るり寺のご住職と
 災害以来5度目の佐用入りです。現時点での課題をつかむべく現地入りしました。
 旧南光町の瑠璃寺、旧佐用町の大木谷の農業被害、旧三日月町で農業問題全般のお話、旧上月町の2ヶ所の仮設住宅での要望、佐用駅前商店街で商店主のみなさんから聞き取りと、昼食時間も10分そこそこの駆け足で全町をまわりました。
 瑠璃寺では、ご住職からお話をうかがいました。メインの太鼓橋をはじめ2つの橋が流されてしまったこと(幸い一つ残ったので、参拝はできます)、川沿いのお堂の基礎が崩れ、危険なこと、浄化槽も流されてしまったことが主な被害です。また、お寺に至る途中の道(町立の昆虫館もそこにあります)の道路の補修や、街灯の整備の必要性も指摘されました。
 道路も河川(寺谷川)も町管理で査定には来たようですが、工事の見通しもまだ示されておらず、「勝手に直すわけにもいかんし、かといって、これから正月、2月には最大の行事である護摩法要も控えているので、早く直したい」と。


 大木谷では、被災した休耕田がどうやら査定の対象になっていないとのことでお話をうかがいました。この地は、平安時代のころから人が住み、田畑を耕してきたとのことで、代々続いた農地を荒らすわけにはいかないという思いがヒシヒシと伝わってきました。
 つづいてうかがった三日月の味わいの里でも、高齢化による後継者不足が指摘されました。集落営農や、法人を立ち上げるなどして、高価な農機具の共同利用などの努力もされています。
 同施設を管理・運営する加工組合として例年おこなってきた収穫祭を、復興祭と位置づけて、南光、上月、佐用の同様施設にも呼びかけて、22日の日曜日に盛大におこなうとのことで、多忙ななか、所長さんが応対してくれました。


 上月の仮設住宅では、
 「結露がひどい」、「結露は特にドアや窓がすごい」、「結露はひどくて、あるとき壁一面にカビがきていた」、「結露対策で布団の下に、ウレタンのシートを敷いて寝ている」、
 「洗濯物を干す場所がない。せめて軒先を延ばしてもらえたら」、
 「子どもが3人いて、一人の子がいまインフルエンザで寝ているが、隔離のしようがない」、
 「コンロに魚焼きグリルがついてなくて困っている」、同様に「グリルがなくて、魚焼きのグリルだけ買ったが、ガス栓が合わずに、結局使えず、フライパンで魚を焼いている」、
 「玄関の屋根が小さくて、軒下に雨が吹き込んでくる。これから雪が降るようになると、玄関先が凍って危険」(玄関屋根に雨どいがあるところとないところがありました。ただ雨どいがあるところでも吹き込みはひどいようです)、
 「隣の話し声も聞こえて、プライバシーがない」、
 「外に共用の水道があれば助かる」…いろんな要望が出されました。


 佐用の商店街では、店舗は被災しても補償の対象にならないため、さまざまな矛盾が生まれています。多くのところは、店舗兼住宅なのですが、1階の店の奥に住居があれば、被災を認めてくれますが、1階店舗の上の2階が住居の場合、2階にまで浸水していないので、被災を認めてもらえません。
 被災認定を受けても、なかなか大変です。10月10日から営業を再開したある店舗では、「椅子や厨房だけでも300万円かかった。壁などの補修等すべてあわせると、さらに桁違いに費用が要った。融資を受けたけど、本当に大変」と語っておられました。


 また、一般の住宅でも、被災認定の矛盾も指摘されました。全壊、半壊などの認定には、国の基準がありますが、今回は、浸水被害のため、壁や床などをより重視してみる県基準が採用されています。それによって、より被害の実態にあった認定ができるとのことですが、住居によっては国基準の方が実態にあった認定ができるところもあります。現に、隣近所はすべて全壊か大規模半壊なのに、1戸だけ半壊というケースもままあるようです。地震による被害なら、ありえる話ですが、その地域一帯が同じように浸水したのにおかしな話です。


 この間、あらためて宍粟、朝来、佐用とまわってお聞きした現時点での問題点など、あらためて国や県にも要望をあげ、実現へ力を尽くしたいと思います。