国会論戦・提案

軽度外傷性脳損傷 利害関係者が労災審査、アスベスト被害 ばく露歴認定基準に  厚労委

利害関係者が労災審査 堀内氏 労働保険審人事を追及 衆院厚労委

 日本共産党の堀内照文議員は2日の衆院厚生労働委員会で、労働災害の不服審査を担う労働保険審査会委員に大手保険会社の元役員が就任し、この会社の利害にかかわる労災の審査を担当するという異常な人事についてただしました。

 この委員が担当するのは、通勤時の交通事故が原因で軽度外傷性脳損傷(MTBI)を負った労働者の労災審査です。この事故の相手方の自賠責保険を扱う会社の元役員が委員として審査にあたることが、堀内氏の指摘で明らかになりました。

 堀内氏は、「利害が関係する保険会社の関係者が同委員に就いた例はあるのか」、「利害関係者が労働保険審査に携わっていいのか」と追及しました。

 塩崎恭久厚労相は、「同様の経歴を持った人を任命した例は把握していない」と述べ、初めての異常な人事であることを認めながら、「すでに(保険会社を)退職しており、公平性、中立性に問題あると考えていない」と強弁しました。

 堀内氏は、MTBIの労災認定の知見が蓄積されれば、保険会社の保険金支払いに影響することを同委員が想定する可能性について言及。「少なくとも利害関係の強い対象者についての審判を担当すべきではない」と求めました。

2016年11月6日 しんぶん赤旗より

ばく露歴 認定基準に アスベスト被害 堀内氏が求める

 日本共産党の堀内照文議員は2日の衆院厚生労働委員会で、石綿(アスベスト)被害救済制度では、建設業の「一人親方」などが、石綿による肺がんの認定から漏れている問題を取り上げ、制度の改善を求めました。

 堀内氏は、同制度では、労災認定と異なり、ばく露歴(石綿にさらされた可能性を示す経歴)が考慮されないとして「救済制度でも、ばく露歴を認定基準に盛り込むべきだ」と訴えました。

 関芳弘環境副大臣は▽労務起因性を判定する労災とは違う▽作業従事歴の精査に限界がある▽石綿肺がん判定の医学的所見が確立している―と述べ、同制度を合理化しました。

 堀内氏は、輸入石綿の8割以上が建材向けで、戸建てで10種、鉄筋・鉄骨造で40種の石綿含有建材が使われてきたとして、一定程度建設現場で働けば石綿ばく露は避けられないと主張。救済制度が、石綿を大量使用してきた企業に特別拠出金を課していることを示し「ばく露の事実を認定するために、ばく露歴を基準に加えることは現行法でも可能だ」と指摘しました。

 その上で、「根本的には国と企業の責任を認め補償に向かうべきだ」と基金の創設を要求。塩崎恭久厚労相は「係争中でありコメントを控えたい」と、被害者の願いに背を向けました。

2016年11月5日 しんぶん赤旗より

質問動画

https://www.youtube.com/watch?v=EJUErxpcASs

 

議事録

第192回国会 厚生労働委員会 第5号 平成二十八年十一月二日(水曜日) 

○堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文です。
 早速、質問に入らせていただきます。どうぞよろしくお願いします。
 交通事故などが原因で受けた脳への軽い損傷が重い身体症状などを引き起こす軽度外傷性脳損傷、MTBIと呼ばれています。これに苦しむ患者さんが少なからずおられます。
 軽度といっても、症状が軽いのではなくて、事故のときの意識障害の程度が軽いというだけであって、その後の後遺症として、頭痛や目まい、体の激痛、手足の麻痺、視覚、味覚障害、排尿障害など、日常生活に大変な支障を来して苦しんでおられます。
 また、CTやMRIなどの画像所見に写らないために、周りの理解が得られなかったり、また、そのことで労災の障害等級も最低となり、年金もなく、生活に困窮を極めているという方が多いわけです。
 WHOが二〇〇五年にこの軽度外傷性脳損傷についての操作的定義というのを明らかにしたことやその後の研究を受けて、厚労省は、二〇一三年に、労働基準局労災補償部補償課長名で通知を出しています。資料の一枚目につけておきました。
 そこでは、「画像所見が認められない場合であっても障害等級第十四級を超える障害が残る可能性が示されたことを踏まえ、」「画像所見が認められない高次脳機能障害を含む障害(補償)給付請求事案については、本省で個別に判断することとする」とされています。
 同症例によるものとする労災認定の状況についてお聞きしたいと思います。この通知以来、申請件数とMTBIの認定数、さらに、労災認定数はどうなっているでしょうか。
    〔委員長退席、とかしき委員長代理着席〕
○山越政府参考人 お答えを申し上げます。
 軽度外傷性脳損傷につきまして、今御指摘がございました、平成二十五年六月十八日付で通知を発出して以降、この通知に基づき都道府県労働局から報告がございました請求事案の件数は、三十七件でございます。このうち、軽度外傷性脳損傷に該当すると判断された事案は、四件でございます。
 その中で、災害と高次脳機能障害との間に相当因果関係が認められるとして、障害(補償)給付の対象となったものは、一件でございます。
○堀内(照)委員 せっかくWHO水準の認定基準があっても、ほとんど切り捨てられているんです。
 WHOの操作的定義というのは、資料の二枚目につけておきました。事故直後の急性症状としては軽い意識障害等があるんだ、その後、外傷後三十分後またはそれ以降の医療機関受診時の昏睡尺度でいうとスコアが高いんだ、こういうことなどを基準にしているわけですが、関係者の皆さんは世界基準が適用されると期待しましたけれども、事故直後、被災者が意識を失っていても、それぐらいでは意識喪失とは言えないとか、意識障害の厳密な証拠がないとか、MTBIと認定されてもそれは事故との因果関係は認められないとか、そういう点で切り捨てられていると患者さんから声が上がっております。
 私が直接相談を受けた方も、今、認定されずに、再審査を請求しているところです。ところが、その審査員の名簿を見て、大変驚かれております。
 この方は、通勤途中の交通事故で障害を負うことになりました。そのときのいわゆる自賠責、まだ係争中なんですが、相手方の保険会社、今労働保険審査会の委員を務めている方が、その保険会社の元専務執行役員なんですね。
 ちょっと大臣にお伺いしたいんです。
 これまで労働保険審査会委員に保険会社の関係者がついた例はあるのか。事故のもう一方の当事者に利害関係がある、こういうおそれのある人がこういう審査に携わるということがあっていいんでしょうか。
○塩崎国務大臣 今の御指摘の委員につきましては、民間企業の役員としての経歴を持っていることはそのとおりでございますが、労働保険審査会の委員として同様の経歴をお持ちの方を任命した例は、把握をしておりません。
 御指摘の委員は、企業を既に退職した後に委員に就任をしているわけであって、特定の企業の立場を代表しているわけでは決してなく、むしろ、特定の企業から離れた立場で、職務経験を通じてエクスパティーズがある、国が所掌する労働保険と共通性の多い民間保険に関する審査、支払い実務に精通をしているなど、業務を的確迅速に処理するための能力に着目をして委員として任命をしたということだろうというふうに思います。
 実際に、平成二十六年四月から、豊富な見識に基づいて、公正かつ適切な審理に当たっているというふうに理解をしているところであります。
 国会においても、平成二十六年の新任の際と平成二十八年の再任の際に、任命の国会同意をいただいているところでございます。
 いずれにしても、御指摘の委員については、審理の公平性、中立性に問題があるとは考えておりません。
○堀内(照)委員 把握していないというのはちょっとおかしいんじゃないでしょうか。過去どういう方が委員だったというのは、全部経歴もわかるはずなので、これはぜひ調べて委員会の方に提出いただきたいと思うんですが、委員長、いかがですか。
○塩崎国務大臣 例を把握していないというのは、例がないという意味ですから、そのとおり御理解を賜れればと思います。
○堀内(照)委員 では、ないと明確に言っていただいたらよかったんですが。つまり、初めてなんですね。
 この方は、二〇一四年四月に最初に着任される直前まで保険会社の専務執行役員でありました。公平中立というふうにおっしゃいましたけれども、全く影響なしと私は言い切れるのかと思うんです。例えば、MTBIのこういう事例が、労災での認定事例がふえて、そういった判断が積み上がるということで、自賠責の方の判断にも影響するということをこの委員の方が懸念するということが全くあり得ないと言い切れるのかと思うんです。
 同意人事のこともありました。私たちは当然反対をしました。利害にかかわる方がやはりかかわってはならないと思うんです。
 私が聞いたこの相談者は、事故後、睡眠障害や排尿障害、仕事の優先順位がつけられなくなるなど、以前できていた仕事もできなくて、退職せざるを得なくなった。今も後遺症に悩まされながら、しかし、生活のためにということで別の仕事を懸命に続けておられます。労災の認定を望んでいるんですが、委員の名前、自分の担当だということを知って、この方の前職が前職なだけに、審査に影響があるんじゃないかと非常に不安を覚えると言っているんです。
 大臣、再度お聞きしたいんですが、少なくとも、今回のような、この方が、この委員が所属していた会社と利害関係が強いような対象者について審判を担当するということは避けるべきじゃないでしょうか。
○塩崎国務大臣 過去に民間の保険会社に在籍をした経歴があるということでありまして、それは、裏返してみると、保険原理に精通をしているということでもあるので、今回、政府の委員になるに当たって、その経歴の中にあって磨かれたエクスパティーズを活用して、労働保険審査会の委員になってそこで貢献をしてほしい、こういうことだと思いますので、先ほど申し上げたとおり、審理の公平性、中立性、もちろん、民間に所属したまま入るというのはあり得ない話だと思いますけれども、その経歴があるからといって全てだめということはいかがなものかなというふうに思います。
○堀内(照)委員 私は、そういう大臣の答弁がいかがなものかなと思いますので、ぜひやはり改めていくべきだと指摘をしておきたいと思います。
 続いて、アスベストの問題について質問したいと思います。
 きのうの報道でも、札幌市の小中学校の給食調理室の煙突内の断熱材が剥がれ落ちる、これでアスベストが飛び散る危険があるということから、一万人分の調理が中止になっているということがありました。今後、これはますます問題になっていくんだと思うんです。
 昨年、私、この委員会でもこの問題を取り上げさせていただきました。現在、アスベスト被害の救済は、労災による補償と救済法による救済の二つがあります。そして、まだまだ救済されていないという方がやはり多くいる。
 前回も指摘しましたが、今回も、資料の三で、人口動態統計における中皮腫の死亡者と、労災、救済制度双方で中皮腫認定された死亡者との比較の表をつけておきました。救済制度ができてから以降も、およそ三分の二しか認定されていないということになっているんです、死亡者との比較で。アスベスト由来がはっきりする中皮腫ですらまだこの水準ですから、他の疾患も含めて見ると、やはり相当、認定されずに至っているという方が多いと思うんです。
 きょうは、その中でも、特に建設業でのアスベスト被害、とりわけ一人親方の問題についてちょっとお聞きしたいと思うんですね。
 まず、被害の大きさについて押さえておきたいと思っています。
 日本では、アスベストの輸入量は総計で一千万トンにも上ると言われています。とりわけ、国際的にアスベストの危険が認知され、禁止される流れにあった一九七〇年代から九〇年代にかけて、年間三十万トンもの大量のアスベスト輸入が続きました。環境再生保全機構のパンフには、アスベストの用途、三千種ある、そのうち八割以上が建材製品として使われてきた、その旨の記述があるわけであります。
 労災で石綿による疾病だと認定され、保険給付が決定された件数について、これは業種別で厚労省はとっていると思うんですが、これを教えていただけませんでしょうか。
○山越政府参考人 お答え申し上げます。
 平成二十七年度の石綿による疾病に関する労災保険給付の支給決定件数でございますが、速報値で、全体で千三十二件でございます。このうちの業種別の内訳でございますが、建設業が五百四十三件、五二・六%でございます。製造業が四百四件、三九・一%。運輸業が二十件、電気、ガス、水道または熱供給の事業が六件、船舶所有者の事業が一件、その他の事業が五十八件となっております。
○堀内(照)委員 資料の四枚目に、先ほどの機構のパンフですね、八割以上が建材だと。それから、五枚目に、労災の認定状況ですね。建設業が本当に多く占めております。膨大なアスベストのほとんどが建材として使用されてきたわけですから、その被害も建設業で広がっているんだということだと思います。
 多くの方がアスベストの危険を知らされることなく仕事に従事をし、せいぜい市販のマスクなどをする程度で、深刻な暴露をしてきました。
 一人親方の方々は、元請からの指示を受けて作業に従事するということで、一人親方といえども、実態としては労働者と同じ働き方をさせられていました。同じように作業し、同じように暴露しても、特別加入をしていない限り労災の対象にはなりません。
 中央環境審議会環境保健部会の石綿健康被害救済小委員会、この間、五回開かれています。その議論の中でも、年間二百名前後の石綿関連患者を診察し、そのうち九割が建設業だという診療所のドクターがこう言っています。実態としては従業員以上に石綿暴露がひどいのに救済がなされていない、これは制度の矛盾じゃないかと。こうも言っています。一人親方の方で労災を掛けていないので救済制度の方で救済してほしいと思いましても、石綿肺の認定がされずに救済されないということが間々あると。
 これは、労災と救済法で基準が違うということも大きいんです。資料の六枚目にそれをつけておきました。とりわけ肺がんで厳しくなっています。
 きょうは関副大臣にお越しいただいています。
 労災では、医学的所見に加え、暴露歴を見て認定をしております。救済法も同様の枠組みで暴露歴を加味すべきじゃありませんか。
○関副大臣 石綿健康被害の救済制度につきましてでございますが、労務起因性を判定いたします労災制度とは制度の趣旨が異なっている点が一つあります。また、二つ目には、申請者の石綿暴露歴の厳密な精査には限界がありますことも理由の一つとしてありますし、もう一つ、肺がんについて、石綿によるものであることを判定可能な指標として医学的所見があること等、その三つから、石綿によります肺がんの判定に当たりましては、石綿暴露歴を問わず、医学的所見に基づきまして客観的に判定をしているところでございます。
 作業の従事歴につきましては、本年の四月から九月まで行いました石綿健康被害救済小委員会でも、救済制度における指標としまして採用すべきとは結論されなかったと承知しているところでございます。
 また一方で、小委員会の議論におきましても、石綿による肺がんにつきましては、引き続き知見の収集に努めるべきとされましたほか、救済制度への申請につながりますように、医療現場におきましては、石綿による肺がんに特徴的な所見を確認するための情報といたしまして作業従事歴等を活用するべきだとされたと承知をしております。
 環境省といたしましては、こうした方向性に沿いまして、適切に対応して、救済制度で救われるべき方が救われますように、安定的かつ着実な制度の運用を図ってまいりたいと思います。
○堀内(照)委員 肺がんの診断については医学的所見が確立しているんだということを一つおっしゃいました。その基準で線引きされて認定をされないという人が出ているから、私はきょうは問題にさせていただきました。
 小委員会の中でも、石綿小体が三千本、これは基準は五千本なんですが、五千本に満たないために認定されない肺がん患者がいるということも紹介されています。三千本だったら肺がんを発症するリスクがないという証拠が欲しい、安全だという根拠が欲しいと泣いて訴えた、こういう声も紹介されています。この声にやはり応えるべきだと私は思っています。二倍のリスクということで、医学的所見に基づくということでありますが、その線引きはやはり私は理不尽なんだと思うんです。
 資料の七枚目に、労災では、基準以下でも、暴露歴を考慮して個別に本省で判断をしているわけであります。作業従事歴の確認も、なかなか限界があるということも今ありました。
 それで、では、労災の方ではどうしているのか。
 石綿による疾病の認定基準において、石綿暴露作業について明示をしていると思います。建設業に該当するのはどのような作業であるかということと、また、認定に当たって、暴露歴の確認というのはどう行っているのかということをお答えいただきたいと思います。
○山越政府参考人 お答え申し上げます。
 石綿による疾病の労災補償の認定基準において示しております石綿暴露作業、このうち、御指摘のありました建設業に関連するものといたしましては、例えば、石綿の吹きつけ作業、石綿製品の切断等の加工作業、石綿製品が建材として用いられている建物の補修または解体作業などがございます。
 また、石綿暴露作業の従事歴でございますけれども、これにつきましては、請求人の職歴に関する申し立てに基づきまして、事業主や同僚労働者から事実確認のための聴取をすることなどにより、的確な石綿暴露作業従事歴の確認に努めているところでございます。
○堀内(照)委員 資料の八ページに、その作業について挙げておきました。
 今示されませんでしたけれども、1から9までの後に、「これらのほか、上記作業と同程度以上に石綿粉じんのばく露を受ける作業や上記作業の周辺などにおいて、間接的なばく露を受ける作業も該当」するということで、当該作業を行っていなくても間接的な暴露はあり得るんだ、それを同僚などの証言も含めて広く認定しているんだと思うんです。
 資料の九枚目に、国土交通省が出している「目で見るアスベスト建材」というのをつけておきました。アスベスト含有建材は、戸建てで、屋根、煙突、外壁、内壁、床など十種の建材、RCS造では、実に四十種の建材が使われております。
 建設現場でこのような建材を扱う作業を一切していないというのは本当にあるだろうか、また、一定の年月を一人親方として現場を転々とされた方が、こうした建材を扱う作業とは一切無縁の現場を渡り歩くということが本当に可能なんだろうかと思うんです。一定程度、建設現場の労働に従事してきた方なら、石綿被曝というのは、そういう意味では避けられないと私は思うわけであります。
 一方で、現行救済法は、因果関係を全く問わないで社会的に救済するという枠組みでありますが、事業主負担は一律じゃありません。一部の企業には特別拠出金を課していますが、それはなぜでしょうか。
○梅田政府参考人 お答えいたします。
 石綿健康被害救済制度は、個別的な因果関係を明確にすることが困難という石綿による健康被害の特殊性に鑑みまして、民事上の責任とは切り離して、事業者、国及び地方公共団体の費用負担により被害者の迅速な救済を図ろうとするものです。
 このうち、事業者の費用負担でございますが、全ての事業主が事業活動を通じて石綿の使用による経済的利得を受けているということに着目をいたしまして、労働者を使用する全ての事業主、労働災害保険適用事業主から一般拠出金を徴収しているということでございます。
 さらに、石綿の使用量が特に多いなど、石綿との関係が特に深い事業活動を行っていたと認められる事業主につきましては、救済について追加的な貢献が求められることから、一般拠出金に加えて、御指摘の特別拠出金を徴収しております。
○堀内(照)委員 被害補償とまではいかないまでも、石綿の使用量に応じて負担をしているわけです。原因物質を扱った量に応じた負担を求めている、つまり、実質的には責任の一端を担っておると私は言えると思います。
 関副大臣にもう一度。
 長らく種々の建設現場の作業に従事しているということでは石綿暴露は本当に避けられない、既に特別拠出金という点では責任の一端を担っているという側面もある、こういう点から見ても、暴露の原因を特定するためではなくて、暴露の事実を認定するという点で、暴露歴を肺がん認定の基準に加えるということは、個別的因果関係を問わずに社会全体で救済していこうという現行制度の枠内でも十分可能じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○関副大臣 労災制度と救済制度、いろいろ考え方はあると思うんですけれども、制度の設計の考え方の違いというところがどうしてもやはり出てくると思います。
 労災制度というのは、業務上の災害に対する補償制度として、石綿による被害者の損害を填補することを目的としておりますし、一方、石綿健康被害救済制度によりますれば、これは、原因と被害者との個別的な因果関係を明確にすることが困難という、やはり石綿によります健康被害の特殊性がどうしてもありますので、民事上の責任とは切り離して、石綿による健康被害の迅速な救済を図る制度としてこの石綿健康被害救済制度がありますので、その趣旨が制度ごとに異なっておる点が、どうしてもその点について我々は深くちょっと考えておかないといけないと思うんですね。
 このために、その判定によりましても、それぞれの制度の趣旨に従って判定が行われているものでございますので、我々環境省といたしましては、今後とも知見の収集にはしっかりと努めてまいりたいと思います。そして、制度の趣旨を踏まえまして、救済制度で救われるべきがしっかりと救われてまいりますように、安定的かつ着実な制度運営を図ってまいりたいと思います。
○堀内(照)委員 現行制度の枠内でも可能じゃないかという問題提起ですので、ぜひ私は検討していただきたいと思っています。
 最後に、時間になりましたので、大臣に一言だけ伺って終わりたいと思います。
 この間、建設アスベスト裁判では、国とメーカーの責任を断罪しています。より根本的には、やはりこの責任を認めて補償に踏み出すべきだと思うんです。当事者はその基金を求めております。この検討に進むべきだという当事者の声に応えるべきだということをどう受けとめているのかということが一点です。
 もう一点は、現行法でもまだ救済できる方法があるんじゃないかというのが私のきょうの趣旨であります。
 去年、私が質疑に立ったとき、大臣が、救済法でカバーし切れないという方が多く残っているということがよくわかった、環境行政としっかり連携して、健康は厚労省の責任でありますので、考えていかなければならないということを感じたということもおっしゃっていただきました。
 一人親方のアスベスト被害はもともと職業性暴露であります。保険料が高くて払えないなど、特別加入せよということだけでは済まないという現実があると思うんです。ぜひ踏み込んで厚労省として役割を果たしていただきたい。
 済みません、この二点だけ最後に伺って、終わりたいと思います。
    〔とかしき委員長代理退席、委員長着席〕
○塩崎国務大臣 一つは、係争中のことのコメントは、私としては差し控えたいというふうに思います。
 それから、石綿健康被害救済法等、労災保険の制度の問題をお取り上げいただいておりますけれども、特別加入をする、しないだけでは済まないのではないかということでありますが、制度としては別にエアポケットがあるわけではございませんが、私どもとして、厚生労働省として対応すべきことはきっちり対応していかなければいけないというふうに考えております。
○堀内(照)委員 終わります。ありがとうございます。