国会論戦・提案

2017年02月22日

JR西に正当性ない 神戸の商店街立ち退き問題 堀内議員

 日本共産党の堀内照文議員は22日、神戸市内の元町高架通商店街の鉄道工事に伴う立ち退き問題について質問しました。

 JR西日本は、「耐震化工事が必要」だとして立ち退きを迫っていましたが、国土交通省の奥田哲也鉄道局長は、現状でも「耐震(補強に関する)省令に基づく安全の規定を満たしている」と答弁。同社のいう立ち退き理由は正当性が無いことが改めて明らかになりました。

 JR西日本の計画では商店主らの借地権や建物所有権が奪われ、テナント契約となります。堀内氏は「45年間営業してきた店舗・財産が全てJRのものになるなんて理不尽だ」「仕事、収入、生活も全て失ってしまう」など悲痛な声を示し、「中小企業者への配慮義務」が盛り込まれた国交省の指針の精神に立って「国の責任を果たすべきだ」と迫りました。

 石井啓一国交相は「丁寧な説明で、理解を得ながら事業を進めていただきたい」と述べました。

2017年2月25日 しんぶん赤旗より

質問動画はこちら

 

 

議事録 2017年2月22日 予算委員会第八分科会

○堀内(照)分科員 日本共産党の堀内照文でございます。
 きょうは、地元の神戸で起こっておりますJR元町高架通り商店街の立ち退き問題について質問をさせていただきたいと思います。
 偶然か、偶然でもないですけれども、委員長席と答弁席と、兵庫県神戸の出身の方がほとんどでありまして、なじみもあるかと思います。
 この商店街ですが、神戸の中心街にあるJR元町駅からその西の神戸駅にかけて、およそ一・二キロにわたる高架下におよそ三百店舗が営業しております。通称モトコーと親しまれておりまして、古着や雑貨、またレコード、古本屋、昔懐かしい玩具を扱うお店やワープロなんかもあるような中古家電、と思えば、中華料理屋さんとか焼き肉屋さん、喫茶店、バーに呉服店や古物商と、本当に雑多なお店が連なっております。
 戦後の闇市から発展をしていて、終戦直後から営業しているお店もあって、昭和レトロの雰囲気が非常に人気であります。あるスニーカーブランドだけを扱う店なんかもありまして、そのブランドの靴の聖地と言われて、全国各地から、ここにしかないとお客さんも来られる。また、比較的安価に借りることができる狭い店舗もありますので、若い事業主が個性的な店を開業するなど、観光スポット、文化の発信地としても注目されております。
 この商店街で、およそ一年ほど前なんですが、JRから突然、借地契約の解除、立ち退きを迫られ、衝撃と困惑が広がっております。
 きょうは、資料の一枚目に、一枚目は私が日曜日にちょっと行って撮ってきた写真なんですが、ちょっと雰囲気がわかるかと思います。二枚目が朝日新聞の報道であります。「モトコーなくなる?」ということで報道されております。
 商店街の通路を挟んで浜側、南側はJRと借り手との間に神戸市も絡んだ三者契約であります。山側、北側はJRと借り手との直接契約でありますが、ともに三十年の契約です。ちょうど国鉄分割・民営化と同時に交わされた契約であります。山側がことしの三月末と、期限が迫っております。浜側はいろいろ経過があって一年おくれで、来年の三月末が期限であります。
 この間、法務省とも私はやりとりさせていただきましたが、鉄道の高架下の土地だからといって、借地借家法が適用されないというわけじゃありません。商店街の皆さんは、JRと三十年にもわたる借地契約を交わし、地代を払ってきた関係にあるわけであります。
 まず、法務省に伺いたいと思います。借地借家法では、どういう場合に契約の更新の拒絶ということができるのか、認められているのかということを確認したいと思います。
○金子政府参考人 お答えいたします。
 借地契約の更新拒絶が認められるためには、正当事由が必要です。正当事由があるかどうかということを認める判断要素としては、借地権の設定者、地主側ですね、それから借地権者が土地の使用を必要とする事情のほか、借地に関する従前の経過、土地の利用状況、借地権設定者が土地の明け渡しの条件として、または土地の明け渡しと引きかえに借地権者に対して財産上の給付をする、いわゆる立ち退き料と言われているものですが、この旨の申し出をした場合にその申し出、こういうことを考慮して、正当事由があるか認められるかどうか判断する、正当事由が認められる場合に更新拒絶ができる、こういうことになっております。
○堀内(照)分科員 双方の土地の必要性ですとかこれまでの経過、そして土地の利用状況、明け渡し条件などを考慮して、そこに正当事由があるかどうか、理由に正当性があるかどうかということが大事なんだと思います。
 JRは当初、契約解除、立ち退きの理由として、耐震工事が必要だ、狭いのでのいてもらわないと工事ができない、こう言っていたわけであります。七月の説明会でも、昭和五十六年以前の新耐震基準以前のもので、耐震性に疑問があるというふうに説明をされておりました。
 これも法務省に確認したいと思います。鉄道高架の耐震化というのは、こういう契約更新を拒否する、明け渡しを求める正当事由になるんでしょうか。
○金子政府参考人 お答えいたします。
 借地権の設定者が耐震補強を理由として借地契約の更新を拒絶することができるかどうかというお尋ねですが、先ほど申し上げたとおり、正当事由の存否があるかという考慮事情のうち、耐震補強を理由とする場合は、土地の借地権者側が土地の使用を必要とする事情に当たると考えられます。したがって、借地権設定者による更新拒絶の正当事由があるかどうかを判断する上での考慮要素の一つにはなるというふうに思われます。
 もっとも、先ほど申し上げましたとおり、正当事由の有無は、これ以外の事情も考慮して総合的に、また個別事案に応じて判断されるものですので、委員の御指摘のような場合に借地権設定者の借地契約の更新拒絶に正当事由が認められるかどうか、これだけで一概にお答えするということが困難であるということで御了承いただきたいと思います。
○堀内(照)分科員 ですから、実際にそれが正当事由になるかどうかというのはわかりませんけれども、しかし、考慮要素の一つになり得るということですから、JRも相応の理由として説明してきたんだろうと思うんです。先ほど紹介しましたように、耐震性に疑問があるということまで説明会では断言をしておりました。
 国交省に確認したいと思います。鉄道高架橋の耐震について国はどのような基準を示していて、この問題になっている当該区間はどうなっているのかということをお答えいただきたいと思います。
○奥田政府参考人 お答えいたします。
 それに関しましては、特定鉄道等施設に係る耐震補強に関する省令、いわゆる耐震省令というものがございます。国土交通大臣が定めた鉄道施設の地震に対する安全性を向上させるための耐震補強について定めた省令でございます。
 具体的には、大規模な地震が発生する地域、首都直下地震及び南海トラフ地震で震度六強以上が想定される地域等におきまして、一日当たり平均片道断面輸送量が一万人以上の線区にある高架橋等、それから、緊急輸送道路等と交差または隣接して並走する線区にある橋梁、もう一つは、一日当たりの平均乗降客が一万人以上の駅等を耐震補強の対象施設、特定鉄道等施設としているところでございます。
 また、これらの施設の耐震補強の方法といたしましては、高架橋については、柱が折れて上部が落ちる、落橋するような深刻な損傷を防ぐよう補強すること、例えば高架橋の柱を鋼板で巻く等でございます。それから、橋梁につきましては、橋桁自体が落下しないよう、落橋防止工の設置により補強すること、例えば桁受けを拡幅する等などが定められてございます。
 さらに、耐震補強の目標年度を平成二十九年度とし、緊急輸送道路と交差または並行する箇所においては速やかに実施するということにしております。
 お尋ねのJR神戸線元町高架通り商店街区間における高架橋につきましては、一日当たり平均断面輸送量が一万人以上の線区にある高架橋等、特定鉄道等施設に該当いたしますが、耐震診断の結果、柱が折れて上部が落橋するような深刻な損傷が起こらないとされたことから、耐震省令の安全度に関する規定を満たしているところでございます。
 一方、JR西日本は、当該高架橋の上部が大きく変形する損傷を防ぐため、耐震省令に基づく対策とは別に耐震補強を行うことを考えているというふうに聞いているところでございます。
○堀内(照)分科員 安全はどこまでも補強するにこしたことはないので、それ以上やるというのは当然あるんだろうと思いますが、今ありましたように、耐震省令に基づく安全の条件は満たしているわけであります。
 昨年の九月に、私の事務所からこのことを問い合わせまして、今あったようなことも国土交通省から紹介いただきましたので、それが明らかになって、借り主、商店街の皆さんは、どういうことだ、話が違うという声が当然上がったわけであります。
 十一月の二度目の説明会では、今度は一転して、JRの側は、防火、防犯のためだということを強調し始めまして、その課題があるので再整備への協力を依頼しているんだ、耐震化工事は、高架下再整備の機会にあわせてさらなる安全性の向上のためなんだと。鉄道局ともちょっとレクチャーしていただいたときに、JRからどんな説明があったんだと聞きますと、いや、ついでにやる程度の報告だと私は聞きまして、本当に驚いたんですが、商店街の皆さんは一層不信感を募らせているわけであります。
 契約更新をしない理由が途中でこう変わっているわけですから、もはや正当事由があるとはとても言えないということは明らかだと思います。
 そこで、JRは、立ち退かせた後、高架下をどういうふうにしようとしているのか。これまで二度の説明会で示された提案を見て、商店街の皆さんは大変驚いております。
 リニューアル案、資料の三枚目に、ちょっと契約がどう変わるのかということで載せておきましたけれども、店舗を新築して、JR西日本不動産開発が一括所有する。商店街、契約者らと再契約することもあるんだと言いましたけれども、重大なのは、契約のあり方が根本から変わってしまうということであります。
 これまでは、高架下店舗の建物は、借地権者、契約者が所有しておりました。これは資料の左側の「現状」というところですね。浜側、青色と、山側、赤色で契約形態が少し違いますけれども、いずれにしても、組合員、契約者いずれも、ですから契約当事者ですね、これが建物所有者、括弧で書いてあるとおりなんです。それが、「今後」ということで右側になりますと、建物所有者がJR西日本不動産開発になるということであります。
 これまで借地権者、建物所有者だった皆さんが、ただのたな子、テナントとしてしか再契約できなくなるわけであります。しかも、この上にありますように、JR西日本不動産開発側が期間を自由に設定できる定期借家契約だということであります。権利関係が全く変わってしまうわけであります。
 法務省にこれも確認したいんですが、借地借家法では、第五条に借地契約の更新請求の規定があると思うんですが、これを説明いただけますでしょうか。
○金子政府参考人 お答えいたします。
 借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を望んでその請求をしたという場合には、その借地上に建物がある場合に限り、契約期間はちょっと別の規定があるんですが、それ以外のところは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされるということになっております。ただし、借地権の設定者が遅滞なく異議を述べたときはこの限りでないとなっていまして、その異議が認められるためには、先ほど申し上げたような正当な事由が必要だということになります。
 ちょっと先ほどの答弁で一点、私、間違ったようですが、耐震補強を行うのは借地権設定者側ということになると理解しましたので、借地権設定者側が使用する必要性ということで、必要とする事情に当たるということで、先ほど私、借地権者側が土地の使用を必要とする事情に当たるというふうに申し上げてしまいましたが、その点、訂正させていただきます。
○堀内(照)分科員 やはり貸し手の側に正当事由がなければ、借地権者が望めば、従前と同一条件で契約更新ができるんだ、契約更新されるとみなされるんだということだと思います。
 耐震から防火、防犯へと理由が変わる、正当事由がないということは先ほども指摘したとおりです。
 すぐ隣の三宮の高架下商店街では、同様の工事が行われたんですが、こちらは契約が更新されて、工事期間の十カ月間だけ別の場所に一旦移転した後に、もとの場所に借地権者、建物所有者として戻っているわけであります。これはできるわけであります。このことを見ても、契約を打ち切ってまで立ち退かせなければ工事ができないというわけではないわけです。
 従前の契約が継続すれば、借地権者、契約者の皆さんは、引き続き借地権者、建物所有者としての権利があるわけですが、JRが示している再契約だと、一切の権利を放棄させられるということになるわけであります。また、戻る際に発生する新たな内装や設備費用などは自己負担、テナント賃料も近隣新築並みにするということで相当はね上がる。工事中の移転費用などの補償もまだはっきりしません。これではとても戻れないという声が相次いでいます。
 これは新聞報道でありましたが、ある方は、二年前に一千九百万円かけて内装工事をした、建物補償について説明されない、賃料も二倍以上になる、移転後の内装なども考えると数千万円の損失だという声が上がっております。しかも、リニューアル後の店舗には、飲食、物販、サービス業しか入居が認められておりません。これまで事務所や倉庫として使用してきた方々は、文字どおり追い出されることになるわけであります。
 私も、直接商店街の皆さんからお話を伺ってまいりました。四十五年間営業してきたという方、その個人の財産が全てJR西日本不動産開発のものになる、本当に理不尽だと言っておられました。また、こういう方もおられました。毎月誠実に地代を払ってきたのに、まるで追い剥ぎのように追い払う、余りにひどいという声でありました。
 借地借家法のもとで、このような本来守られるべき権利が侵害されるようなことがあってはならないと思います。
 これは法務省に再度確認ということでありますが、正当事由がなければ、本来契約の更新に異議が挟めないわけでありますから、更新しない、打ち切るということは法的にはあり得ないということを確認したいことと、仮に、借地権設定者、貸し手側が当初正当だと主張していたその事由が正当でないと認められた場合どうなるのかということを伺いたいと思います。
○金子政府参考人 お答えいたします。
 先ほども御説明しましたが、契約の更新を拒絶するには正当事由が必要です。正当事由があると認められなければ、原則、従前の契約と同一の条件で更新したものとみなされるということになりますので、更新拒絶はされない、契約が継続するということになります。
○堀内(照)分科員 ですから、正当事由が崩れると、今JRがやろうとしていることは法的には成り立たないということなんだと思います。当然、契約は従前どおり更新されているとみなされるということであります。
 十一月の説明会で示されたリニューアル案を見て、商店街の皆さんからは、JR西日本は高い家賃でも入居できる大手だけ相手にしてもうけたいがために、自分たちは追い出されるんじゃないかという声が上がったといいます。
 JR西日本の経営の実態ということで少し見ていきたいんですが、先日の予算委員会で我が党の本村伸子議員も取り上げましたが、国鉄改革当時、JR各社が効率的な運営を行うと収入の一%程度の経常利益を上げることができるとして、債務負担額が決められました。しかし、実際には、JR東海の二〇一五年度の売上高経常利益率は三六・一%と、当初見込みの三十六倍以上の利益だということが質疑の中で明らかになりました。これは私も驚きましたが、そのとき本村議員が出していた資料にもありました、JR西日本も一二・二%、十二倍以上であります。
 これはどこでもうけているのか。JR西日本のセグメント別、業種別の収益の推移がどうなっているのか、これは国交省にお答えいただきたいと思いますが、運輸業、流通業、不動産業について、比較ができる二〇〇〇年と直近とでそれぞれ何倍の伸びになっているか、お答えいただきたいと思います。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 JR西日本のお尋ねのセグメント別収益の、二〇〇〇年度、平成十二年度から直近の二〇一五年度、平成二十七年度までの伸び率は、運輸業が七・六%、流通業が二〇・七%、不動産業が九一・五%となっております。
○堀内(照)分科員 不動産業が突出して二倍近い伸びになっているわけであります。
 営業利益で見るとどうか。運輸業以外の事業、いわゆる非鉄道事業の利益の比率は今全体の三割を超えているわけですが、この非鉄道事業の営業利益の中で不動産業が占める割合がどうなっているのかというのも確認したいと思います。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 JR西日本の直近の二〇一五年度、平成二十七年度における非鉄道事業の営業利益に占める不動産業の営業利益の割合ということでいいますと、五四・一%ということでございます。
○堀内(照)分科員 もちろん、全体的には運輸部門の比重というのが大きいわけですが、関連事業、非鉄道事業では不動産業がいわば一番の稼ぎ頭になっているということだと思います。
 この間、JR西日本は、広島県の横川や大阪の環状線沿線など、各地で高架下を含むリニューアルを進めております。企業である以上、もうけを上げること自体は私は悪いと言うつもりは全然ありません。しかし、大きな企業が、しかも、もとをたどれば国鉄からの大きな負債を国民の税金で肩がわり、利益を保証してもらいながら、地域の商店を犠牲にしてまで関連事業、不動産業でのもうけに走っているのだとすれば、それが果たして適切な事業のあり方と言えるのだろうかということを私は問いたいと思うんです。
 国鉄の分割・民営化の際、鉄道事業以外の事業について、地域経済への影響の大きさから中小企業者への配慮義務がJR会社法に盛り込まれ、JR西日本などが完全民営化する際には、それと同様の趣旨が指針に盛り込まれたと思います。
 これも国交省に確認したいんですが、この指針の中小企業者への配慮に関する事項には何が書かれているのか、また、そもそもどうしてこういう指針が完全民営化後も策定されたのか、さらには、それを踏まえた事業経営を確保するために大臣にはどのような権限が与えられているのか、これを確認したいと思います。
○奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 JR本州三社は、会社の規模が大きく、大量の利用者が集散する駅を有しているため、関連事業の規模等によっては周辺の中小企業に大きな影響を与えるおそれがあります。
 このため、JR本州三社に対しては、完全民営化後も、指針に基づき中小企業に配慮した事業展開を行うよう求めております。
 具体的には、指針に基づき、JR会社が関連事業を行う場合に、同種の事業を営む中小企業者の事業活動を不当に妨げ、またはその利益を不当に侵害することのないよう特に配慮するということが求められております。
 また、この指針を踏まえた事業運営を確保するため必要があると認めるときは、国土交通大臣が指導、助言、また必要に応じ勧告、命令を行うことができるということにされております。
○堀内(照)分科員 やはり国鉄改革からの経過から大きな影響はあるんだということで、そういう指針が盛り込まれているんだと。
 今紹介いただきました中小企業者への配慮する事項の前段には、その事業を営む地域及び社会の健全な発展の基盤を確保するためということで、目的も明らかに明記されております。これは、もともとJR会社法のときには法律の条文にも明記されていて、そのときのJR会社法に基づく中では事業計画などは大臣の認可事項になっていましたから、大変重い規定なんだと思います。
 完全民営化で適用除外になったとはいえ、同趣旨の規定が指針で盛り込まれたわけですから、それに基づいて、私は、大臣にはJRに対してこの指針を踏まえた事業経営を行わせる責任があるということなんだと思うんです。
 商店街の皆さんの願いは、やはり多くは、まず契約更新してほしいというものであります。耐震化工事そのものを否定しているわけでもありません。ただでさえ大企業と個人商店という不利な関係であります。せめて契約更新をして、借地権者として、必要な工事なら、ではどうやって進めるのか、商店街としてどうあるべきなのか、JRとしっかり話し合いたいというものであります。
 それを一顧だにせずに、戦後長きにわたって営業を続けてきた特色ある商店街がJRによって一気になくされかねないというのが今回の問題なんだと思います。個々の商店街の皆さんにとってみれば、借地権、建物所有権、一切の権利を奪われるということであります。
 大臣に最後に伺いたいんですが、こういうJRのやり方というのは、私はやはり指針に照らして問題だと思います。国としてJRに対して、指針を踏まえて地域の商店の営業や地域経済への配慮を求める、そういうことが必要なんじゃないでしょうか。
○石井国務大臣 JR本州三社に対する指針におきましては、JR会社が関連事業を行う場合に、同種の事業を営む中小企業者の事業活動を不当に妨げ、またはその利益を不当に侵害することのないよう特に配慮することが求められております。
 今委員御指摘の件につきましては、防火、防犯上の課題を解消するための高架下の再整備や、これにあわせた耐震補強工事を行う目的で高架下の商店街に協力をお願いしているものであると聞いておりまして、JR本州三社に対する指針で示されているように、JR西日本が関連事業を行うことによって同種の事業を営む中小企業の事業活動を圧迫している事例には当たらないと考えております。
 ただ、いずれにいたしましても、JR西日本においては、関係者に対して十分かつ丁寧に説明を行い、理解を得ながら事業を進めていただきたいと考えているところでございます。
○堀内(照)分科員 関連事業を行うことによって営業を妨げるということではないんだということでありますが、しかし、これは当事者そのものを追い出すやり方で、私はむしろもっとひどいと言わなければならないと思っております。
 先ほども言いましたけれども、中小企業者に配慮する事項の前段には、やはりJRが事業を営む地域の健全な発展の基盤を確保するんだということも言われているわけですから、その立場にぜひ立って、これは、十分な説明だけではなくて、丁寧な説明だけではなくて、やはり事業者の思いをどう酌むのかということなんだと思っております。
 JRは当初、説明会すら開かないと言っていたんです。皆さんの声の中でようやく二回は開いたんですけれども、まだまだ不十分です。
 今の店の改装などで一千数百万円投資したという方も、これも全部無駄になるじゃないか、急に退去、リニューアルと一方的に聞かされても納得いかない。また、モトコーが好きで一日でも長く営業したいけれども、新築同等の家賃だと金銭的には耐えられない、そして、営業を奪われたら、仕事、収入、生活、財産、社会的信用、そして従業員とその家族の生活含めて全て失ってしまうんだと、本当に悲痛な声であります。
 大臣、最後、もう一度お願いしたいんですが、指針の精神に立って、JRに対する国の責任といいますか、そういう点ではもう少し何かできることがあるかと思うんですが、一言、最後に。
○石井国務大臣 重ねての御答弁になりますが、JR西日本におきましては、関係者に対して十分かつ丁寧に説明を行っていただき、理解を得ながら事業を進めていただきたいと考えております。
○堀内(照)分科員 事業者の思い、これは丁寧な説明だけでは私はいかないと思いますので、ぜひそこは国としてもしっかり目を配っていただきたい、さらに踏み込んでいただきたいということを重ねてお願いして、私の質問といたします。
 ありがとうございました。