活動記録

2015年12月11日

但馬地域の医療、介護について調査

  昨日、今日と兵庫県但馬地域の医療、介護の調査のため各施設を訪問しました。

  お訪ねしたのは、朝来和田山医療センター、八鹿病院、朝来梁瀬医療センター、豊岡病院、出石医療センターの5つの公立医療機関と豊岡市。

 

  但馬地域にはこの他、日高、村岡、香住、浜坂に公立の医療機関があります。

  2006年夏に、こくた恵二国対委員長と山下よしき参院議員(当時は前職)らとすべての公立病院を訪問して医師不足の実情を伺ったことがあります。その後、政府交渉などに取り組んで、政府も医学部定員を増員するなどの対策も始まりました。

 

  しかし、その効果はようやくこの数年後にあらわれようとしているところで、現地の実情はなお深刻なものがあります。

  当時公立病院改革ガイドラインに基づいて、病院の「再編・ネットワーク化」などの推進もうたわれ、幾つかの病院の無床化なども掲げられましたが、公立病院守れの住民運動で跳ね返してきました。

  この間、医師の所属を豊岡病院にし、ドクターヘリが導入されるなど限られた医療資源の中での対応もおこない、この度は和田山、簗瀬の両医療機関の統合もおこなわれます。

 

  それでもなお深刻な医師不足です。統合新病院は180床の計画ですが医師不足のため150床スタートに。私たちが伺った日も簗瀬医療センターで院長執刀の手術予定でしたが、麻酔医がおらず、八鹿病院から応援にきてもらい、その八鹿病院の手薄を豊岡病院の歯科麻酔医が穴埋めするといいます。

  救急も、整形外科が看板の和田山医療センターでは整形については365日24時間対応ですが、他の診療科や他院では、おおよそ20時まで。

  南但馬拠点病院である八鹿病院でもかつて2000〜3000件だった救急受け入れが1400件までに落ち込んでいます。

  そのためドクターヘリ導入の豊岡病院に救急が集中しています。ここでは、救急部門の医師は充実してきているものの、他の診療科ではむしろ深刻だった9年前よりさらに医師が減っている状況だと言います。

 

  ある程度の診療ならオールマイティで診れる総合診療医を但馬地域で育てようと体制を整えつつありますが、指導医の確保に苦労をしている実情も伺いました。

 

  そうしたなか、昨年成立した医療介護総合確保法に基づいて、人口減を理由に病床数の削減を迫る地域医療構想の具体化が県主導で始まろうとしています。新公立病院改革ガイドラインもこの地域医療構想との整合性を指摘しています。

  こうした動きにも「『川下』の医療体制が整わないと成り立たない」「人口減でも、高齢化などで当面は医療需要が減るわけではない」「都市部でさえ医療の供給体制が追いつかなくなるのは目に見えている中で、こうした過疎地域の医療をどう確保するかは政治の責任だ」「現状でもニーズ100に対して30とか40くらいしかサプライがない」「人口比率だけでなく、広大な地域に医療が手薄でいいのか、アクセスなども含めたファクターを考慮すべきだ」などの声が寄せられました。

 

  一番の「川下」である、地域での介護の受け皿という点では、豊岡市の総合事業の実情も伺いましたが、カギを握る担い手をどう確保するのか、そのためにもボランティアの活用が大事になってくると。

  必要な体制がボランティア頼みとならざるをえない制度のあり方に改めて疑問が深まりました。

 

  この間、せっかく増やした医学部定員を減らすとの報道も。これでは地域の医療はますます疲弊せざるをえません。地域医療を守れと頑張りたいと思います。

 

 

  お忙しい中、谷風三郎八鹿病院長、木山佳明朝来簗瀬医療センター病院長、西岡顕出石医療センター院長はじめ、関係者の皆さんに応対していただきました。ありがとうございます。

  調査には千葉裕たじま医療生協理事長、金田峰生参院兵庫選挙区予定候補、各議員団のみなさんにも同行していただきました。

八鹿病院緩和ケア病棟にて

八鹿病院緩和ケア病棟にて

簗瀬医療センター01

朝来梁瀬医療センターでの懇談の様子