国会論戦・提案

2016年11月24日

台風被害に「国支援を」 衆院災害特委で参考人質疑

台風被害に「国支援を」 堀内議員 参考人質疑で主張 衆院災害特委

衆院災害対策特別委員会は24日、台風10号等による北海道・東北地方の被害状況と復旧・復興策について参考人質疑を行いました。

 高齢者グループホームで9人が亡くなるなど甚大な被害が出た岩手県岩泉町の伊達勝身町長は、被害総額が東日本大震災の10倍(445億円)に上るとし、復興には国の「人的・財政的支援をお願いするしかない」と訴えました。

 空知川の氾濫で市街地の3分の1が浸水した北海道南富良野町の池部彰町長は、「道の駅南ふらの」の防災拠点化のための機能強化や森林整備などへの支援を求めました。

 日本共産党の堀内照文議員が質疑に立ち、被災者支援への国の責任を強調。グループ補助金制度の適用や、北海道の農地復旧費の補助限度額の他都府県並み引き上げを主張しました。伊達、池部両町長も同様の要望をしました。

 堀内氏は、自治体職員の拡充と防災専門家配置の必要性も指摘。伊達町長は「十数年来、行政改革の下で人員削減を強烈に指導され、本町も減らしてきた。人の配置はもちろん、災害時に迅速・柔軟に対応できる人材をいかに育てるかが課題だ」と述べました。

2016年11月27日しんぶん赤旗より

動画はこちら↓

https://youtu.be/YLK5GNcdGss

 

 議事録

第192回国会 災害対策特別委員会 第4号
平成二十八年十一月二十四日(木曜日)

○堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文です。
 きょうは、貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございます。
 改めまして、犠牲になられた方々、そして被災者の皆さんにお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。
 とりわけ二人の町長におかれましては、発災時、文字どおり不眠不休の救援活動に当たられたことでしょうし、今後も復旧復興へ向けて本当に重責を担っておられることだ、その思いを十五分ではとても語り切れない、そういうことだろうときょうは聞かせていただきました。
 それだけに、私は国の支援は本当に大事なんだと思っています。伊達町長からは、とりわけ人的、財政的支援ということで強調もされました。その角度から、私は幾つかきょうはお伺いしたいと思っています。
 一つは、伊達町長に伺いたいと思います。
 九人が犠牲になられました高齢者施設楽ん楽ん、こういう悲劇をいかに繰り返させないのかということでお伺いしたいと思います。
 小本川は、今ありましたように、浸水想定区域に指定されておりませんでした。指定されていましても、指定された区域内にある要配慮者施設は避難計画の策定を努力義務として今課されているわけですが、始まったばかりでありまして、進んでいる県は進んでいるんですけれども、おくれているところは非常におくれもございます。岩手県では、ことし三月末時点では、対象三百四十五施設中、まだ一施設でしかありません。
 区域指定をやって、正確なハザードマップをつくって、しっかりお知らせする。施設も、しっかりそれに基づく計画を策定する。これはもちろん大前提で進めなければなりません。
 同時に、報道を見ましたら、別の施設では、日ごろからともに訓練していた消防団に助けられたんだという報道もありました。また、さきの鳥取地震では、要支援者避難の個別計画を対象者の八割まで持ちながら、支援者が決まらないということもあって、機能しなかったという報道もありました。
 とりわけ要配慮者施設での避難ということは、人的にも非常に人員を要するわけであります。訓練を通して日ごろから地域や種々の行政組織としっかり連携を図っていくということも大事なんだろうと思います。今、そういう個人情報については消防や警察とも共有されているというお話もございましたし、自主防災組織がいろいろ活躍しているんだという話もありました。
 各施設での避難計画のこういう策定や、そして何より日常の訓練、そういうことなど、今回のような犠牲を二度と繰り返さないための対策を実際に進めていく上で何が必要であるかということ、国への要望も含めてお考えをぜひお聞かせいただきたいと思っております。
○伊達参考人 お答えをいたしたいと存じます。
 例えば、私どもは津波の避難計画の避難訓練、年一回は必ずやるわけでありますけれども、実は、数年前まではそういった避難の訓練には学校は参加をいたしませんでした。これはなぜかといいましたら、津波のそういった避難訓練は早朝にやるものですから、学校は早朝は出てこないということで、大分時間をかけてお願いをして、避難訓練の開始時間をおくらせて、小学校、中学校も参加させるようにしたわけでありますが、そういったことから、地域みんなが参加しなければ訓練は意味がない、私はそう思っております。
 しかも、その中で、必ず地域には動けない人もいます。それから、病気の方もいらっしゃいますので、そういったものをやはりどこまで周知するかは、これはちょっと個人情報の関係がありますけれども、少なくとも地域の担当する保健師とか自主防災組織の皆さん方はちゃんと把握しておいて、例えばAさんはBさんのところへ行って確認をしておんぶしてくるとか、そういった形まで実は津波の際には訓練をしているわけでありますが、先ほど申し上げましたように、河川の場合にはそこまではまだ至っておりませんでした。
 今回は、そういった形で、ハードの点についてお願いすることはもちろんでありますけれども、まさに、いざとなったときにどうしたら命を守れるかを最優先した訓練というものをやはり継続して続けるべきだろう。しかも、その中で、先ほども申し上げたように、大事なのは、学校の参加をぜひお願いをして、まさに防災訓練というものを、防災教育というものを、小学校、中学校も共有をしていかないとだめだというのを今回また改めて感じたところでありますので、そういった方向で進めてまいりたい、そう考えております。
○堀内(照)委員 ありがとうございます。
 池部町長にもお伺いしたいと思います。
 南富良野でも、浸水想定区域ではなかった。そこで、福祉避難所である「みなくる」ですか、保健福祉センターも浸水をして、再避難を余儀なくされたということも報道で拝見いたしました。この点でも、しっかり区域指定し、それに基づく避難のあり方ということが必要だと思うんですが、とりわけ避難所のあり方、ここへの課題や今後の改善に向けて、国への要望も含めて、ぜひお聞かせいただきたいと思っています。
○池部参考人 今の堀内委員のお話は、本当にありがたいお話を今いただいたなと思っているんです。
 実は、南富良野は、今までも災害があったとき、特に冬なんです、ほとんど狩勝峠の国道三十八号線がとまるということの中で、それに伴った避難が、今の「みなくる」で随分やってきました。観光バスで来た方が、狩勝峠がとまって、狩勝を越えられない、それで観光バスの方々も避難をしたり、ここ四年の間に大体三回ほど、今回は特に水害ということで、冬もとまったし、夏もとまったということでありまして、まさに国道三十八号線、命の道というお話も先ほどさせていただきましたけれども、そんな中では大切な避難所としていたのでありますけれども、今回は夏場の堤防決壊という想定外の中での浸水でありました。
 それで、二階に上がって、垂直避難ということで事なきを得たのでありまするけれども、道の駅含めて、いた車がざあっと流されて、ヘリコプターで人をつり上げる、そんなような状況の中でも何とか人命をなくすことなく頑張れたということは、先ほどもお話をしたとおりであります。
 今、施設についてでありますけれども、何とか道の駅の整備をまたしなきゃならないんです。これを防災拠点道の駅にしていきたいというふうに思っているんです。狩勝越えをする、十勝につながる唯一の道の駅でございますので、ここをランク上げしたいと思っているんですけれども、そういうところに本当は今度避難所をまたつくらせていただきたいと思っていますし、そういう部分についても、ぜひともまた国の方からの御協力もいただければ、なければできませんので、ぜひともそこら辺についてもお力添えをいただければと思います。
○堀内(照)委員 ありがとうございます。
 続いても両町長にお伺いしたいんですが、職員の体制の問題なんです。
 先ほどもございました、本当に少ない職員の中で、上流部が大変なことになっている、住民からもいろいろな問い合わせがあるということで、なかなか対応がおくれたという報道もありましたし、南富良野でも、全戸へ電話や訪問も含めて、とにかくたたき起こしてでもということもありましたが、しかし、避難指示が伝わらなかった福祉施設もあるということも報道されておりました。
 今回の経験を踏まえて、こうした体制上の課題、これはどのようにすれば克服ができるのか、これが一点です。
 もう一点は、その中でも、やはり防災の専門家の配置、これは本当に大事なんだと思うんです。避難勧告一つとっても、山合い、谷合い、一つ谷筋が変わるだけでも随分状況が違ってくる。そういったことも、知見を有した専門家がいるといないとでは全く違ってくるんだと思うんです。
 そうした人の配置、配置が難しくとも、そういう方と連携をしていく、そういったことなんかがやはり今後必要なんだと思うんです。そして、そこへ国がどう支援するかということが本当に求められていると思うんですけれども、その点についてのお考え、両町長にお伺いしたいと思います。
○伊達参考人 お答えをいたします。
 実は、どこの市町村でも、全国的にそうでありましたが、十数年前から行政改革ということでかなり強烈に指導をされたわけであります。人員を何%削減しなければどうのこうのという形があったわけでありまして、私も町長に就任してからかなりな職員を減らしてまいりました。そのやさきがあの東日本大震災の大津波であったわけでありまして、やはりこれは限界があるというのをつくづく感じたわけであります。
 特に、その後、大震災の後で構成しているのは、その前からもあったんですが、役場の職員で消防団を結成しておりまして、例えば、どこかで火事があったとかいうときには、消防車一台、古いものではありますけれども置いておきますので、それがいち早く駆けつけられるような、そういった体制までもつくっております。
 ですから、書き物でつくる、あるいは人を、プロを配置する、そういったことはもちろん第一義的には必要でありますけれども、問題は、そういった事件といいますか事故が発生したときに、いち早く柔軟に対応できる人材をどう育てていくかというのがより難しいんだろうなと私は考えております。
 ですから、専門家、専門家とよくおっしゃいますけれども、専門家にまさるような柔軟性を持った地域住民といいますか職員といいますか、そういったものを育てていきたいというのが今の私の願いであります。もちろん、防災士の資格を持ったのも数名おります。資格を持っていてもそれを生かさなければ意味がありませんので、そういった資格があってもなくても柔軟にすぐ行動できるような、そういった職員を育てていくという、そういったことを今回新たに決意をした次第であります。
 よろしくお願いします。
○池部参考人 お答えさせていただきます。
 職員が一生懸命、一軒一軒回ってやったんですけれども、隣のうちには来ていたようだけれども私のところには来なかったよという話も現にあるんです。そんな中では、一生懸命回ったといいながらも、職員の数も、今、岩泉の伊達町長さんからもお話がありましたように、職員の数も減らしてきた経過もございますので、やはりそこら辺は、マンパワーでやる部分については限度があるということでありますので、今後は防災無線を整備していかなきゃならないんじゃないかというふうに思っているところでございます。
 しかし、これについては大変なお金がかかるわけでございまして、これらにつきましても、特にそういう被災をしたところ、またぞろそういうことがあってはならないわけでありますので、ここについてはぜひともまたお国の方で、何とか防災無線に対する補助をしていただけるようなことでお願いをしたいと思います。
 防災に対する専門員をというお話も今いただきました。
 先ほどもお答えをした中でもありましたけれども、初めて防災室というのをつくらせていただいて、こんなことになったわけでありますけれども、やはり役場の職員ではそこら辺の専門的な部分で、地域のコミュニケーションをとっていく、コミュニティーという部分についてはできますけれども、なかなか具体的なそこまでの部分が難しいので、これらにつきましても、専門家を置きたいというふうに現在思っているところでございますので、またお力添えをいただければと思います。
○堀内(照)委員 ありがとうございました。
 片田先生と清水先生、お二人にお伺いしたいと思うんです。
 きょう、お話の中で、清水先生からは、気候変動や降雨特性の変化を踏まえた計画の見直しとそれから想定を超えるような対応、その点ではソフト対策ということも言及があったと思うんです。
 片田先生の雑誌でのインタビューでしたか、私、拝読させていただきましたが、子供たちへの教育、十年続ければ大人になり、さらに十年で親になる、これはよかれループになるんだという話も、ああ、なるほどなと思いました。
 先日、この委員会の質疑で我が党の議員が質問したんですが、政府から、公立高校での地学の履修者、地学基礎は二六・九%、地学というのを履修したのはたった〇・八%だということでありまして、自分が住んでいる地域の成り立ちや災害の危険度合いを知るという上ではこういう教育は本当に大事だなと思ったんですが、この点で御所見ございましたらよろしくお願いします。
○片田参考人 御指摘のとおりだと思います。
 大学の入試を見ておりましても、理科の受験科目、生物や地学や物理やいろいろあるんですけれども、地学で受験してくる受験者はほぼゼロです。それは、高校の中で地学教育がなされていないということ、そして、どちらかというと原因は逆のように思います。大学入試の中で地学というものを、選択になっているんですけれども、義務にしていないということによって、高校での教育がなされないという形になったと思うんですね。
 我が国は、先進国の中にあって、これほどあらゆる災害が頻発する国でありながら、国土の地勢、地理、自然災害の現象そのものをこれほどまで教えていないという状況は、僕は非常にゆがんでいると思います。
 学校教育の中で地学がこれほど教えられていないということに対する問題点の指摘をいただきましたこと、自然災害にかかわる者として大変うれしく思いますし、先生おっしゃるとおりだと思います。その要因の中に、どうも大学入試で地学が扱われていないというところが大きく作用しているんじゃないかなというふうに思います。
 災害大国日本です。国土をちゃんと知るということは、日本国民として最低限必要なことだろうと僕は考えております。どうか地学が幅広く教育されるようになっていけばいいなというふうに考えております。
○清水参考人 私も片田先生の御意見と全く同じでして、地学というのは、地形がどうやってつくられるか、例えば今回災害や何かも頻発しております扇状地というのは川が暴れながらもともとできてきたというような知識ですとか、そういうような知識がやはり防災上非常に大事だと思います。
 そういう意味では、地学というのが、それはやはり大学側の入試のシステムとして、地学は勉強しなくても大学に入れるというような、理系の大学、理系の講座でも入れるというようなところがちょっと問題があるんじゃないかというふうに私も常々思っておりました。その辺は、今後検討していただければいいと思います。
 以上です。
○堀内(照)委員 最後に、両町長に被災者支援について伺いたいと思います。
 岩泉では、東日本大震災に続いての被災になりました。特に、中小企業向けのグループ補助金の返済がまさに始まりつつある中で、復興への歩みを始めたところに新たなおもしになりかねないと思うんです。十月二十三日に、宮古、久慈両市とともに台風十号災害復旧・復興期成同盟会として、我が党にも御要望をいただきました。東日本並みのということで、これは本当にそうだなと思っております。そうした被災業者の実情を少し教えていただきたい。
 南富良野町長には、特に農地の復旧、百十ヘクタール被害があり、八十は町でやる、年内五十着工ということを伺いました。しかし、復旧限度額、これは他の都府県が単価三十万七千円に対して、北海道は事業単価が六万七千円だ、四倍ほど違うわけで、ここはやはり実態に見合って見直しが必要じゃないか。これはずっと国会でもやりとりがありまして、参議院の我が党の紙智子議員が取り上げたんですが、政府の方の答弁は、調査を進めてしっかり検討していきたいという答弁はございましたけれども、すぐの見直しは難しくとも、それらに見合う何らかの国の支援が必要じゃないかと思っております。
 それぞれの町の課題についてということと、被災者生活再建支援法、これは全壊と大規模半壊以外は対象になりませんので、被災実態を見ればやはりそういうところも支援が必要じゃないかと私は思うんですが、それをあわせて、町の問題と支援法の拡充ということで、御両名に、済みません、よろしくお願いします。
○秋葉委員長 申し合わせの時間が来ておりますので、簡潔に御答弁をお願いいたします。
○伊達参考人 お答えをいたします。
 グループ補助金のような制度はぜひともお願いをしたい、私はそう思っております。
 これは、東日本大震災でも被害を受けて、今回はダブルで、ちょうどこの借金を返し始めた、そういった事業者がたくさんいますので、こういった手だてを講じませんと、残念ながら立ち直れないだろう、そういう思いがあります。
 それから、被災者の皆さん方に対しましては、いわゆる法律で支援することのほかに、町としても単独で若干の支援をしていきたい、そういった考えであります。
 これは、県の方でも単独で若干の予算を組みましたので、それに積み増しをする形で、住宅の再建、特に、全壊とか大規模半壊という判定でありましても、何とかしてそこの家を少しでも直して住んでいきたいという方が結構出てくるだろう、そう思っております。そういったことから、なるべく生まれたところにもう一回住宅を構えるような手だてをどうしたらやれるかということをいろいろな形で組み立てていきたい、そう考えております。
 よろしくお願いします。
○秋葉委員長 では、池部町長、簡潔にお願い申し上げます。
○池部参考人 お答えいたします。
 北海道は六万七千円、本州の方は三十万七千円ということで、大きな差があるわけであります。これらにつきましても、北海道も同じ農地でありますし、広いわけでありますけれども農地を復旧するに当たってはやはり同じだと思いますので、ぜひとも北海道についても復旧単価を上げるのをお願いしたいというふうに思っているところでございますので、お力をおかしいただきたいと思います。
○堀内(照)委員 ありがとうございました。