被災した田んぼで農家の方の話を聞く
 今日は、佐用町へ。昨年の台風9号災害の主に農業被害についての調査に出かけました。
 国や町の被災箇所の査定も済んでいますが、査定後被害額が40万円以下のところは、国の事業からは外され、あらためて町単独事業として申請しなければなりません。
 また、被害額40万円を超えるような箇所でも、査定時に調査もれをしているところがあるとのことで、これも町の事業ですすめる方向だといいます。


 今回、いくつか現場をみてまわりましたが、被災箇所は膨大な数にのぼります。国の事業だと、町単独事業に比べて工事の際の自己負担率が軽くて済みます。以前に査定した箇所で終わりにせず、本来、国がみるべき被害額40万円以上の被害箇所は、すべて国事業として復旧をおこなうことが求められます。


 また小規模の被災箇所であっても、100メートル以内に隣接する被災箇所は合算して被害額が40万円を超えれば国事業として申請できますが、離れてしまうとこのような適用はされません。一人の方が所有する田畑で、離れたところで5、6箇所の小規模被災箇所があるという方も多くおられます。こうした方の復旧工事への自己負担額は膨大なものになりかねません。


 ただでさえ、農業では食べていけないご時世です。これを機に、復旧もあきらめ離農するという方もでているといいます。
 私たちが話をうかがっていても、「農業ではとても食べていけん」「コメを作るよりも、スーパーで買った方が安いんでアホらしい」「年に1週間ほどしか使わないけど数百万円もするような機械を何台も買わなあかん。割が合わん」「手塩をかけて育ててやっと収穫だというころに、鹿やイノシシに食われてしまう」との声が相次ぎました。


 それでも「先祖代々の土地を守らなあかん」「放っておいたら土地が荒れるだけ。水を張って、コメを作っておけば、土地の守りもできる」「うちだけやめて土地が荒れてしもうたら他に迷惑がかかる」とがんばっておられます。
 土地が荒れるとさらに災害に弱い国土となってしまいます。またこうした地域で農業が衰退すると地域経済はおろかコミュニティ自体が成り立たなくなってしまいます。安全な食料を提供しているだけでなく、国土や環境の保全という点でも、地域経済やコミュニティの維持という点でも、重要な役割を果たし、大変おおきな公共性・公益性をもっているのが農業です。
 災害を機にこの農業ができなくなってしまうという事態は避けなければなりません。そのために必要な支援をとの思いを強くしました。