国会論戦・提案

2017年03月16日

雪害農家に支援早く、災害援護金返済で自治体の判断尊重を

 

雪害農家に支援早く 堀内氏 ハウス再建補助要求

日本共産党の堀内照文議員は16日の衆院災害対策特別委員会で、1月以来の大雪で近畿・山陰を中心に農業用ハウスに甚大な被害が発生している問題を取り上げ、営農再開に向け「被災農業者向け経営体育成支援事業」の実施を求めました。

 同支援事業は、気象災害などで深刻な農業被害が生じた際、国が農業施設の再建費用を補助するもの。

 今回の雪害について細田健一農水大臣政務官は、被害額が約53億円に上ることを明らかにしつつ、補償内容を拡充した共済や融資での対応が基本だとして、支援事業実施に後ろ向きの姿勢を示しました。

 堀内氏は、共済拡充後も38道府県で加入率が逆に減少しており、共済だけでは被害をカバーできないと強調。14年の豪雨災害は今回よりハウス被害が少なくても支援事業の対象になったことも示し、重ねて実施を求めました。

 堀内氏は、昨年、九州を中心に発生した雪害に対して国がとった支援策をあげ、今回の近畿・山陰にも適用するよう要求しました。鈴木良典審議官は「被災状況の全容を速やかに把握するとともに、被害への迅速かつ的確な対応を図っていく」と答弁しました。

2017年3月23日 しんぶん赤旗

 

自治体の判断尊重を  堀内氏 災害援護金返済で要求

日本共産党の堀内照文衆院議員は16日の衆院災害対策特別委員会で、被災者の「災害援護資金」返還免除について自治体の判断を尊重するよう求めました。

 被災者に国や地方が貸し付けた「災害援護資金」の返還は2015年4月の政府通知で、「無資力、またはそれに近い状態かつ将来返せる見込みがない」と自治体が判断すれば免除対象とされています。しかし、内閣府が昨年10月、兵庫県が示した基準だけでは免除対象とはいえないと判断したことで、一部自治体の審査が止まっていました。

 堀内氏は、高齢でのローン返済や、苦労して再建した自宅を手放すことになりかねない返済者の苦境を示し、自治体判断を尊重するよう求めました。内閣府の加藤久喜政策統括官は「15年4月に出した方針を変更していない」と答弁。松本純防災相は「被災地の声に耳を傾け、被災者一人ひとりに寄り添ってしっかり取り組んでいきたい」と述べました。

 堀内氏は、西宮市や神戸市が20年の期限を過ぎた借り上げ公営住宅からの退去を被災者に求めて裁判まで起こしていることについて追及。藤井比早之国交政務官は、訴訟中でコメントできないとしながらも、「被災者の事情等を勘案した丁寧・適切な対応をしていくべき」だと述べました。

2017年3月21日 しんぶん赤旗より

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議事録 災害対策特別委員会 2017年3月16日

○堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文です。
 きょうは大きく三点お伺いしたいと思っております。
 まず第一点目は、一月以来の大雪被害に対する支援についてであります。
 この雪では、京都や兵庫、滋賀、そして鳥取など近畿、山陰を中心に、特に農業用ハウスなどに大きな被害が発生しております。私がつかんでいる範囲で、被害額は、京都で七億円以上、兵庫で五億円以上、滋賀約二億円、鳥取八億円以上と聞いております。
 兵庫県の丹波市に私は伺いまして、市当局や同市で直接被害に遭った方にもお話を伺ってまいりました。二十数年ぶりの、ふだん降らないところで大量に降った。しかも、一晩で一気に降って、本当に打つ手がないままだった。多くのハウスが雪の重みで潰され、骨組みがゆがんでいる様子も私も見てまいりました。
 今回の雪による農林水産関係全体の被害、それから、そのうちハウス等の被害額、そして、こうした被害に対する支援はどうなっているのか、それから、関係自治体からは、被災農業者向け経営体育成支援事業の実施を求める声が共通して寄せられると思うんですが、これへの対応、ちょっと三点申し上げましたけれども、まず農水省に確認したいと思います。
○細田大臣政務官 まず、改めまして、今回の大雪により被災をされた皆様方に心からお見舞いを申し上げます。
 一月中旬、下旬及び二月の大雪により、農林水産業関係では、三月十五日時点で、これは日本全体の数字でございますが、合計五十二億五千万円の被害が発生しているという報告を受けております。
 このうち、農業用ハウス、畜舎等の被害は、これも日本全体の数字で、五千四百八十三件、三十六億五千万円となっております。
 農業用ハウスなどの被害については、まず、農業共済の共済金の支払い、あるいは、日本政策金融公庫の農林漁業セーフティーネット資金等での長期、低利の融資での対応を基本としております。
 このうち、園芸施設共済については、平成二十五年十一月からの大雪被害を踏まえて、平成二十七年二月から、耐用年数の見直しや補償価額の引き上げといった補償内容の拡充を行ったところでございます。
 今御指摘ございました被災農業者向け経営体育成支援事業につきましては、過去に例のないような甚大な気象災害が発生した場合に限り発動するというものであり、私どもとしては、まずは今般の大雪における被害状況の把握に努め、その状況に応じて必要な支援策をとってまいりたい、こういうふうに考えております。
○堀内(照)委員 まずは共済という話でありましたが、共済を拡充したということなんですが、それでカバーできているのかということなんです。
 資料の一枚目に、全国のこの共済の加入率、今、平成二十七年二月で拡充をされたということですが、その前後の比較ということで、二十五年度と二十七年度を比較していただければいいんですが、横ばいなんです。四十七都道府県のうち、大半の三十道府県でむしろ加入率が減っております。これでは、やはり拡充前よりカバーできていないと言わなければならないと思うんです。
 兵庫県は二二・六%です。聞きましたら、やはりもともと雪の少ないところでは、ハウス被害ということになりますと、台風でビニールが飛ばされるというものが主でありまして、掛金と補償との見合いでなかなかちゅうちょすると。それから、ビニールを新調する費用よりも掛金の方が高くて払えないという声もありました。また、面積が小さくて加入要件を満たせず、入れなかったという方もいらっしゃいました。
 それから、加入されている方に伺いましても、経年で時価が下がりまして、評価が下がりますので、補償が少なくなるということで、共済だけではやはりなかなか賄えないんだという声もありました。
 丹波市のある農家の方は、ハウス十一棟中十棟に被害、チンゲンサイやネギなどを栽培し、学校給食やスーパーに出荷予定だったそうです。ハウスとその下敷きになった作物を合わせ、被害額は約一千五百万、ようやくローンが終わって、これからというときの被害だと言っておりました。
 篠山市や朝来市では、育苗ができない、農協の苗はもう予約が済んでいて余分がない、ほかの農家にも自分のところで育苗したものを供給していたけれども、春の作付、なかなか見通しがないんだということでありました。
 政務官に再度伺いたいんですけれども、今おっしゃいました被災農業者向け支援事業の要件は、過去に例がないような甚大な被害ということでありました。
 資料の二枚目に、過去発動した事例ということでつけさせていただきましたが、平成二十六年、二〇一四年の八月の豪雨災害では、今、三十六億五千万ということでおっしゃっていただきましたが、ハウス等の被害でいうと、今回よりも少ない場合でも実施している。これは共済がまだ拡充前だったからということで伺っておりますけれども、今言いましたように、共済は拡充したといえども実際にはカバーできていないという現状があるわけです。
 過去のこういう被害額で実施したという事例もありますので、これは被災農業者向け支援事業を実施すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○細田大臣政務官 ありがとうございます。
 先ほど申し上げましたとおり、農業用ハウスなどの被害については、共済、融資での対応が基本と考えておりまして、被災農業者向け経営体育成支援事業の発動については、過去に例のないような甚大な気象災害が発生し、国として特に緊急に対応する必要がある場合に限って発動しているということをまず御理解いただきたいと思います。
 先生御指摘になられました平成二十六年度の例でございます。これは、広島県等での豪雨災害について、確かに被災農業者向け経営体育成支援事業を発動しておりますが、このケースは、農地、農業用施設を含め、農業関係で甚大な被害が生じ、激甚災害に指定されるという中で対応した経緯がございます。
 また、先ほど先生からお話があったように、園芸施設共済については、平成二十七年二月から補償の拡充を行った経緯がございます。
 今般の大雪による災害の対応については、これらの点を踏まえて私どもとして検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
○堀内(照)委員 農業者や各県の被害ということでいうと、やはりそれ相当な被害になっているわけなんですね。やはり、ぜひここは発動すべきだと思うんです。
 京都の綾部市でお茶を生産するある組合は、四年前に一千九百万円の融資を受けて、一・六ヘクタールに茶棚を設置しましたが、そのほとんどが倒壊した。返済を終えたのはまだ七分の一だけで、被害を受けて、猶予というのがあるんですが、一年だけは猶予をしてもらった。茶棚を再建して覆いで遮光しなければ玉露にならない、普通の煎茶になってしまう。そうすると、出荷額は四分の一になる、とてもじゃないけれども返済できないという声でありました。
 どこでも、十年ぶり、二十年ぶりと、本当に近年にない被害であります。営農が続けられるだろうかという不安の声も広がっている。地域は高齢化もありますので、これを機に離農ということにもなりかねないと思うんです。また、大きな生産組合ほど被害がやはり大きくなって、地域経済に与える影響も少なくないと思います。
 この事業を発動すべきだと改めて指摘をした上で、昨年、九州を中心に、同じように雪による被害があったと思います。このときも、規模が足りないということで、今言いました被災農業者向け経営体育成支援事業は実施されなかったわけですが、別のメニューを適用したというふうに伺いました。どのようなもので、それは今回使えないのかということを伺いたいと思います。
○鈴木政府参考人 お答えをいたします。
 昨年使いました事業は、TPP対策として措置をされました産地パワーアップ事業でございます。
 産地パワーアップ事業につきましては、被災をした産地において、災害を機に収益力強化を図る場合には、事業を活用し、パイプハウスを導入することなどが可能である旨を周知したところでございます。
 実際に、長崎県において、低温被害を受けたビワの産地において、寒害防止用の簡易ハウスを導入し、高品質化と安定生産による収益力強化を図る取り組みに対し助成を行ったところでございます。
 今冬の雪害に関しては、関係自治体と連携して被災状況の全容を速やかに把握するとともに、昨冬の対応も踏まえ、被害への迅速かつ的確な対応を図ってまいりたいと考えております。
○堀内(照)委員 発動できない、今回なぜ使えないのかというのはおっしゃっていただけましたでしょうか。今のメニューについて。
○塩川政府参考人 先ほど政務官がお答えしましたとおり、被災農業者向け経営体育成支援事業につきましては、過去に例のないようなということで……(堀内(照)委員「九州のメニューが今回使えないのかということ」と呼ぶ)産地パワーアップ事業ですか。それにつきましては、現在、被害状況の把握に努めているところでございまして、全容解明した後に、どのような対策が打てるかについて引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。
○堀内(照)委員 引き続き検討ということでありますが、では、改めて政務官にお伺いしたいんです。
 今、担当者の方からは迅速的確な対応ということでおっしゃっていただきました。支援の必要性ということは当然認識があるということでよろしいでしょうか。
○細田大臣政務官 先ほどお答えをしたとおり、可及的速やかに被害状況の把握に努めて、必要な措置をとってまいりたいというふうに考えております。
○堀内(照)委員 被災農業者向け支援事業の柔軟な運用を求めると同時に、今あったようないろいろな施策も使いまして、ぜひ支援を具体化していただきたいと思っております。
 その際に、既に府県単独で支援を具体化しているところもあります。それも、別に余裕があってやっているわけじゃなくて、やはり目の前の被災者を放っておけないということでやっております。そういうところから、やはり、ぜひ国の支援もということで自治体からもあると思いますので、そのときに、別のメニューが並んで結局使えなかったということにならないように、今、府県がやっているような事業にのせるか、むしろ、国の方に県、自治体の制度をのせてもらうか、そういうすり合わせなどもきちんとやっていただいて、農業者が営農を再開、継続できるような支援をぜひお願いしておきたいと思います。
 雪の問題は以上ですので、政務官、農水省の関係の皆さん、御退席いただいて結構でございます。
 きょう、二点目に伺いたいのは、阪神・淡路大震災の残された課題ということの一つであります災害援護資金の返済免除についてであります。
 東日本から六年、阪神・淡路からは二十二年、被災者にとって真の生活再建がなければ、当然、区切りというのはないわけであります。阪神・淡路の当時は被災者生活再建支援法がありませんでした。生活再建のために多くの被災者が借金に頼るしかなかったわけです。その一つがこの災害援護資金です。
 しかし、公的な支援策がほとんどない中で、その後の被災者の生活再建は困難をきわめ、この援護資金の返済は、償還期間を過ぎてなお多くの未償還を残し、現在でも五千件以上、七十七億円余り残っているわけであります。制度になかった少額償還制度も国に認めさせ、被災者は、たとえ生活が苦しくとも借金は返さなければとか、保証人には迷惑をかけられないと本当に生活を切り詰めてこつこつと返済を続けてきました。
 私自身、二年前の予算委員会でこの問題を取り上げ、月千円の少額返済を続けている方、完済するまで百四十七年かかると当時新聞でも報道された例も示しながら、免除を私も求めてまいりました。
 この間、従来の死亡または重度障害に加え、破産、民事再生者、生活保護等、あと、自治体判断で、無資力またはこれに近い状態とみなされ、将来にわたって弁済できる見込みのない人については返済免除という枠組みができました。多くの被災者はこれに安堵したわけであります。
 しかし、昨年、地元紙で、国が待ったという報道がありました。資料の三枚目につけておきました。これは、伺いたいんですけれども、国は方針を変えたんでしょうか。
○加藤政府参考人 お答えをいたします。
 阪神・淡路大震災に係る災害援護資金貸付金につきましては、順次、当初の履行期限から十年が経過をしたところでございます。これを受けまして、当初の履行期限の際、履行を遅延された方については、地方自治法施行令等の関係法令に基づき、債務者が無資力またはこれに近い状態にあり、かつ、弁済することができることとなる見込みがないと認められる場合には、市町村は償還を免除することができるというふうにされているところでございます。
 内閣府といたしましては、この貸付金の財源を負担している立場から、平成二十七年四月に、関係省庁と協議の上、前述の免除に関する取り扱いを整理した通知を発出したところでございます。
 内閣府といたしましては、地方自治法施行令等関係法令に基づき適切に市町村が免除するものであるという方針、四月に出した方針を変更しているものではございません。
○堀内(照)委員 それでは、これはきのうのレクでもちょっと確認させていただいたんですけれども、新聞の報道にもありますように、国の方から何か留意事項というのも示したとあるんですけれども、これはもう今は取り下げているということでよろしいですね。
○加藤政府参考人 お答えいたします。
 今お話のありました平成二十七年十月に自治体に提示した留意事項でございますけれども、これは事務的な手続等について記載したものでございまして、各自治体が関係法令に基づき適切に事務を進めていかれる、こういう場合でございましたら、必ずしもこれによらずとも事務を進めていただくことが可能だと考えております。
 いずれにいたしましても、関係法令に基づき適切に対処していただきたいというふうに考えております。
○堀内(照)委員 私は取り下げたというふうに伺ったんですが、いずれにせよ、これによらずともということであります。
 そういう意味では、変わらないんだ、新聞報道にあるような、待ったをかけたわけじゃないということだと思うんですが、しかし、実際には、もう自治体の動きが現に抑制され、神戸市以外では免除の審査や申請の手続がとまっているわけであります。少額償還で千円しか返せないから無資力だけれども、例えば数万円返せるなら資力があるだろうというわけではないと思うんです。
 こういうお話も伺いました。援護資金を三百五十万、目いっぱい借りて、月一万円の少額償還をしている方、七十代の御夫婦です。四十八歳の息子と三人暮らしなんですが、息子さんは震災後のショックで外出ができなくなって無職になりました。収入は、夫婦の年金と妻のアルバイト、合計二十二万円だといいます。これに、震災後購入した家のローン、息子の年金保険料、災害援護資金の返済などを引くと、生活費は六、七万しか残らない。冷暖房が要る夏、冬は大変厳しくなるし、つき合いもほとんどできない。自分たちが動けなくなったときや葬式代、親亡き後の息子のことなどを考えると、これ以上預貯金が減るのが怖いんだという話でありました。
 医療や介護費用、それから子供の進学の備え等々、個別の世帯ごとの事情、環境によって、これはさまざまだと思うんです。いろいろな判定式で余裕があるなしというふうにも伺いましたが、それだけではやはり見られない、それで即返せるということにはならないと思うんです。だからこそ、個別の事情を自治体が判断し、それを尊重することになっていたはずだと思います。その基本は変わらないということで、改めて確認したいんですが、よろしいですね。
○加藤政府参考人 お答えをいたします。
 お話がございましたけれども、先ほどもお答えしましたとおり、債務者が無資力またはこれに近い状態にあり、かつ、弁済することができる見込みがないと認める場合、これが地方自治法施行令に基づき免除することが可能となっているものでございまして、そこの判断におきまして、市町村において、債務者が現に償還できない状態となった場合に、債務者の収入の状況、年齢、家族の状況等に鑑み、客観的に判断できる場合に免除が可能となるというふうに考えておるところでございます。
 国といたしましては、無資力のため弁済を行っておらず、生活保護を現に受けている、または生活保護と同程度の生活状況にあり、将来にわたって貸付金の償還ができないと認められる場合というようなことでございますので、市町村が判断する場合におきましても、このような例を踏まえて適切な判断をしていただくことになるというふうに思います。
○堀内(照)委員 ですから、そこの市町村の判断が尊重されるべきなんだと思うんです。
 それで、自宅再建を果たした人でも二重ローンに苦しんで、私の知り合いでも九十歳を超えてもまだローンが残っているという方もおられます。負担に耐えられずに、せっかく再建した自宅を泣く泣く手放さざるを得なくなったという人も少なくありません。
 今、留意事項のことを申し上げましたけれども、この中には持ち家を資産とみなすかどうかということなんかもちょっと記載をされているわけでありますけれども、それで返せるだろう、余裕があるだろうということになれば、せっかく再建した自宅をこういう負債によってまた手放すということになったら、もともとの援護資金の意味合い、生活再建に資するために貸し付けたものだと思うんですけれども、何のための援護資金だったのかということになると私は思いますので、やはり個々の家庭の事情、返済できるかどうかというのは、そういった、今少しおっしゃっていましたけれども、個々の家庭によって事情はさまざまあるわけですから、その個別の事情を自治体が判断するということをぜひ尊重していただきたいと思っているんです。
 これは通告していませんが、大臣にもこの点、ちょっと一点だけ伺いたいんです。
 東日本大震災を受けて、二〇一三年に災害対策基本法が改正された際に、被災者一人一人の生活再建を図ることが大事だということを当時の古屋大臣から答弁もありました。この間、私、山谷大臣、それから河野大臣、同じくこの問題、同じ思いかということで確認させていただきました。
 当然これは松本大臣も同じ立場だと思うんですが、一人一人の生活再建というこの災害対策基本法の精神、立場から見れば、今の援護資金の問題でも、個別の事情を自治体が判断するわけですから、ぜひやはりそこの配慮、尊重するということを、当然だと思うんですが、大臣から一言いただきたいと思います。
○松本国務大臣 災害対策基本法におきましては、基本理念として、被災者の年齢、性別、障害の有無その他の被災者の事情を踏まえ、その時期に応じて適切に被災者を援護することが掲げられており、被災者の生活再建に当たりましては、被災者一人一人の御事情を踏まえた対応を行うことが大変重要であると考えております。
 これまでの災害対応におきましても、被災者や地域の実情に応じた対応がとられてきたものと承知をしております。
 今後とも、被災者の方々が一日も早く日常の生活を取り戻すことができるよう、被災地の声によく耳を傾け、被災者一人一人に寄り添ってしっかり取り組んでまいりたいと存じます。(加藤政府参考人「委員長、補足答弁」と呼ぶ)
○秋葉委員長 加藤統括官。(堀内(照)委員「いや、答弁、求めていません。委員長」と呼ぶ)
 では、簡潔にお願いします、一言。
○加藤政府参考人 はい。
 個別具体のお話もあろうと思いますので、関係省庁の方に公共団体の方からも御相談いただいて、またよく相談していきたいと思います。
○堀内(照)委員 それでは最後に、阪神・淡路大震災の残された一番大きな課題だと私は思っております借り上げ復興住宅からの被災者追い出しの問題であります。
 震災当時、被災者が入居する公営住宅が圧倒的に足りず、民間やURの住宅を借り上げて公営住宅とするという手法がとられました。その期限である二十年が来たからということで、今、行政から被災者が退去を求められております。
 この間、期限が過ぎても退去できない被災者を西宮市と神戸市が提訴しております。被災自治体が被災者を訴えるということで、全国からも驚きの声が上がりました。
 きょうは国土交通省から藤井政務官にも来ていただきました。伺いたいと思うんですが、この借り上げ住宅というのは、阪神・淡路大震災を受けて、被災者が仮設住宅から恒久住宅へ移るというその政策の中で公営住宅をどうつくっていくのか、そういう議論の中で公住法が改正されてできた制度だと思います。
 法改正のときのこの経過に照らして、期限を迎えた二十年後の帰結として、裁判になるようなこういう事態というのがふさわしいあり方だと言えるでしょうか。
○藤井大臣政務官 お答えいたします。
 借り上げ公営住宅に入居されている皆様の居住の安定確保につきましては、まずは、第一義的には地方公共団体において丁寧に対応されるべきものと考えております。
 阪神・淡路大震災に係る借り上げ公営住宅につきましては、兵庫県、神戸市等におきまして、現在約三千世帯が入居されておりまして、借り上げ期間が満了する方につきましては、各地方公共団体において、公営住宅法第二十二条に基づき、他の公営住宅への特定入居、公募によらない公営住宅への入居ですね、これをあっせんさせていただいております。
 また、兵庫県、神戸市等では、特定入居に加えまして、高齢者の皆様や手厚い介護が必要な皆様に対し、入居期限を延長し、継続入居を認める、その他の皆様につきましても、住みかえ希望先の公営住宅に入居決定するまで最長五年の猶予期間を設けるといった対応をしていると承知しております。
 このような中、神戸市、西宮市におきましては、入居者の皆様と話し合いを重ねましたが、借り上げ期間の満了を迎えた公営住宅に入居していた計十四世帯に対しまして、公営住宅法に基づく明け渡し請求を行い、さらに建物の明け渡し等を求めて提訴に至ったと聞いております。
 政府といたしましては、訴訟中の件につきましてコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思っております。
 いずれにいたしましても、国土交通省といたしましては、各地方公共団体におきまして、入居者の事情等を勘案した丁寧かつ適切な対応をしていくべきものと考えております。
○堀内(照)委員 丁寧、適切な対応が必要だということでありまして、私は、それから見ると、提訴というのが果たしてふさわしいのかと。
 今、話し合いを重ねてきたということでおっしゃいましたけれども、実際には退去ありきの説得で、とてもじゃないけれども自分たちの思いを聞いてもらえないというのが被災者の側の受けとめであります。
 資料では、四枚目に、各自治体での取り扱い、一覧表にしておきました。今政務官からも幾つか紹介がありました。西宮市は猶予があるものの全員退去であります。神戸市は年齢などの要件で幾つか継続はあるんですが、しかし、それが被災者にとって非情な線引きにもなっております。
 資料の五枚目、六枚目に、私、以前、二年前の予算委員会と一年前の当委員会で取り上げた議事録を少し載せておきました。
 五枚目の四角で囲んだ一番最初の事例ですね、これは神戸市の方ですが、神戸市は八十五歳以上は継続入居を認めておりますが、この方は期限が来るときに八十四歳十一カ月なんです。一カ月足りないんです。年金五万円で生活をされ、震災の後遺症で重いものが持てずに、買い物も数回に分けて行っている。スーパーや病院が近くにあるから何とか生活ができる。知り合いもこの二十年の中で近所にできたんだ、そういうつながりもある。およそそうした事情など関係なく転居を迫っているわけであります。
 特定入居をあっせんということでありますが、私はこれは一概に支援策にならないと思うんですね。こういう方に住みかえを強いるということは、生活基盤を破壊し、つながりを断ち切り、そしてそれが命に直結することになりかねないと思うんです。
 当時六十歳代だった人は、もう八十歳代であります。ここで人生を全うしたいというのは私は当然の願いだと思います。仮設住宅にいた際、ずっと移りたいと思って、ようやっと抽せんで当たったのが公営住宅なんですが、たまたま公営住宅の中でも借り上げだったわけであります。
 そもそも、二十年の期限ということも当初から知らされていない方もいるわけであります。神戸市当局も、復興五年目に発行した神戸復興誌によりますと、小規模団地などは、二十一年目以降についても引き続き借り上げを継続することを原則としたと書いている。神戸市行政も、継続することが前提だったんです。ところが、その後、これががらっと変わり、全く行政の都合でついの住みかを追われる。これは本当に理不尽だと思うんです。
 大臣に伺いたいと思うんです。先ほど、災害対策基本法の理念ということで、一人一人の生活再建ということで御答弁もいただきました。こういう立場で、私は、この借り上げの問題でも、線引きなどではなくて、個別の事情に即した対応というのが求められると思うんですけれども、いかがでしょうか。
○松本国務大臣 先ほども既に申し上げさせていただいておりますが、この被災者の生活再建ということに関しましては、被災者一人一人の御事情を踏まえた対応ということが大変重要であるという受けとめで対応をしていくことが重要だろうと思っております。
 被災者や、また地域の実情に応じた対応がこれまでの災害対策においてもとられてきたものと承知をしているところでありまして、今後、よく状況を見きわめていただいて対応するようにしていきたいと思います。
○堀内(照)委員 これはもちろん第一義的には自治体の問題でありますけれども、借り上げ住宅の制度は国からの補助も出ております。国がお金を出している事業で人命にかかわるような事態が起きて、国が傍観するということでいいのかという声が地元からも起こっておりますので、今大臣もおっしゃっていただきましたけれども、ぜひ一人一人の生活再建へと国としても責任を果たしていただきたいということを強く求めて、質問を終わります。
 ありがとうございます。