国会論戦・提案

地方裁量型仕組み見直せ 衆院委で堀内議員 認定こども園 国の責任追及

日本共産党の堀内照文議員は19日の衆院厚労委員会で、定員超過などの法令違反が発覚し、認定が取り消された兵庫県姫路市の認定こども園「わんずまざー保育園」の事例をとりあげ、国の責任をただしました。

 同園は、都道府県の独自基準で運営される「地方裁量型」の認定こども園。国の保育基準は参酌基準とされており全国に60園ありますが、その1割が姫路市に集中しています。

 堀内氏は、子ども・子育て支援法では、認定こども園への施設給付は「法人」に限られているのに、同保育園は「個人立」だったと指摘。同園が子ども・子育て新制度実施(2015年4月)直前の同年3月1日に駆け込みで認定されたためだとして、「質の確保が十分でないまま、受け皿づくりを急いだといわざるをえない」とただしました。

 内閣府の中島誠子ども・子育て本部審議官は「兵庫県が適正な判断をした」などと答弁。堀内氏は、個人立の認定こども園について「国の責任で実態を把握して、問題があれば早急に是正させる必要がある」と強調し、地方裁量型の仕組み自体を見直すべきだと指摘しました。

(しんぶん赤旗 2017年4月21日より)

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議事録 2017年4月19日 衆議院 厚生労働委員会

○堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文です。
 きょうは、認定こども園の問題について、内閣府にもお越しいただきまして、質問したいと思います。
 兵庫県姫路市の認定こども園わんずまざー保育園が、市の利用調整を経ない私的契約児を受け入れるなどの法令違反で、施設給付の対象である特定教育・保育施設の確認取り消しになりました。子ども・子育て新制度が始まって以来、初めての認定取り消しと報道されました。四十数人分の食事を七十人ほどで分ける給食の写真がショッキングに報道もされました。
 処分した姫路市の取り消しの文書を見ますと、私的契約児の受け入れ、つまりこれは定員超過になるわけですから、面積基準や保育士の配置の基準に満たないということになります。保育士の架空配置、架空勤務、施設長の勤務実態、不適切な給食の提供、無届け業務、利用者負担の虚偽、不正な会計管理など、実に十二項目にも及ぶ法令違反が並んでおります。
 現時点で国が把握している内容と、それからこれまでの国の対応、今後の対応についてまずお聞かせいただきたいと思います。
○中島政府参考人 委員御指摘のわんずまざー保育園の認定取り消し事案につきましては、現時点で、私ども、兵庫県及び姫路市の方から、まず、わんずまざー保育園の認定の取り消し処分を県、姫路市がそれぞれ行ったということ、それから、これまでわんずまざー保育園に対してどのような監査をしてきたのかということ、それから三点目は、在園児の方々及び今委員御指摘の私的契約児の方々の四月以降の状況がどうなっているのかということ、そして最近でございますけれども、この保育園が事業運営の休止の届け出を出されたということについて情報をいただいているところでございます。
 国といたしましては、こうした残念な事案でございますけれども、在園しておられる園児の皆さん方の今後の処遇については、お子さんたち、親御さんたちが困ることにならないよう、しっかりした適切な対応をとってほしいということは兵庫県及び姫路市にお願いをしてきたところでございます。
○堀内(照)委員 情報をいただいているということなんですが、私は、これはもっと国が危機感を持って乗り込んで、一緒になってやはり事に当たるべきだと思うんですね。
 ゼロ歳児だけで十人の一時預かりを一人で見ることがあった、こんな保育士の証言もあります。事故がなかったというのが本当に不思議なぐらいです。それから、二歳の次男を通わせていた母親は、何でこの子だけ体重がふえないのか気になっていたと。既に子供の発達に重大な影響を及ぼしているわけであります。
 この施設は基本的には認可外施設ですから、厚労省自身も含めて、国にそういう立場で臨んでいただきたいということをまず冒頭に申し上げて、以下、具体的にちょっとお尋ねしたいと思います。
 今もありました、まずやはり守られるべきは子供だと思います。正規で通っていた四十六人については転園先の確保などの対応がありました。しかし、私的契約の二十二人については四月以降の利用調整ということになりました。二月末の特別監査以降、翌日から行けなくなったわけですから、今の在園児に対して適切な対応をということで答弁がありましたけれども、実際には事実上放置された。聞きましたら、保護者説明会にも呼ばれなかったと言われております。当然親は就労中で、どこにも預けられない。本当に、どうしたんだろうかと思うわけであります。これは私的契約とはいえ、市町村が実施の義務を負う保育の必要のある子供たちであります。不正を見抜けなかった行政の側の責任もあるわけであります。
 これは原則問題として確認させていただきたいんですが、保育の必要性があると認められるような子供であれば市町村には保育の実施義務が当然あるわけであります。今回のようなケースで、私的契約か否かの区別なく直ちに、つまり二月末の監査が入って翌日行き場がなくなる、直ちに転園先を確保する、これは市、行政としては当然の責任だと思うんですが、いかがですか。
○中島政府参考人 在園児の方、それからいわゆる私的契約をしておられた方々の直近の状況を姫路市からお伺いいたしましたら、在園児の方については、保護者の方の意向を踏まえて、ほかの施設等への利用調整をしっかり行ったというふうに報告を受けております。
 また、私的契約児、委員が問題にされておられます二十二人の直近の状況につきましては、四月に私立の認定こども園等に入所済みの方が十人、五月以降に他の施設に申請される御予定の方が八人、申請を辞退された方が一名、それから五歳児クラスにおられた二人については卒園をされている、ただ、連絡をしておるけれども連絡がとれない方が一名残っておられる、こういう報告を姫路市から受けておるところでございます。
○堀内(照)委員 済みません。私が聞いたのは、四月以降、利用調整というのはわかっているんです。要は、二月末に監査が入った翌日から直ちに行けなくなった、その三月三十一日までの間、事実上行政からは放置されたというふうに訴えられているわけですよ。そういう方々についても、直ちに行政の責任で転園先を確保するというのが当然じゃないかとお尋ねしたんです。
○中島政府参考人 改めまして、委員が先ほどお話しいただきましたように、兵庫県さんそれから姫路市さんから直接お話を聞きたいと思ってございます。その中で、このような事案が発覚し、三月中にどのような対応をされたのかということも国としてはまずしっかり直接お伺いして、必要があればそのあり方等について見直しを行っていきたいと考えておるところでございます。
○堀内(照)委員 ある保護者は、入園が違法だったとは知らなかった、突然の退園通告に、保育料や給食代をきちんと払っていたのに見捨てられた、こう語っておられます。その思いの一方で、正規契約の方の中には、自分たちのせいで給食が減らされたと考える人もいるんじゃないか、こう思ってなかなか声が上げられなかった、こう言うんですね。だから、本当にここはやはり真剣に受けとめて対応すべきだと重ねて申し上げたいと思うんです。
 同園は、地方裁量型の認定こども園です。兵庫県の類型では、特定認可外施設型認定こども園となっております。厚労省が定める認可外保育施設指導監督基準に適合すれば県が特定認可外施設認定基準適合証というのを交付して、その適合証があれば認定こども園に認定できるという仕組みであります。それを受けて、市が給付対象となる特定教育・保育施設として確認をするということであります。つまり、認可外施設であるにもかかわらず認定となり、給付が受けられるということになっているわけであります。
 加えて、同園は個人立です。個人立の施設は認定こども園として施設給付を受けることができるのか、これを確認したいと思います。
○中島政府参考人 現行の認定こども園法におきましては、幼保連携型の認定こども園以外の認定こども園につきましては、設置主体に制限なく、個人立であっても認定を受けられるという形の仕組みになってございます。
○堀内(照)委員 済みません。質問の仕方がちょっと悪かったですね。地方裁量型のケースの場合、個人立は認められるのかということです。
○中島政府参考人 申しわけございません。
 認められます。
○堀内(照)委員 事前のレクチャーとまるで逆なんですが、法人格でないと無理だと私は伺ったんですけれども。
○中島政府参考人 委員、申しわけございません。正確にお伝えをいたします。
 認定こども園法で、認定を受ける際には個人立でも可能でございます。ただ、子ども・子育て支援法に基づく給付を受けるという限りにおいて、それは法人格を要するという仕組みになっておるということでございます。
○堀内(照)委員 私の質問は、施設給付を受けることができますかと最初聞いたんですよ。きちんと答えていただきたいと思います。
 ちょっとこれも確認したいんです。なぜ施設給付を受けられるのは法人に限ったのか、その理由もお聞かせいただけますか。
○中島政府参考人 施設等給付を受けるための施設につきましては、一定程度の規模を持って幼児教育、保育を提供していただくことを前提に、施設の安定的、継続的な運営を担保したいということで、法人格を条件としていると考えてございます。
○堀内(照)委員 安定的、継続的に保育を提供するために法人格が望ましいということなんですね。
 それでは、どうしてこの園は給付を受けられるようになっているのか、それもお聞かせください。
○中島政府参考人 子ども・子育て支援法が二十七年に施行された際に、附則の規定におきまして、その施行日の二十七年四月時点に既に存在している個人立につきましては、それまで安定的、継続的に運営されてきた実績があるということで、法人格を有しないままでも給付を受けることができるという、いわゆるみなし規定が法律上存在しております。それを受けて、この認定こども園は給付を受けておるということでございます。
○堀内(照)委員 今ありましたように、安定的、継続的に保育を提供するためには本来は法人格が望ましい、しかし、二十七年四月以前から個人立でやっている場合は実績ありとみなして、みなし確認ができるんだということであります。
 では、このわんずまざー保育園が認定こども園に認定されたのはいつでしょうか。
○中島政府参考人 二十七年三月一日に兵庫県の方から認定をされております。
○堀内(照)委員 ですから、これは新制度実施のわずか一カ月前なんですよ。実績があるからということが本当に言えるのかな。認定こども園に四月以降は認定できないわけですから、これは駆け込んだとしか私は思えないんですね。これは駆け込み認定と言えませんか。
○中島政府参考人 駆け込み認定の定義もあるかと思いますけれども、基本的には、兵庫県さんの方で適正な判断をなされたんじゃないかと考えてございます。
○堀内(照)委員 常識的に考えていただいたらいいんじゃないかと思うんですが、姫路市にはもう一つ個人立があります。こちらの認定日は、何と平成二十七年三月三十一日なんです。新制度の一日前ですよ。まさに駆け込みなんですよ。当該地域は待機児童が市内でも多い方で、受け皿づくりが求められていました。質の確保が十分でないまま受け皿づくりを急いだと言わなければならないと思うんです。
 全国に、このような個人立の認定こども園、特に地方裁量型で個人立のこども園というのは何園あるのか。そして、あれば国の責任で実態把握をして、問題があれば早急に是正させる、そういう必要があるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○中島政府参考人 二十八年四月一日時点で、個人立の認定こども園の数は二十一園でございます。うち、地方裁量型については八園ということでございます。
 それで、今委員御指摘の、早急に是正をしていく必要があるんじゃないかということでございまして、個人立だということだけをもってして直ちに幼児教育、保育の質というものが劣っているのではないかということを決めつけるのはなかなか難しいと思っておるところでございますけれども、いずれにせよ、監視、指導を地方自治体において適切に行っていただくということが肝要かと思っているところでございます。
○堀内(照)委員 私の言ったことを全然違うように解釈しないでいただきたいんですね。私は、まず実態を把握すべきだと言っているんです。
 地方裁量型は、基本的には無認可なんですよ。それで、今言われたように、法人格がふさわしいところを、しかし実績があるからと、みなし確認ができるというふうにしたわけですよ。それは国がしたんですよ。ところが、兵庫県では三月という直前に駆け込んでいる実態があるじゃないかと私は示したわけですよ。だから、全国にある個人立のところもしっかり国として把握すべきじゃないですか、把握して問題があれば早急に是正が必要じゃないか、こう言ったわけでありまして、これはやはりしっかりやるべきだと重ねて申し上げたいと思うんです。
 監査の問題です。監査も非常に問題であります。
 認定こども園の施設監査について、類型別に、その頻度、内容、どういう規定になっているかということを教えていただきたいと思います。
○中島政府参考人 監査につきましては、もう委員御承知のとおり、二種類ございます。
 いわゆる子ども・子育て支援法に基づく指導監査というものがございます。これにつきましては、その頻度等については通知で、定期的かつ計画的に実施してほしいということを申し上げているわけでございます。
 それから、もう一つの類型としての施設監査というものがございまして、これは、それぞれの認定こども園の類型ごとの設置の根拠法などに基づいて指導監査を行っていただきたいということでございます。
 これについては、まず幼保連携型の認定こども園については、原則一年に一度以上、児童福祉施設についての実施施設との均衡を考慮して、定期的かつ計画的にしていただきたい。幼稚園型認定こども園については、必要に応じ監査を行っていただきたい。保育所型認定こども園につきましては、通知におきまして、実地検査を年一回以上行うこととしていただきたい。地方裁量型認定こども園につきましては、認可外保育施設として立入調査を年一回以上行うことを原則としていただきたい。
 こういう形で、法律の根拠及び通知でお示ししておるところでございます。
○堀内(照)委員 わんずまざー保育園に対する姫路市の監査は、認定こども園としてスタートして以来、この二月までおよそ二年間行われてきませんでした。
 今、おおむね一年ということでありますが、私、きのうもレクチャーで、おおむね一年だけれども、二年近くないじゃないかと言うと、おおむねですからと。つまり、二十六年度は認定に際して立ち入りがされている、二十七年度はあいたけれども、二十八年度、二十九年二月ですけれども、二十八年度にやられているとおおむね一年になるかなみたいなことをちょっとおっしゃっていましたけれども、冒頭にも申し上げましたけれども、この問題の深刻さというのを当事者意識を持って受けとめておられるのかなと本当に思いました。
 報道でも明らかにされておりますが、昨年一月に、私的契約児を受け入れているのではないかとの情報が市に寄せられています。そのとき、園長に電話で確認するだけで終わっているわけであります。それから一年以上たって二月の初めに定期監査に入り、どうもおかしいと、二月の末に再度県と市が合同で特別監査に入って問題が発覚したわけであります。こういうことなんですね。
 幼保連携型施設だと、今も言われましたとおり、基本的には児童福祉施設のことを考慮してということでありますけれども、しかし、定期的かつ計画的にということで、定めがはっきりしないんですね。兵庫県は、この幼保連携型施設についてはおおむね四年に一回としているようであります。
 質の確保に向けて、認定審査や監査のあり方について、今回の姫路の事案を教訓にして、しっかり見直す必要があると私は思っております。
 ついては、国は、兵庫県、姫路市からの報告待ちではなくて、しっかり乗り出して、県や市と協力して調査と実態の把握にしっかりと努めるべきだと思うんですが、いかがですか。
○中島政府参考人 おっしゃるとおりかと考えてございます。
 本日御指摘いただいた、三月の時点でどのように対応されていたのかということも含めまして、兵庫県及び姫路市の担当職員の方に、我々がお伺いするのか、または来ていただくのかということを早急に実施いたしまして、国としても直接お話をお伺いして、見直すべき必要があれば、指導監査のあり方等について検討し、見直しをしたいと考えておるところでございます。
○堀内(照)委員 伺いましたら、これは本当に人的な余裕がないということも言われております。必要な人的支援を強めるということも含めて、これはしっかり検討いただきたいと思っております。
 給付についても少しお伺いしたいと思います。子ども・子育て支援新制度ができるまで、認可外保育施設に対して国から給付を行うようなことがあったのか、厚労省に伺いたいと思います。
○吉田政府参考人 お答えいたします。
 子ども・子育て支援新制度が施行されました平成二十七年度以前におきましても、その時点ではまだ制度化されておりませんが、制度化を目指して、認可保育所もしくは認定こども園への移行を希望する、かつ、認可保育所の設備及び職員配置に関する基準を満たす見込みのある認可外保育施設に対しましては、保育の質ということも考えまして、認可保育所への移行を促進するという観点から、運営に要する費用の補助、あるいは認可基準を満たすための必要な改修費などの補助を行っているところでございます。
    〔委員長退席、三ッ林委員長代理着席〕
○堀内(照)委員 だから、あくまで認可を目指すということ、その支援ということなんですよね、あった例でも。
 それで、施設型給付の公定価格についてなんですが、施設類型によっては差がありますか。
○中島政府参考人 認定こども園の四つの施設類型ごとに価格の差異は設けてございません。
○堀内(照)委員 ですから、認可外であっても、新制度のもとでは、一たび認定こども園となれば、認可を目指すということではなくても、認可園と全く同じ給付を受けることができるわけであります。
 私は、認可外に給付を出すのがだめだとは思いません。今もありましたように、必要な人員が配置されて、質の確保、向上に向かい、認可施設へ踏み出す支援というのは当然あるべきだと思うんですね。しかし、今の地方裁量型は、文字どおり地方の裁量に任せっ放しなんです。肝心の基準も、地方の条例に基づくものであります。これは国の基準を参酌するということにとどまっているわけであります。
 兵庫県の場合は、県の条例では、例えば調理室は必置とはあるんですけれども、一定の条件があればということで、ゼロから二歳児、乳児のところでも給食の外部搬入を可能としているんですね。ですから、今回、姫路のわんずまざー保育園は調理室がなかったわけでありますが、認定をされているわけであります。地方裁量型、全国六十施設のうち、一割の六施設が姫路市なんです。とにかく待機児童の解消をということで、この地方裁量型に着目したということも報道されております。
 私は、公費が入っている以上、地方任せではだめだと思うんです。質の確保という点からも、もっと国が責任を持つべきなんだと思います。
 認可外保育施設が認可外のままでも認定こども園に認定されるようなこの地方裁量型の仕組み自体、これはしっかり見直していくべきではありませんか。
○中島政府参考人 地方裁量型認定こども園のあり方について、今回の事案等を参考に、考えていく必要があるのかなとは思ってございます。
 しかし、いずれにせよ、施設類型にかかわらず、各施設がしっかり保育の質を担保していただいていることの指導監査をしっかりしていくということがまずは何よりも重要だと思ってございますので、今回の事案について、先ほど御答弁申し上げましたように、国としても、積極的に直接担当者にお会いして情報を把握し、必要に応じて、指導監査のあり方について見直しが必要であれば積極的にやっていきたいと考えておるところでございます。
○堀内(照)委員 指導監査というのは当然なんですけれども、私がきょう提起しましたのは、基準を地方任せにしたまま、認可外施設の基準のままでも認可並みの給付を受けられるということで本当に質の確保に向かうのか、やはり質の確保に向けて国の責任はしっかり果たすべきじゃないかということを提起しましたので、ぜひその立場に立っていただきたいと強く申し上げたい。
 新日本婦人の会という国連認証NGOが発行する今週の新婦人しんぶんでは、このわんずまざー保育園の問題を特集しておりまして、元保育士さんの声ということが紹介されていました。就職当初からおかしいと思ったと。おかしいと思って、この方はハローワークに相談に行かれたそうです。多分、ハローワークを通じて入られたのかもしれません。そうしたら、ハローワークの窓口では、どこもそんなものだ、こう言われて、どこに相談していいかわからなかったという声もあるんですね。
 ですから、相談窓口、行政の窓口も含めて、こういう事態を生まないために必要なことは何かということをしっかり検討して、打つべき手を打っていただきたいと思っております。
 各地で、公立の保育所と幼稚園が統廃合し認定こども園化することが、保護者、関係者へのまともな説明、合意もなく進められております。
 兵庫県芦屋市では、地域の子ども・子育て会議で大枠を決めているからという理由で、公立幼稚園の統合、公立保育所の民営化、公立幼稚園と公立保育所の統合による認定こども園化などなど、就学前施設を大きく再編するという計画があります。とりわけ公立保育所は、六カ所から二カ所の、三分の一に減ってしまいます。芦屋市の市域でいうと山手と浜側に一つずつになるんですが、一番真ん中、中心部、待機児童が多い場所からは公立保育所がなくなるという計画であります。
 この一方的な計画の発表に、歩いて通えなくなるなど、保護者からは困惑の声が広がっております。同市の子ども・子育て会議の会長自身、この計画を全く知らされていなかったと語っているそうであります。また、この会議に参加をする学校教育審議会副会長、この方も、市民の意見や親のニーズが反映されていない、待機児童解消にもならない計画は市民に納得されない、こう言っておられます。
 各地域での保育の受け皿づくりについて、保護者や関係者、住民の声を聞くことなく、ましてや芦屋の場合は、子ども・子育て会議での議論さえなく、行政によって一方的に推進される、こういうことは果たして適切と言えるんでしょうか。
○中島政府参考人 認定こども園なり保育所の整備につきましては、それぞれの地域において、その実情に応じて、それぞれの自治体が議会等も含めて適切に御判断をいただくものだと考えてございます。
 国といたしましても、そうした自治体の整備というものが円滑に進むよう、連携をして取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
○堀内(照)委員 とても、実情を踏まえた適切なということになっていないんですね。住民からはそういう声が出ているわけであります。
 大阪の八尾市は、十九の公立幼稚園、七つの公立保育所、合計二十六の公立施設を、五つの認定こども園に再編する計画なんです。就学前施設が全くなくなる小学校区も二つできるわけですね。やはり通園距離が遠くなり、地域で子育てができないという声が上がっております。多くの市民が大規模な署名運動を展開して、地元メディアでもたびたび取り上げられておりますけれども、行政は一方的にこの計画を進めようとしています。
 公立の幼稚園や保育所が市内からゼロになってしまうような事態というのは、子ども・子育て支援法第三条で、市町村の責務というのが「子どもの保護者の選択に基づき、多様な施設又は事業者から、良質かつ適切な教育及び保育その他の子ども・子育て支援が総合的かつ効率的に提供されるよう、その提供体制を確保すること。」とあるわけですけれども、明らかにこの趣旨とは反する事態だと私は思います。
 芦屋市の担当者は、私は直接芦屋に伺いまして担当者からもお話を伺ったんですが、こういう計画を推進する主な動機はやはり財政事情だということを率直にお認めになっておりました。しかし、不十分ではあるんだけれども、二カ所の公立保育所を残すというその思いをこう語っておりました。芦屋市の保育のスタンダードを示すものとして公立保育所は残していきたいんだということでありました。
 私は、芦屋市の計画そのものはけしからぬと思うんですけれども、しかし、この公立保育所に対する視点というのは大事な視点だと思って伺ったところであります。
 民間も含めた市内の保育の水準を保つ上で、市が直接保育所を運営していく、これが一点あるんだと思います。さらには、保育所保育指針で位置づけられた親への支援、こういう点でも、毎日、子供と親とのかかわりの中で、課題のある世帯については、それこそ丸ごと、大臣、これは我が事・丸ごとということでありますけれども、そう言われなくても、こういう取り組み、目配りをし、必要な支援につなげる大事な役割をしているわけであります。
 これは保育所保育指針でありますから、もちろん民間も含めた責務ということでありますけれども、しかし、とりわけ公立の施設として、他の公的機関とも連携できる、公立保育所が果たす専門家集団としての役割というのは非常に大事なんだと私は思うんです。
 これが認定こども園化で広域化、大規模化することで、そういった役割を果たせるのかという不安の声が現場で上がっております。私が大阪でこの問題を伺ったときに、保育士さんや保護者の方からもそういう声が上がりました。八尾市のような公立保育所全廃ということは、そういう意味では、そういう機能を果たす大事な拠点を失いかねない問題だと思っております。
 そこで、大臣の認識を伺いたいんですけれども、今私が指摘しました点で、地域の子育て支援策を進めていく上で、一つは、その地域での保育のあり方の水準を決めるものとして公立保育所が大事だという認識が芦屋市からは披露されました。それから、親への支援という点でも、公立ならではの大事な役目があると私は思っております。そうした公立保育所の重要な役割について、大臣はどうお考えかということをお聞かせください。
○塩崎国務大臣 保育園の役割について御指摘をいただきました。
 児童福祉法を見ますと、保育園の役割は、地域の子育て家庭等に対して、まずは保育園で行われる保育に関する情報提供を行うということ、それから、保育園での保育に支障がない限りにおいて、保育に関する地域の相談に応じて助言に努める、こういう役割を期待されているわけでありまして、そういう意味で、地域子育て支援拠点という役割を担っているんだろうと思います。こういう役割は、公立、私立の区別なく、各保育園が地域のニーズに応じて果たしていただくべきものとして規定をされているものだというふうに理解しております。
 その上で、具体的にどのような形で保育の受け皿を整備するかという問題につきましては、公立とか私立とかを問わずに、また、保育園以外にも小規模保育事業とかあるいは家庭的保育事業など、多様な保育の受け皿というものを活用することができるように今整備しているわけでありますから、潜在ニーズや地域の状況も踏まえながら、着実な整備につなげていくことが重要ではないかというふうに考えているところでございます。
○堀内(照)委員 今大臣からは、情報提供ということと、それから地域の子育てに関するいろいろな相談、支援をするということがありました。
 公立、私立にかかわらず、それはもちろんそうなんですが、しかし、私が申し上げましたとおり、今大臣が言われたような役割、公立ならではの果たす役割というのはやはりあると思うんです。保育のそういう情報ということでもそうですし、ましてや地域での相談をしっかり受けることは、やはり公的な責任を果たすという点では非常に大事な役割なんだと思うんです。
 そういう点で、私は、公立保育所に対する施設整備費、運営費の補助を復活させて、公立保育所の維持、増設へ国がしっかり支援する、やはりこれが本当に今求められていると思うんです。大臣、いかがですか。
○塩崎国務大臣 三位一体改革の中で、平成十六年度に運営費が、平成十八年度に施設整備費がそれぞれ一般財源化をされたところでございまして、この公立保育園についての地方六団体の提案という中でこれが決まったということがございます。それ以降、地域の実情に応じて各市区町村において適切に対応していただいているものだというふうに理解をしておりまして、国として、地方交付税措置によって御支援申し上げているという格好になっているわけでございます。
 各市区町村では、公立、私立を問わず、地域のニーズに応じて、どういう保育の受け皿がふさわしいのか、そのための整備をそれぞれ進めておられるわけでありまして、国としては、待機児童の解消に向けてこうした市区町村の取り組みを強力に支援していくというのが大事なことかなというふうに思っております。
○堀内(照)委員 地方からの要望なんだということでありますけれども、しかし、その三位一体の改革でまさに地方交付税も減らして、自治体財政を窮地に追いやったのは国じゃないかと私は申し上げたいと思うんです。
 そして、今度は、総務省が旗を振る公共施設総合管理計画に基づいて、大阪の八尾なんかまさにそうです、公立の就学前施設の統廃合が進められる、公立保育所の全廃というところまで来ているんだ、これは本当に重大だと思うんですね。
 こうやって公的な責任というのを後退させておいて我が事・丸ごとと言うから、私は、住民丸投げだとこの間批判をしてきたわけです。
 待機児童の解消は、あれこれの規制緩和の受け皿づくりではなくて、認可保育所、とりわけ公立保育所も含めた認可施設の抜本的拡充に徹することを強く求めて、質問を終わります。
 ありがとうございます。