国会論戦・提案

2017年04月07日

介護保険優先原則見直しを 大幅サービス低下 堀内議員が指摘

日本共産党の堀内照文議員は7日の衆院厚生労働委員会で、障害者が65歳を迎えた途端に障害福祉制度から介護保険に移され、大幅なサービス低下などが起きているとして、「介護保険優先原則」の見直しを迫りました。

 堀内氏は、審議中の介護保険法等改悪案について塩崎恭久厚労相が「従来から障害福祉サービスとして受けてきたサービスを継続して受けやすくする」と述べていることを示し、そうであるなら介護保険優先をやめるべきだと主張。塩崎氏は保険優先原則に固執する答弁をしました。

 堀内氏は、乳児期の病気の後遺症で全身にまひが残った女性が介護保険に移ったところ、要支援2(日常動作がわずかに低下)と非常に軽く認定され、ヘルパー支給量が月60時間から最大1回1時間、週2回に激減した例を紹介。要支援では基準緩和型サービスに該当し、無資格ヘルパーが当てられる恐れがあると指摘しました。

 厚労省の堀江裕障害保健福祉部長は「有資格者が原則。地域で介護保険の適切なサービスがないときは引き続き障害福祉サービスを受けられる」とし、塩崎氏は「問題を十分整理できていない。整理して問題の所在を示したい」と約束しました。

 堀内氏は「本当に矛盾だらけだ」と批判。重ねて保険優先原則の廃止を求めました。

(2017年4月9日しんぶん赤旗)

 

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議事録 2017年4月7日 厚生労働委員会 

堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文です。
 先週に引き続きまして、法案について質問をさせていただきたいと思います。
 きょうは、まず初めに介護医療院についてであります。
 これは、住まいの機能を確保した上で、医療機能を内包した新たな施設類型だとされています。
 大臣は、私の本会議での質問の答弁で、療養病床で提供される日常的な医学管理やみとりやターミナルケア等の機能は重要だとおっしゃいました。ならば、なぜ二〇〇六年に介護療養病床の廃止を決めたのか、これをまず初めに大臣に伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 平成十八年の改正で、医療と介護の役割を明確化するために、療養病床につきましては、一つは、医療の必要性の高い方は医療療養病床で、そして、介護の必要性の高い方は老健施設などで対応するということで、介護療養病床については廃止をするということを一旦決めたわけであります。
 これまで、老健施設等への転換を進めてまいりましたけれども、患者の医療ニーズの把握というものが不十分であったこともございまして、既存の老健施設等では受け皿としては十分な機能を有していないというがために、そちらに移るということが進まなかったということだと思います。
 今般の制度改正では、病床削減ではなくて、長期的な医療と介護のニーズをあわせ持つ高齢者の受け皿を確保することを目的として、そのニーズの、特に医療ニーズの度合いというか、これが大きく影響するわけでありますけれども、まず一番目には、日常的な医学管理やみとりやターミナルケアなどの医療機能だけではなくて、生活施設としての機能、この二つの機能を兼ね備えた介護医療院を今回創設するということによって、介護療養病床から新しい介護医療院に、この二つの機能をきちっと定義づけることで移動が可能になるようにということで、今回の御提起を申し上げているわけでございます。
○堀内(照)委員 医療と介護の役割の明確化ということで最初進められたわけですけれども、介護療養病床の入所者については、では、医療の必要度が低いかというと、必ずしもそうじゃないということだったんだと思うんです。
 医療、介護それぞれに必要な機能を維持、確保するということは当然必要なことであります。介護療養病床の日常的な医学管理が必要な重介護者の受け入れやみとり、ターミナルケア等の機能を維持しつつということであるならば、現行の介護療養病床での医療水準は維持されて当然だと思うんですが、いかがでしょうか。それと、対象となる患者さん、利用者像、いわゆる医療区分や介護度などで区別されるのかどうか。
 二点お伺いしたいと思います。
○蒲原政府参考人 お答え申し上げます。
 介護医療院につきましては、長期的な医療と介護のニーズをあわせ持つ要介護高齢者を対象といたしまして、現在、介護療養病床が提供しております日常的な医学管理そしてみとりやターミナルケア等の機能、こうした医療面の機能と、先ほど大臣が申し上げました生活施設としての機能、この二つをあわせ持った施設ということでございます。
 御指摘のように、今、介護療養病床が提供しているそうした医療機能を、今回、介護医療院の方でも同じような形でできるだけ提供していくということが一つの基本的なことでございまして、その具体的な中身につきましては、今後、介護給付費分科会において具体的に議論していくということになりますけれども、話がございましたとおり、現在、介護療養病床が提供している日常的な医学管理、みとり、ターミナルケア等の医療が適切に提供されるようにやっていきたいというふうに思っています。
 したがって、現在、介護療養病床で提供されている医療というのが引き続き提供されるように、具体的な中身を考えていくということでございます。
○堀内(照)委員 利用者像についても伺ったんですが、これは事前にレクチャーでも区別はないと伺っていますので、それはそうですね。確認させていただきます。
 それで、医療水準維持というんですが、厚労省の説明資料では、容体が安定した者の入所を想定する二型では、これは老健施設相当以上ということで、老健施設だと百対一になるんですね。これは、介護療養病床から見ても、医療水準という点ではその水準を保てなくなると思うんですが、いかがですか。
○蒲原政府参考人 お答え申し上げます。
 介護医療院の具体的な中身でございますけれども、これは、これまでのいろいろな有識者による検討会の議論、さらには関係の審議会から成ります特別部会の議論を踏まえまして、一応考え方を整理いたしております。
 先生お話しのように、実は、この介護医療院というのは、おおむね二つぐらいの類型を考えておりまして、一つが、いわば現在の、先ほど私が説明いたしました介護療養病床相当というものでございます。もう一つが、先ほど先生がお話しになりました、老健施設相当以上と言っていますけれども、この二つでございます。
 一つの、介護療養病床相当につきましては、これは、たたき台のベースですけれども、現在の介護療養病床とほぼ同じような医師の配置というのを一つの考え方といたしております。一方で、話がございました老健施設のところについては、それよりも少し薄いというか、そういう水準で考える。ただ、これは例の介護給付費分科会におきまして、これから具体的に検討してもらう、こういうことでございます。
○堀内(照)委員 きのうもレクチャーで、老健施設相当以上としている「以上」がみそなんだという話でしたが、現状でも、介護療養病床では基準よりも人を多く配置して何とかやっているという状況がありますので、この水準、基準を下げるということはあってはならないし、現行よりむしろ充実を目指していくということがやはり求められているということを指摘しておきたいと思います。
 介護療養病床は六・一万床です。この全てが介護医療院に移行するわけではないにせよ、それを転換を目指していくということだと思います。さらに、新規の開設も可能だと思います。
 一方で、地域医療構想は、各都道府県で先日まとまりました。全体で十五万床の削減、長期療養の患者が入院する慢性期のベッドは一九・五%の減の二十八万床になるというふうに報道もされております。そのままいけば、相当な規模で削減されるのかなと思うわけです。
 介護医療院は、いわゆる介護療養病床からだけではなく、こうした医療の方の病床からの転換も可能なのか、また、全体どれぐらいの規模を目指しておられるのか、何床ぐらいを目指しておられるのかということをお聞かせください。
○蒲原政府参考人 お答え申し上げます。
 今回、創設を予定いたしております介護医療院につきましては、新たな介護保険施設として位置づけるということでございます。ということでございますので、冒頭話がございました介護療養病床からの転換だけではなく、今話がございました医療療養病床からの転換も可能ではございます。また、新規の開設も可能だ、こういうことでございます。
 それでは、具体的な今後の見込みでございます。療養病床から介護医療院への移行等についてですけれども、ここについては、今後具体的な基準等を検討していくということでございまして、今後決定される介護医療院の基準、あるいはまた特に報酬、そうしたものに基づいて、それぞれ地域の実情に応じて、経営されている方々が総合的に御判断されるということだというふうに考えられます。
 したがいまして、まだ基準あるいは報酬が決まっていない現段階では、なかなか移行の見込みについてお答えすることは難しい、こういう状況でございます。
○堀内(照)委員 基準等からそれぞれの経営者の判断もあるんだというお話でしたが、しかし、全体の規模は、各県の医療計画ですとか介護保険事業計画というのがあって、それを各県持ちますので、そういう動きもあるんだと思うんですね。それで、その際に、安易な病床削減の数合わせでこの介護医療院が使われるようなことがあってはならないと私は思っております。
 兵庫県の但馬医療圏、これは日本海側に面する郡部の地域で、この十数年来、大変医師不足に悩まされてきた地域です。公立病院の統廃合計画が何度も持ち上がりましたが、そのたびに住民運動ではね返し、病院を守ってきた地域であります。
 ここで地域医療構想策定委員会が二回開かれているんですが、議事録が、簡単なものでしたが、アップされておりまして、私、ちょっと見ましたが、県の担当者が、医療需要の数字は国がシステムで出した数字だ、よくわからないと言っているんですね。在宅医療の吸収力がどれぐらいかわからないと議論にならないじゃないか、そんなことにもなっている。
 二回目の議論で、慢性期の充足率が隣の医療圏の丹波の地域の医療圏に依存している、必要病床を削減と言うけれども、丹波への依存をそのままにしておくのか、在宅介護の移行はどの程度反映されるのか、そういう質問に対して、これも県側ですけれども、在宅への移行というのは国の推計によるんだということで、地域の実情がよくわからないまま、しかも、国の数字もよくわからないと言いながら、結局、国の数字の推計の線で議論が進んでいるという印象を持ちました。
 こんな調子でベッドの削減が進められるというのは、当然これは許されないと私は思うんですが、医療のベッドの方も、今回の介護医療院をどうつくっていくかという問題、介護の受け皿という点でも、必要な機能をしっかり維持、確保するという観点が大事なんだと思います。
 大臣に伺いたいんですが、本来必要な医療機関のベッド数の削減の受け皿に、こういう介護医療院が使われるというようなことがあってはならないと思うんですが、いかがですか。大臣に。
○蒲原政府参考人 これは、地域医療構想あるいは地域医療計画の部分の考え方と、あるいはその受け皿である地域の医療あるいは介護体制と、二つの側面をどう整合的にやるかという観点だというふうに思います。
 先生お話ございましたとおり、何か、地域医療構想あるいは地域医療計画の中で、やはり当該地域における医療ニーズを踏まえて病床機能をきちっと整理していくということだと思いますので、まずはそういう観点で整理をするということと、その際に、それと整合性を持って、本当に医療機能として必要なものを残した上で、だけれども、いわば患者さんといいますか、利用者の方がきちんとそのときに地域で生活できる、その地域で生活するときには、やはり、医療面の在宅医療と、いわば福祉側の、介護側の介護等のサービス、こちらの方は恐らくそれぞれの介護保険の計画の中で整備をしていくことになると思うので、その両方がきちっと整合性を持ってつくられていくということが大変大事だということで、そういう方向でやっていくことが大事だと思っています。
○塩崎国務大臣 地域医療構想は、当然のことながら、介護ニーズも踏まえながら、基本的には医療の供給体制をどうしていくのかということでありまして、それは、先ほど介護医療院の際に、医療ニーズが、必要な方がどのくらいいるのかということを考えた上で必要な供給体制を組み立てていかなければ二〇二五年を迎えることができないということであります。
 もともと構想段階の最初のスタートのときから、約三十万人の方々がどこかに医療のベッドから移らなければいけない、こういうことがありましたが、御指摘のように、大事なことは、こういった方々が行き場がないということがないようにしなければいけないので、安心してみずからの生き方ができるような供給体制を組むということが大事で、それが医療だけで済むのかというと、恐らくそれは医療だけでは済まないので、そうじゃない、もちろん在宅もありますが、介護医療院のような形の、介護の保険の中から出てくる形の受け皿というものも大事な役割を果たすんだということではないかというふうに思います。
○堀内(照)委員 ニーズとおっしゃるんですけれども、実際には国の推計の方向でずずっと引きずられて議論が進んでいるということでありますので、当然、医療も介護もニーズをつかんで供給体制をつくるというのは当たり前の話であって、そこはやはりしっかりやるべきだと申し上げたいと思います。
 あわせて、特別部会の議論の整理でも指摘されておりますが、医療の施設から介護医療院へ転換が進むことによって介護の費用が増大するという懸念も表明されております。それが、さらなる軽度者に対する保険給付外しの圧力になるというようなことがあってはならないということも、指摘しておきたいと思います。
 次に、共生型サービスについて伺いたいと思います。
 障害福祉の事業所が介護サービスも実施できるよう、基準緩和を行うというものであります。
 時間の関係で、問いをちょっとあわせて伺いたいんですが、次の報酬改定で検討するという指定基準というのはどういうものになるのかということと、これは先ほど阿部さんの質疑でもありましたが、やはり基準を緩和するということになります。障害児者、高齢者も受け入れるということで、それぞれの特性、専門性がやはりあるわけでありまして、そういった専門性の担保がされるのかということ、この二点を伺いたいと思います。
○蒲原政府参考人 お答え申し上げます。
 共生型のサービスの指定基準でございますけれども、これについては平成三十年度の報酬改定において検討するということでございます。これはそれぞれ、介護報酬側については社会保障審議会の介護給付費分科会、障害報酬の場合は社会保障審議会の障害者部会等において行われることになります。そうした中で、具体的に、事業者の皆様方の関心も非常に高いところでございますので、しっかりと検討していきたいと思います。
 また、その際の中身でございます。これについては、共生型といっても、これはやはり、一定の障害の方あるいは高齢者の方ということで、そうした方たちに適切なサービスを提供するということが非常に大事だというふうに思います。
 その意味では、やはりサービスの質、専門性をどう確保するかということも大事でございますので、そうしたサービスの質を確保するという観点をちゃんと頭に置いて、先ほど申しました社会保障審議会の関係部会等の中できちっと議論してもらいまして、その上で基準を整理した後、あわせてその報酬についても考えていく、このように考えております。
    〔委員長退席、三ッ林委員長代理着席〕
○堀内(照)委員 この共生型サービス導入の説明資料の中で、高齢化が進み人口が減少する中で、サービスの提供に当たる人材の確保が難しくなるということも指摘されています。
 これは、厚労省内のプロジェクトチームが一昨年九月にまとめた文書では、「誰もが支え合う地域の構築に向けた福祉サービスの実現」という文書ですが、「全世代・全対象型地域包括支援を確立するため」ということで、これは我が事・丸ごとにもつながっていくのかなと思うんですが、生産性の向上とか業務の効率化を図り、少ない人数でのサービス提供が可能になるようなあり方を検討する、そんなことも一方では検討されているんですね。人材不足をこれで解消するということなのかな、本当に専門性が担保されるのかと思うわけです。
 今、質を確保するんだということが前提だということでありましたけれども、障害者団体から、こういう声も、懸念も表明されています。
 強度行動障害のある人、重症心身障害児者などは一人一人に応じた手厚い支援が必要だ、現在でも受け入れ先を見つけるのは困難、専門性が担保されなければ障害児者の受け入れ先はさらに減少し、社会的孤立が深刻化するということであります。
 この共生型サービスは、六十五歳を過ぎた障害者がサービスを受ける際に、介護保険が優先されますので、事業所を変わらなければならない、そういう問題を解消するためだと言われています。
 私は本会議でこの問題も質問いたしまして、その際、大臣からは、共生型サービスの創設で、従来から障害福祉サービスとして受けてきたサービスを継続して受けやすくするものだと答弁がありました。しかし、それを言うんだったら、そもそも介護保険ではなくて、六十五歳になっても介護保険優先ではなく、障害サービスの提供を続ければいいじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○塩崎国務大臣 現在の社会保障制度におきましては、あるサービスが公費負担制度、いわゆる公費の負担で行われているものでも社会保険制度でも提供されるときは、国民が互いに支え合うために保険料を支払う社会保険制度のもとでそのサービスをまず御利用いただくという、これが、保険優先の考え方というのが我が国の社会保障制度の原則になっているわけであります。
 このために、介護保険優先原則を見直すことは私どもは考えていないわけでありますが、障害福祉制度と介護保険制度の関係につきましては、社会保障審議会障害者部会においてもさまざまな議論がございました。我が国の社会保障の基本からは、介護保険優先原則には一定の合理性があるとされているところでございます。
○堀内(照)委員 六十五歳を迎えられた障害者の方からは、介護保険ではとても暮らせないという声が上がっております。
 乳児期にポリオにかかり、後遺症としてほぼ全身に麻痺が残った女性。三十代半ばまではつえで歩行されていましたが、大腿部骨折やポストポリオの発症で電動車椅子利用の生活になりました。呼吸不全もあり、夜間は呼吸器が手放せないといいます。出産前後から家事の援助のためにヘルパーを利用しています。障害福祉の制度では程度区分が四、一カ月の支給量が、家事援助四十二時間、身体介護五時間、通院介助十三時間の合計六十時間です。家事援助は、この枠の中で一回三時間ずつ、週三回利用して、あとは体調の変化に応じて、加えて利用していた。
 ところが、六十五歳になって介護保険認定書が届いてみてびっくりした。要支援二だということで、サービス利用は最大一回一時間、週二回までだと。全く足りない。何回もかけ合って、二カ月たってようやく二十八時間分の支給が上乗せされる。身体介助は零時間、通院介助は三時間と激減したといいます。
 少なくない障害者の方が、介護でいえば要支援に当たるわけであります。そうなれば総合事業の対象です。この上、自治体の振り分けによっては基準緩和型のサービスになるわけです。そうすれば、ヘルパーは無資格者であります。
 この総合事業の基準緩和型サービスは障害福祉サービス相当とみなされ、ここでも介護保険優先原則が貫かれるんでしょうか。
○堀江政府参考人 お答え申し上げます。
 現在、障害福祉サービスにつきましては、介護福祉士等の有資格者によって提供されておりまして、このため、議員御指摘の介護予防・日常生活支援総合事業におきます緩和した基準によるサービスについても、障害福祉サービスとみなされるかどうかということにつきましては個別に市町村が行うものではございますけれども、原則、有資格者により提供される必要があるというふうに考えてございます。
 なお、六十五歳以上の障害者であって、介護保険では適切な支援が受けられない場合におきましては、引き続き障害福祉サービスを利用することができるという仕組みになってございます。
○堀内(照)委員 もう一度ちょっと確認したいんですが、有資格者である必要があるんだけれども、個別の判断ということは、無資格者によることも自治体の判断によってはあり得るということですか。
○堀江政府参考人 基本的には有資格者でやっていただくというのが考えになるわけでございますけれども、個別に市町村が最終的には判断を行います。そうしたときに、例えば、家事援助の清掃、洗濯とかの範囲であれば無資格者の人でもいいというようなことが市町村の方で判断されると、そうしたものも提供される、こういうことになると思います。
○堀内(照)委員 大臣、これは私はとんでもないと思うんです。本来であれば有資格者でなければならないと認めながら、しかし、市町村判断では無資格者による提供もあり得るということなんですね。
 さきに紹介した女性は、どんな形でも十秒立っていれば立位できるとされる、何かにつかまりながらでも五メートル歩ければ歩行できるとされる、パック御飯を電子レンジで温められれば調理できるとみなされる。こんな調査で多くの障害者が軽度者と認定されてしまうということなんですね。
 大臣、本来有資格者の必要があるとしながら、個別の判断では無資格者でもいい。これはふさわしい支援のあり方なんでしょうか。
○堀江政府参考人 先ほどお答え申し上げましたように、基本的には有資格者である必要があるというのが考え方でございまして、ただ、ここの部分については市町村が判断をして、無資格者であることも可能とする場合が市町村の判断の中ではあり得るのではないか、こういうふうに話しているところでございます。(発言する者あり)
○三ッ林委員長代理 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○三ッ林委員長代理 速記を起こしてください。
 堀江障害保健福祉部長。
○堀江政府参考人 失礼しました。ちょっと混乱させまして、申しわけございません。
 私の方から申し上げましたのは、障害福祉サービスにつきましては有資格者によって提供される必要があるというのが前提でございます。
 それで、もしもそこの場所で無資格の人しかサービスがない場合は、障害福祉サービスには該当いたしませんということからすれば、先ほどお答え申し上げましたとおりでございますけれども、介護保険では適切なサービスを受けられない場合におきましては、引き続き障害福祉サービスを利用することができる、こういうことでございます。
○堀内(照)委員 いや、そういうことを言っているんじゃないんですよ。要支援者は総合事業です、総合事業の基準緩和型サービスになれば担い手は無資格者です、介護保険優先原則がそこでも貫かれるのかとお聞きしたんです。ですから、本来であれば、有資格者が担うものでなければ同等とみなせないはずです。
 では、貫かれないということですか。
○堀江政府参考人 そのように、介護保険で適切な支援がない、有資格者のものがないということであれば、そこは障害福祉サービスが利用できるという意味では、そこは介護保険が優先ではないということでございます。
○堀内(照)委員 だから、基本はそうだけれども、先ほどおっしゃったじゃないですか。自治体の判断、個別によっては無資格者でもいいかのように答弁されましたけれども、それは撤回されるということですか。
○堀江政府参考人 基本的には、適当なサービスがない場合には障害福祉サービスを引き続き利用することができるということでございます。
○堀内(照)委員 ない場合を言っているんじゃないんですよ。無資格者が担う同じようなサービスはあるんですよ。その際に介護保険優先原則を貫いてやるんですかと。先ほど、そこは、掃除とか具体的なことも示して言ったじゃないですか。
 あり得るというのだったら、本来有資格者がやるはずの障害サービスの枠であればやるはずで、同等と言うのだったら、介護でも有資格者が担わなければならないはずなのに、事によっては無資格者が担ってもいいと。総合事業の基準緩和だと無資格者なんですから。事によってはそれが無資格者でもいいという話になっているんですかと聞いているんです。
○堀江政府参考人 私どもの方で、無資格者でいいという判断をしているものではありません。
○堀内(照)委員 それはしかし、今の答弁では、個別具体は各自治体の判断だということでしょう。それは、自治体の判断で無資格者が担ってもいいんだということもあり得るということじゃないですか、それであれば。違うんですか。
○堀江政府参考人 先ほどから申し上げていますように、介護保険で適切なサービスがないときは障害福祉サービスを利用されるものと考えてございます。
○堀内(照)委員 ちょっとここは整理して、まとめていただいて、文書なりで示していただきたいと思うんですが、いかがですか。
○堀江政府参考人 整理いたしまして、またお答え申し上げたいと思います。
○堀内(照)委員 これは、もし無資格者でも担えるんだということであれば、問題はこれにとどまらないから私は言っているんですよ。
 介護保険優先原則は、今、先ほど答弁がありましたように、障害者サービスと同等のものが介護にあれば、それが優先されるということなんですよね。
 しかし、今言いましたように、総合事業の担い手というのは、なかなか市町村でまだ十分じゃありませんし、報酬が下がっている中で、受けないという事業所も出てきているわけですよね。そうすると、サービスとしてはあります、しかし、これは先日も私は質疑でやりましたけれども、受け皿があったとしても、時間短縮で、サービスの提供時間を減らしているとかいうところもあるわけなんですよね。
 そうすると、介護保険優先原則を貫かれて、介護保険を使いなさいとは言われてみても、介護保険の支給限度いっぱいまで使わないと、今言いましたように、障害サービス上乗せというのは、先ほどの女性の例がそうですね、介護保険優先原則で、それをやりなさい、介護を使いなさいと言われた。でも、本来であればもっと使えるはずだと。足りない部分は上乗せで障害サービスが使えるんですけれども、それは介護保険の支給限度を目いっぱい使わないと上乗せできないわけなんですよね。
 そうすると、介護の側で、サービスとしてはあって、利用はできるんだけれども、しかし、支給限度まで達しないということになれば障害サービスの上乗せも認められないということになって、これは本当に死活問題になると思うんですが、いかがですか。
○堀江政府参考人 少し審議を混乱させまして申しわけございませんでしたが、基本は、原則、有資格者により提供されるサービスでございます。
 介護保険での適切なサービスを受けられない場合は、引き続き障害福祉サービスで利用することができるということでございますので、また少し整理をさせていただきます。
○堀内(照)委員 大臣、おわかりいただけましたでしょうか。
 問題は、利用者負担や、保険料の負担の重さということや、なれ親しんだ事業所が使えないということだけではないんです。さまざまな深刻な矛盾が噴き出しているんだと私は思うんですね。
 さきに紹介した女性は、七年近く使った電動車椅子が壊れ、修理不能になった。介護保険ではレンタル、障害福祉では補装具だと。役所に申請したら、ケアマネさんと相談してください、レンタルは今いろいろありますからねと言って、障害福祉での補装具の申請を受け付けてもらえなかった。それで、新しい車椅子が来るまで半年かかったというんですね。
 障害者施策というのは、本来、障害の有無にかかわらず、ひとしく個人として尊重され、地域社会の中で平等に生きるための権利を保障するものであって、これはそもそも保険原理とは相入れないんだと私は思うんです。
 これは、昨年の障害者総合支援法の参考人質疑にお越しいただきました佐藤久夫先生、例の骨格提言をまとめた部会長をされた方ですが、レディーメードの商品を提供する介護保険と、個別のニーズを尊重しながらオーダーメード的なサービスを提供する障害者福祉の違いということで、端的に示されました。
 ですから、本当に保険原理と相入れないのが障害者施策なんだ、そういう点からも、介護保険優先原則はやめるべきだと私は改めて大臣に問いたいと思うんですが、いかがですか。
○塩崎国務大臣 今、介護保険の世界で、障害相当サービスを有資格者によって提供するというケースと、それから、無資格のサービスしかその地域にないというような場合のことを言っていただいたわけでありますが、いずれにしても、介護保険の世界の中で障害者に対する適切なサービスがない場合には障害サービスを利用できるようにするということが原則でなければならないというふうに思いますので、今の問題について十分整理ができていないというふうにも思いますので、よく整理をして、もう一回、問題の所在を明らかにしてお示しをしたいというふうに思います。
○堀内(照)委員 本当に矛盾だらけでありまして、そもそも基本合意は、明確に介護保険優先原則の廃止をうたっているわけであります。改めて、この介護保険優先原則をやめるべきだと申し上げておきたいと思います。
    〔三ッ林委員長代理退席、委員長着席〕
 本当は、あと二十分ぐらい時間を残して、本丸の我が事・丸ごとをやりたかったんですが、ちょっと残り時間、どこまでできるかわかりませんが、我が事・丸ごと地域共生社会づくりについても質問したいと思っています。
 大臣は、水曜日ときょうの質疑で、例えば、社会をつくり直すんだ、福祉の根幹をつくり直す、そういうつもりですということも言われましたし、きょうも改めて、大きな課題だということで、再認識をされたかのような発言もされておりました。それで、文字どおり、やはり大転換なんだと思うんです。
 そういう意味では、きょうも私、十分多分質疑できませんし、審議時間をしっかりとっていただきたいと思いますし、市町村や住民に本当に大きなことを求める内容になっていると思いますので、これは委員長、済みません、十分な審議時間の保証と、それから、やはり地方公聴会の開催をぜひやっていただきたいと委員長にお願いしたいんですが。
○丹羽委員長 理事会で協議させていただきます。
○堀内(照)委員 法案は四条で、地域住民等に、地域課題の把握と関係機関との連携による解決を図るよう留意することを求めております。その内容も、福祉、介護、介護予防、保健医療、住まい、就労、教育、孤立を防ぎ社会参加の機会確保などのあらゆる課題が列記されております。これは地域課題の把握というんですが、一体、住民にどこまで求めているんでしょうか。
○定塚政府参考人 今般の社会福祉法改正法第四条では、本人のみならず、その人が属する世帯が抱える課題につきまして、地域住民や社会福祉事業者あるいは社会福祉に関する活動を行う方が把握をして、行政機関との連携によりその解決を図るように特に留意するものとすると規定しているものでございます。
 この規定は理念を示したものでございまして、例えば、もちろんですけれども、あらゆる今の課題に気がつくべきだといった義務づけでないということは当然のものでございまして、地域住民等が、地域で声を上げることができず、大変な状態にある世帯に気がついても見て見ぬふりをしていたというのが過去であったとすれば、それにしっかり気がついて、必要に応じて関係機関につなげたり、見守りと声かけにより孤立の解消を図ったりすること、こういうことは住民だからこそできる取り組みでございまして、このような取り組みへの期待をして、留意事項として規定をしたものでございます。
 あわせて、こうした気づきを円滑に相談につなげられる、それを丸ごと市の相談機関等で受けとめるという体制をつくるということによって、住民が負担を感じることがなく、安心して課題を見つけて解決することができる地域づくりを目指していきたいということでございます。
○堀内(照)委員 今までは見て見ぬふりをしてきたかのような答弁というのは、ちょっと重大ですよ、これは。そんな認識でこれをつくられているんですか、これは。
 長妻さんの質疑の中で、行政から個人情報ということでなかなか情報が出ないという話がありましたが、私は逆もあると思うんです。住民の側からすれば、知られたくないということもあるわけですよね。個人情報を把握し共有することを求めるということにならないのかと。逆に、ですから、公的な機関だからこそ、プライベートのところまで踏み込んで、責任を持って対処できるということもあるわけです。
 今、気づきをつなげるということがありました。しかし、これもやはり住民同士の自主的、自発的な取り組みだからこそ生きるのであって、何か法律にまで書き込んで上から住民に求めるということは、非常に私、違和感を感じるわけであります。
 それで百六条で、包括的な支援体制の整備というのをうたっております。この体制というのはどういうものかということをお聞きしたいと思います。
 社協や地域包括支援センター、相談支援事業所、地域子育て支援拠点、社会福祉法人、NPO法人などが例示されております。例えば、その地域に、該当するものが地域子育て支援拠点になっている保育所しかないといった場合、その保育所があらゆる対応窓口になるのか。また、該当するようなそういう福祉の組織がない場合、自治会や老人会などがそれを担うということも想定されているんでしょうか。簡潔にお願いします。
○定塚政府参考人 市町村におきまして、包括的支援体制のうち、住民に身近な場所で相談を丸ごと受ける場所をどこにつくるかということは、地域の状況によってさまざまと考えております。
 現状でも、地域包括支援センターのブランチにつくっている場合、あるいは社協の地区担当につくっている場合などございますし、それぞれの地域、自治体において、どこが適切な場所なのかということを決めていただきたいと考えております。
○堀内(照)委員 ですから、あり得るんですよね。地域資源のありようによっては、必ずしも福祉の組織や団体でもない自治会などが担い手になる。だから、まさに私も、我が事・丸ごとというのは大変大ごとなんだなと。我が事・丸ごとは丸投げだと言われた方もおられました。
 それで、具体的には、市町村域で相談支援包括化推進員を配置したり、また、各部局の連携で総合的な支援体制をつくるということを支援したり、それから、身近な圏域で住民が主体的に地域課題を把握して解決を試みる体制をつくる、今も受けとめる場というふうにおっしゃいました、それを支援すると言います。これが必要だということで、よくこの質疑でも出されましたダブルケアですとか老障介護など複合的な課題の解決のためとか、あと、制度のはざまもあるんだということも言われました。
 それらの問題が、具体的にこの体制ができてどう解決に向かうのか、これをぜひお聞かせいただきたいと思います。簡潔にお願いします。
○定塚政府参考人 まず、丸ごと受けとめる場を身近に設定するということですけれども、これは、複合化して複雑な課題を抱えていらっしゃる個人の方が、一体自分はどこに相談に行ったらいいんだろう、あるいは、どの制度を使えるかということを御自身で調べることは大変な負担であると考えておりますので、こうした丸ごと受けとめる場というのが設置をされまして、それが適切な関係機関としっかりつながってネットワークをつくれるということになると、そこに相談に行ける、あるいは、御本人が相談に来られなくても、周囲の方が気づいて、ここに相談したらいいということを言うことができるというふうに考えております。
○堀内(照)委員 住民らによる把握、連携ができていないからこうした問題が未解決になっているのかといえば、私はそうじゃないと思うんですね。住民から関係機関につなげるということでありますが、つないだ先の施策が十分でないから現状のような事態が広がっているんじゃないかと私は思うんです。
 よく言われていました八〇五〇、この間の雇用環境の悪化に加え、介護の負担増や給付削減のもと、利用抑制などから家族の負担が重くなっている、だからこそ、そういう問題も起こっているし、ダブルケアということも、そうした介護の問題と待機児童問題が重なっている、だからこそ、負担がより重くのしかかっている。老障介護という問題でも、障害者の方々が地域で自立して暮らす支援が乏しいから高齢の親に頼らざるを得ず、親なき後の心配がなかなか絶えないという事態になっているんだと思うんです。
 これは大臣に伺いたいんですが、問題の真の原因に迫らずに、住民の自助、互助に求めるのは、私は本末転倒なんだと思うんです。制度のはざまという点でも、本来ははざまを埋めるべく、公的制度の改善こそ求められているわけであって、この点でも、住民の自助、互助で埋めるということでは、これはやはり本末転倒なんだと思うんです。
 私、本会議で、助け合いを最優先に求め、公的責任を後退させ、福祉の費用の抑制を狙うもので、社会福祉のあり方を大きく変質させるものだと指摘したんですが、改めてそのことを大臣にも問いたいと思うんですが、いかがですか。
○塩崎国務大臣 結論的に申し上げれば、これは総理も本会議で答弁申し上げておりますけれども、公的責任を後退させるという考え方を私どもは持っていないわけであって、そこに加えて、公的責任を後退させないということを前提に、地域住民等の取り組みと公的な体制による支援、これが組み合わさって初めてこの地域共生社会というのが実現できるんだというのが我々の考え方でございます。
 したがって、公的責任から逃れて、民間の、地域の方々の助け合いの仕組みだけに乗るというようなことは全く考えておりませんで、ただ、はっきり申し上げれば、公的な助け合いの仕組みも、実は、町の助け合いの、民間レベルの助け合いの仕組み、コミュニティーベースの仕組みがうまく機能している場合に、うまくまたそれがシナジー効果を持って、公的なサービスもよりよく回っていくということにもなります。
 そういうことを私ども申し上げているわけでありますから、このことを基本コンセプトとして、今回の法案を第一弾ということで、平成三十年度の介護・障害福祉の報酬改定、あるいは生活困窮者自立支援制度の見直しなど、二〇二〇年代の初頭の地域共生社会の全面展開を目指しているわけでございます。
 そういう形に持っていくためには、それぞれの地域が、それぞれの地域らしい助け合いの仕組みを強化していただくということが大事で、それについてもどういうふうに支援をすることができるのか、絶えず考えていかなければいけないというふうに思っております。
○堀内(照)委員 公的責任を後退させるものじゃないということでありますが、しかし、「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部の改革工程の中では「住民が、主体的に地域課題を把握して解決を試みる体制を構築していく。」と、明確に住民の自助、互助での解決を求めているんですね。
 それで、私、もう一つ問いたいのは、改革工程では、民間資金の活用までうたわれております。これはどういうものですか。
○定塚政府参考人 地域共生社会の実現に向けては、地域の活動にさまざまな主体が参画していただきたいという観点から、地域の民間資金の活用を推進することとしております。
 具体的には、例えば、赤い羽根共同募金の中で、寄附の使途が明確なテーマ型募金というものがございます。また、ソーシャル・インパクト・ボンドなどの社会的インパクト投資の手法について、モデル事業の実施を通じて検証や成果の普及などをしていく予定でございまして、こうしたことを通じて、民間資金も活用しました地域づくりに参加できる環境をつくってまいりたいと考えております。
○堀内(照)委員 もう時間なので終わりますけれども、厚労省の説明資料では、地域の企業等に寄附を求めて自主財源を確保し、生活援助、地域交流、見守りなどの社会資源の創出とあります。生活援助というのは、まさにこの間、給付をどうするかということで議論になっていることそのものなんですよね。
 行く行くは、行政が果たす役割を、財源も含めて地域住民に肩がわりさせるものかと、私は本当にこれは大変な問題だと思います。そのことを厳しく指摘をして、質問を終わります。
 ありがとうございます。