昨日、日米間の「密約」にかんする外務省の調査結果が発表されました。「有識者委員会報告書」が公表されましたが、最大の焦点となっている「核密約」について、文書の存在は認めたものの、「暗黙の合意」があっただけで、明確な密約・合意は存在していなかったとしています。
 とんでもないごまかしです。鳩山政権は、密約の存在をハッキリと認めて、廃棄をおこなうべきです。
 この問題では、志位委員長の見解が発表されました。
 問題となっている「核密約」の記録は以下のとおりです。


 1、条約(日米安保条約のこと)第6条の実施に関する交換公文案に言及された。その実効的内容は、次の通りである。
 「合衆国軍隊の日本国への配置における重要な変更、同軍隊の装備における重要な変更ならびに日本国からおこなわれる戦闘作戦行動(前記の条約第5条の規定にもとづいておこなわれるものを除く)のための基地としての日本国内の施設および区域の使用は、日本国政府との事前協議の主題とする」
 2、同交換公文は、以下の諸点を考慮に入れ、かつ了解して作成された。
 A 「装備における重要な変更」は、核兵器および中・長距離ミサイルの日本への持込(イントロダクション)ならびにそれらの兵器のための基地の建設を意味するものと解釈されるが、たとえば、核物質部分をつけていない短距離ミサイルを含む非核兵器(ノン・ニュクリア・ウェポンズ)の持ち込みは、それに当らない。
 B 「条約第5条の規定にもとづいておこなわれるものを除く戦闘作戦行動」は、日本国以外の地域にたいして日本国から起こされる戦闘作戦行動を意味するものと解される。
 C 「事前協議」は、合衆国軍隊とその装備の日本への配置、合衆国軍用機の飛来(エントリー)、合衆国艦船の日本領海や港湾への立ち入り(エントリー)に関する現行の手続きに影響を与えるものとは解されない。合衆国軍隊の日本への配置における重要な変更の場合を除く。
 D 交換公文のいかなる内容も、合衆国軍隊の部隊とその装備の日本からの移動(トランスファー)に関し、「事前協議」を必要とするとは解釈されない。



 「有識者委員会」の「報告書」は、この記録の「2項Cだけをもって…『密約』の証拠と見ることは難しい」としていますが、こんな議論は成り立ちません。


 記録をきちんと読めば、A項の「イントロダクション」は事前協議の対象であるが、C項の「エントリー」については、「現行の手続きに影響を与えるものとは解されない」と明記されています。「現行の手続き」とは、当時米軍が自由に日本国内に核を持ち込んできた慣行をさしており、「事前協議」は、それに「影響を与えない」となれば、その核持ち込みの慣行をその後も認めるということにほかなりません。
 これを明確な合意といわずに何というのでしょう。


 また、「報告書」はこれまでの政府が「核搭載艦船が事前協議なしに寄港することを事実上黙認した」としていますが、これから鳩山政権は「黙認」するのかどうか、きびしく問われます。