活動記録

2018年02月15日

戦後の労働法制の原則を根本から壊す「働き方改革」は許せません

IMG_5929 今日は、午前中に西脇市にあるとある連合系労組を訪問。無期転換の問題や「働き方改革」一括法案、9条改憲をめぐる動向など、懇談をさせていただきました。

 夜には、兵庫県民主法律協会主催で、「働き方改革」一括法案をどうみるのかの学習会。90分の講演を任されました。

 この間の「働き方改革実現会議」やその直前に厚労省内で開催されていた「働き方の未来 2035」、この間の国会論戦などを踏まえ、今度の「働き方改革」一括法案が、長時間労働の規制と言いながら、繁忙期には月100時間未満、その他でも12か月連続80時間、年960時間働かせることも認められるなど、過労死容認・促進法案であること、高度プロフェッショナル制度は、残業代ゼロ法案に他ならないこと、裁量労働制は定額働かせ放題であること、無期転換逃れは許されないとたたかいが始まっていることなどを話しました。

 特に、この間の国会で安倍総理も答弁を撤回せざるを得なかった、裁量労働で働く労働者の方が一般の労働者より労働時間が短いかのような答弁のデータが、根拠のないものである疑いが強く、さらにその不確かなデータが唯一、裁量労働の労働時間が短いことを示すものであると厚労省も認めるなど、国が裁量労働制の拡大を正当化する唯一の論拠が崩れた国会論戦の到達を紹介。であるならば、法案は撤回するしかありません。このことも強く求めていきたいと思います。

 また、同時に改悪される雇用対策法では、目的の「雇用対策」が消え、「労働施策」一般に置き換えられます。そして、雇用対策とは異質の「労働生産性の向上」が書き込まれ、「多様な就業の促進」として非雇用型の働き方をも視野に入れた、文字通り戦後の労働法制のあり方を根本から覆すものとなっています。

 「働き方の未来 2035」では、AIなど技術革新がすすめば「企業との関係も変わる」として、「働く人は仕事内容に応じて、一日のうちに働く時間を自由に選択するため、フルタイムで働いた人だけが正規の働き方という考え方が成立しなくなる。同様に、それより短い時間働く人は、フルタイマーではないパートタイマーという分類も意味がないものになる」などとしています。総理の言う非正規という言葉をなくす意味合いはこれかと思わされますが、使用者が労働者よりも強い労働市場の特性を無視をし、何の根拠もなく技術革新すれば、さもその特性がなくなるかのような暴論です。

 そのうえで、「狭い意味での雇用関係、雇用者だけを対象とせず、より幅広く多様な働く人を対象として再定義し、働くという活動に対して、必要な法的手当て・施策を考えることが求められる。今までの労働政策や労働法制のあり方を超えて、より幅広い見地からの法制度の再設計を考える必要性が出てくるだろう」、「より多様な働き方も、何らかの形での契約が結ばれ、活動が行われている。その点から考えれば、すべての働くという活動も、相手方と契約を結ぶ以上は、民法が基礎になる」などとして、労働法制の規制を取り払う狙いをあけすけと語っています。

 総理官邸のもとにおかれた「規制改革会議」などでなく、厚労省自身がこうした文書をだしたところに今までにない深刻さがあると思います。

 そして、さらに労働行政の基本をも覆す動きが実際にはじまっています。「実現会議」後、2016年7月から12月にかけて、厚労省内に「働き方に関する政策決定プロセス有識者会議」が設置され会議が開かれています。

 労働問題にかかわる政策決定は、国際的にもILOの基準があり、日本もそれにしたがって、公益代表、使用者代表、労働者代表がそれぞれ同数参加をする労働政策審議会で論議されてきました。この三者構成が大原則なのです。

 ところが、この有識者会議では、三者構成が適切だとしつつも、「しかし、働き方やそれに伴う課題が多様化する中、旧来の労使の枠組に当てはまらないような課題や就業構造に関する課題など基本的課題については、必ずしも公労使同数の三者構成にとらわれない体制で議論を行った方がよいと考えられる」として、その後、実際に労政審のなかに「労働政策基本部会」が設けられ、15人の委員のうち、労働者側のメンバーが3人に対して、経営者側のメンバーが6、7人という構成になっています。三者構成から大きく逸脱する部会が、こともあろうか労働政策審議会のなかにつくられるに至っている重大事態だと言わなければなりません。いわば「雇用対策法」改悪の先取りだと言わねばならず、こんなことが許されていいのでしょうか。

 大いに問題にして、「働き方改革」一括法案を廃案にと頑張りたいと思います。