは、一病院当たり年間三千万円もの消費税負担、年間一億円以上負担している医療機関が九件あったんだということであります。その後の八%への増税時の診療報酬での上乗せは、増税三%分への対応なわけでありますから、五%部分までのこうした負担の重さというのは、今も基本的には変わっていないんだと思います。
 八%への増税への対応も、今お示しいただきましたように、大きな病院であればあるほど補填率が低いということを考えれば、さらにこの負担が重たいものになっているということは容易に想像できるんだと思います。あるドクターにお話を伺いましたら、本当にこれが一〇%なんかになったら廃業せざるを得ない病院が出るんじゃないかという大変な懸念、危機感でありました。
 こうした問題は、与党税調でも、医療に係る消費税のあり方について、高額な設備投資にかかる負担が大きい、こういう指摘等も踏まえ、総合的に検討とされているように、必ずしも消費税の分は診療報酬で補填されていないという実態があるんだと思うんですが、大臣に伺いたいと思います。
 この診療報酬上乗せというやり方で、消費税分、十分補填されていないというこの現実、これ自体はお認めになられるでしょうか。
○塩崎国務大臣 これは長い経緯のある話で、最初の選択がこういうことに、いろいろな御指摘をいただくようなことになっているわけでありますけれども、消費税の導入、税率引き上げ、これに際しては、医療機関の仕入れ費用の増加などを勘案して、それぞれの時点で適切と考えられる水準で診療報酬の引き上げによる対応を行ってきたということを先ほど来局長から答弁をしてまいりました。
 消費税導入時と五%引き上げ時における診療報酬による補填状況の把握は行っていないわけでありますけれども、八%へ消費税引き上げに伴う補填状況の把握を、今数字を申し上げたところでございますけれども、五%から八%への三%の増税分について、診療報酬改定による対応によって、ミクロについて今お話がありましたが、マクロではおおむね補填をされているということが確認をされているけれども、医療機関の類型に応じて補填状況にばらつきがあって、これをどう考えるのか、こういうことになっているわけでございます。
 医療に係る消費税の税制のあり方については、今、税制改正大綱を引用いただきましたけれども、まさに、消費税が一〇%に引き上げられるまでに、医療機関の仕入れ税額の負担及び患者等の負担に十分に配慮をし、関係者の負担の公平性、透明性、これを確保しつつ抜本的な解決に向けて適切な措置を講ずることができるよう、実態の正確な把握を行いつつ、医療保険制度における手当てのあり方の検討等にあわせて、医療関係者、保険者等の意見、特に、今御指摘をいただいたように、高額な設備投資にかかる負担が大きいとの指摘等も踏まえて総合的に検討し、結論を得ること、こういうことになっていまして、今、かなりいろいろ配慮事項が並んでいるわけでありまして、こういったことに十分留意をしながら答えを出していかなければならないということでございますし、よりよい方法は何なのかということを検討していかなければならないというふうに考えてございます。
○堀内(照)委員 簡単に言えば、マクロでは大まかには補填されているけれども、ミクロで見ればいろいろ問題もあるんだと。ただ、私は、マクロで見ても、少なくとも五%部分までのところでは本当に補填されているのかな、こう言わなければならないと思うんです。そういう意味では、大臣自身も課題はあるという認識だということでいいですか。
○塩崎国務大臣 先ほど申し上げたように、長い経緯があって課題があるから、経緯があっていろいろな議論がなされているわけで、なかなか一筋縄ではいかない問題だからこそ、今かなり長い引用を私の方からも大綱からいたしましたが、そこには、考慮しなきゃいけない事項がたくさん並んでいます。
 何が本当に医療機関にとっても、そして患者さんにとっても、そして、これは保険方式の助け合いの仕組みでございますので、それぞれ国民にとって何が本当に負担としてもいいのかということをよく考えながら、その課題を解決していかなければならないというふうに考えております。
○堀内(照)委員 その負担のあり方なんですが、診療報酬へ上乗せするということは、私、別の意味でも問題だと思っています。
 医療が非課税なのは、所得の大小にかかわらず医療にかかる必要があるために、社会政策的な配慮から非課税になっているんだと承知しております。しかし、診療報酬に消費税分を上乗せすると、結局、患者への負担増になってしまう。これでは非課税にしている政策的な意味合いがなくなってしまうんだと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
○塩崎国務大臣 診療報酬での対応をしてきたわけでございますけれども、これについては、診療報酬に対する定率の患者負担が発生をする、そういう意味で、この方式による国民負担というのがあるということであるわけでありますが、消費税分全てを患者負担とする場合と比べれば、診療報酬の財源は、定率の患者負担のほか、広く個人や企業が負担する税、そして保険料で賄われているわけでございますので、負担は軽減をされているとも考えられるわけであります。
 さらに、診療報酬による補填というのは、医療機関の負担する総費用のうち、人件費等の非課税仕入れを除いた課税仕入れ部分への対応にとどまるために、一般的な課税取引と比べれば、患者負担は軽減をされていると考えられるものだと思います。
○堀内(照)委員 さまざまにおっしゃいましたけれども、しかし実際、上乗せをしているわけでありますから、これはもともと患者負担に乗せないために非課税にしているのに、その幾分かであっても患者負担にしているということでは、政策的な意味合いを、なくすとは言わないまでも、減らす、軽減する、その意味合いを減じてしまうようなものじゃないかと思うんですね。
 これらの矛盾を解決するには、仕入れにかかった消費税をきちんと還付する仕組みがやはり必要なんだと思います。そのためには、保険診療を消費税の課税対象にしてゼロ税率を適用する、これが一番すっきりするんじゃないかと思うんですが、大臣の所見を伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 大綱でどう書かれているかは、もう先ほど申し上げたので、改めて申し上げませんけれども、最近とみに指摘をされているのは、特に高額な設備投資にかかる負担が大きい、そういう指摘が、特に病院の大きいところについてこの負担が重くなるということで、そういうことも踏まえながら、総合的に今検討して、結論を得るということになっているわけであります。
 仕入れ税額控除を可能とするために、医療を課税化した上でゼロ税率を適用してはどうかという提案でございます。これは、いろいろなところからも、他にももちろんこういう御主張をされる方がおられるわけでありまして、私どももそれは認識しているわけでありますが、それについては、まず第一に、消費税の軽減税率については極めて限定的な取り扱いとなっていること、それから、仮に行う場合には、国、地方にとって多額の税収減、これが発生をするということになりまして、医療を含む社会保障の必要財源の確保をでは一体どうするのかということについて考えなければいけない、こういったような課題があるわけでございます。
 提案としてはお聞きをするところでございますが、どうするかということは、先ほど申し上げたように、総合的に判断をしていかなければいけない、かなりいろいろな考慮要素のある問題であるというふうに思っておりますが、大事な問題であるということも、そのとおりでございます。
○堀内(照)委員 財源をどこから引っ張ってくるのかというのは、もう言い出したら、立場が違うのであれですが、大企業、富裕層からもっと課税できるところがあるじゃないかとか、いろいろ私たちとしても意見はあるわけであります。事務負担の問題をどう考えるかとか、その合意をどう図るのかとか、また、医療界からも別の角度からの提案も出されているところだと思います。さまざまな議論や課題があると思います。
 いずれにしても、事実上の損税になるような現状をどう解決するのか。それは、診療報酬の世界で解決する限り、いろいろな矛盾がつきまといますので、やはり税の世界で解決を図るということが求められているんだと思います。そのことを求めて、少しありますけれども、質問を終わります。
 ありがとうございます。