活動記録

厚労委員会視察で長崎・対馬、福岡へ

 対馬病院 20日から22日にかけて、厚労委員会の視察で、対馬を含む長崎県と、福岡県に行ってきました。

 視察の目的は、両県の医療、介護、雇用などの実情調査で、とりわけ私自身としては、医療介護の連携推進というものがどんな実情にあるのかをしっかり見てこようと考えていました。

 

 行った先は、医療、介護関係で、長崎県庁、独立行政法人国立病院機構長崎医療センター、長崎県対馬病院、介護老人保健施設つしま彩光園、小倉リハビリテーション病院、雇用関係で、長崎労働局、対馬公共職業安定所、わかもの・ジョブプラザ福岡です。

 

 対馬という離島においても、小倉という都市部においても、この2年ほどで全国で確立しようという地域包括ケアシステムはなかなかの困難があるというのが率直な感想です。

 長崎県は、県全体で2025年度の必要病床数を、現在の約2万2千床から、およそ5千床マイナスの約1万7千床と見込んでいます。回復期病床は約3千床増える一方、急性期は約5千床マイナス、慢性期は約2700床マイナス。

 あぶれた患者さんを地域包括ケアシステム構築で対応するというのですが、在宅医療等の医療需要は、2025年には8144人/日増加と推計しており、施設増がないと仮定すると訪問看護師407人増、ステーション136ケ所増が必要になるといいます。施設整備計画は待機者総数4662人に対して、特養、老健、グループホーム、デイ、小規模多機能などすべて含めて今後3年間で94ケ所建設の計画で、とても追いつきません。

 

 その思いは、対馬でさらに強くなりました。長崎県対馬病院は、今年5月に中対馬病院と対馬いずはら病院を統合してできた新しい病院(冒頭の写真はその施設の一部)です。がんの放射線治療装置を導入するなど、本土まで渡らなくても一定の高度医療にも対応できる病院です。

 島は、超高齢化を迎えますが、県内他の離島と比較しても人口当たりの介護施設が少ないのが対馬の特徴となっています。

 介護施設では、「在宅での医療的な管理が困難な入所者が増加している。共働きなど家庭での受け入れ困難が増え、在宅復帰が難しくなっている」との言葉も聞かれました。

 そうしたもとで、院長の「高度医療だけが使命だとは思っていない。ある程度の高度医療をおこないつつも、看取りなども含め病院がもっと地域に入らなければと思っている」との言葉が印象的でした。

 限られた医療・介護資源のなかで、医療従事者(もちろん介護従事者も)の使命感で現場が支えられていることに胸が振るわせられる思いがしました。この努力にこそ政治がこたえなければなりません。

 

07 小倉リハビリテーション病院 (11) 小倉リハビリテーション病院は、リハビリとは単なる機能回復訓練ではなく、全人間的復権を理念とし、潜在する能力を最大限に発揮させ、日常生活の活動を高め、家庭や社会への参加を可能にし、その自立を促すものという理念のもと、丁寧で、実践的なリハビリを実施しています。連携という点でも、急性期からの患者受け入れの際に、担当医が急性期の病院まで出向いて患者の状態を把握して受け入れる、退院の際にも、病院関係者が、患者、家族のみならず、福祉施設の職員やケアマネージャーなども一堂に会して相談をおこなって地域に帰っていきます。

 相当な努力をされていますが、それでも地域での受け皿という点では非常な困難も抱えていることを実感しているといいます。

 この病院では、全職員のおよそ半数がボランティア登録し地域活動をおこなっています。そうすると、夏祭りや餅つきといった地域の行事に職員が引っ張りだこになるといいます。それだけ地域に力がなくなっているのだというのです。離島やいわゆるへき地はもちろんのこと、都市部においても、地域包括ケアシステムを支える地域での担い手はそうそう簡単にあるわけではありません。

 それだけに、施設整備や福祉人材の育成、処遇改善などが強く求められます。介護報酬引き下げなど現場に困難を持ち込むことなど、言語道断です。

 

 視察してきたことを今後しっかり生かしていきたいと思います。