2月8日の兵庫県医師会の「県医週報」に、2月1日におこなわれた同会の理事会での川島龍一会長挨拶が掲載されています。そのなかで、県立こども病院の移転に関して、私と喜田結県議とで1月10日厚生労働省からレクチャを受けた内容に触れて、「かなり地元から反対があることを言って頂いたようです」と紹介しています。そして、「厚生労働省に対し、医師会は賛成していないことを再度文書等で申し出ておかねばならないと思っております」と結んでおられます。
 実は、1月の時点では、県当局も公式のものとはしておらず、さまざまな影響も考えて、このブログでは詳しく報告していませんでしたが、医師会などの関係者には、政府の認識や医療再生計画への交付金のあり方などについて分かったことを、報告もし、意見交換をしておきたいと考えていました。
 ただ関係者のみなさまのご都合も考えて、時間がかかるようなら、取り急ぎ資料をお渡しするだけでもと、事務方の方から、県医師会へは資料をお送りしていたようです。
 それを会長も目を通されたようです。

 ついては、兵庫県も県立こども病院に移転について、公式に記者発表もし、県医週報でもとりあげられましたので、1月10日の厚生労働省からのレクチャの内容について報告しておきたいと思います。

 厚生労働省の担当者からは、
○各県からの再生計画の提出、有識者会議の開催と委員からの評価、それをふまえた再生計画の再提出、県に対する交付決定はすでに済んでいる。
○今後のスケジュールとしては、毎年の推進状況を国として県にもよく聞いてフォローアップするということだ。
○あくまで県がすすめる「地域医療再生計画」の推進にあたって、地域医療再生基金の拡充のために、国から交付するものであって、ある程度枠が決まった事業への補助金の制度とは性格が異なるため、国から県に対して「やめなさい」という筋合いのものではない。
○県立こども病院については、ポートアイランドの移転について、医療審議会や医療対策協議会の了解を得ており、地元関係団体との合意もあるように聞いている。
との説明がありました。

 私たちからは、交付の条件について、「『(医師会など)関係者等に対して意見を聴取し』とか、『(案)について都道府県医療審議会又は医療対策協議会への意見聴取』、また『「(医師会など)関係者が互いに情報を共有することにより、信頼関係を醸成し、円滑な連携が推進されるような体制を構築することが望ましい』とされている。何をもって、関係者からの意見聴取や合意とみなすのか」と問うと、厚労省からは「医療審議会や医療対策協議会での意見聴取を明記しているところだ。兵庫県医療審議会地域医療対策部会は、県医師会会長も入っていると聞いていて、合意、同意がなされていると聞いている。審議の中で賛成もあれば、反対もあったろう」と。

 そこで私たちからは、「県医師会は明確に反対の立場だ。県医師会といえば『関係団体』のなかでも、中心中の中心ではないか。賛成もあれば、反対もあるといったレベルでは済まされない」と指摘しました。
 そして、「県の事業に国からとやかく言えないのはわかるが、国の税金も投入されるのだから、国としての物言いはできないか」と重ねて質すと、厚労省からは、「医師会からそういう形で反対の声が挙がっているのは知らなかった。兵庫県の担当者に電話で確認して、関係者の理解をえるよう一層努力を求めることや、ことによれば医療計画の変更も可能であることを伝えたい」とのコメントを得ました。

 関連して、8月のパブリックコメントの時に提示した建替え基本構想(案)にポートアイランドの名前が入っていなかったことを伝えると、驚きと苦笑をしつつ、「建替がポートアイランドでなければできないというのに基本構想に明記されていなければまずいと思うが、建て替え構想そのものは必ずしもポートアイランドでなければならないというわけではないという県の判断ではないか」と。

 さらに、医療計画を変更した場合(兵庫県は、ポートアイランド移転ができなければ交付金を国に返さなければならないと説明してきたが)はどうなるかと聞くと、「目的はあくまで地域医療再生。だから、こども病院の単なる建替となると、事業の性格が変わるので、返してもらわなければならない。しかし、逆に何が何でもポートアイランド移転でもない。計画に盛り込まれた課題が達成できるのであれば、事業変更があっても交付金は使える。ポートアイランド以外のところや、現在のところに医療機関をもってくることもありうる。ただ決まっている交付金の規模を超える事業になれば、超えた分は持ち出してもらわないといけませんが」とのコメントも得ました。
 つまり、事業変更は可能なわけです。

 阪神・淡路大震災時に橋が使えず「陸の孤島」となったポートアイランド移転が妥当か。沿岸部の津波の危険があるところに大切な医療資源を集中させていいのか。またポートアイランドの建て替え予定地周辺は、最新の細菌研究施設などもあり、災害時のバイオハザードなどの危険も関係者から指摘されています。問題の多い県立こども病院のポートアイランドへの移転は止めよと世論と運動を広げていきたいと思います。