活動記録

2016年12月08日

労働保険審査の不適切人事を巡って一歩前進

 今日、この間11月2日の厚労委員会での質問と、11月22日に当事者も交えた厚労省要請と、とりくんできた労働保険審査の不適切人事をめぐって、再度、支援者らとともに厚労省とやりとりをしました。

 審査会の委員は、これまで医師や元裁判官、学者などでしたが、2014年度から保険会社、東京海上日動OBの木村亨氏が就任。前回の要請では、同氏が委員として担当した交通事故案件30件のうち、同社に関係するものが7件あり、30件すべてで再審査請求が棄却されていることが明らかにされました。

 私が神戸で相談を受けた当事者は、通勤途中の交通事故で経度外傷性脳損傷による障害に苦しんでいますが、労災認定されず、再審査を求めていました。加害者側の自賠責保険が、東京海上日動で、12月のはじめに予定されていた審理を、同社出身の木村氏が担当することになっていました。

 しかし、当日になって、その木村氏が担当から外れていたのです!

 国会質疑で私は、同氏は、審査委員にふさわしくないこと、せめて利害が係る案件を担当すべきでないと追及しましたが、それが関係者の皆さんの努力もあり、実りました。

 今日、改めてその理由を厚労省に質したところ、「総合的に判断した」というものでしたが、こちらから、利害が関係するものが審査にあたることはふさわしくないということかと確認すると、そうした要素も考慮したことを認めました。今後については、個々の案件ごとに判断するとしました。

 実際の審査の結果がどうなるかは予断を許しませんが、とりあえず一歩前進です。

 利益を求める保険会社における保険の取り扱いと、被災労働者保護を目的とする労災保険とでは、目的、性格が違います。国会の質疑で塩崎大臣は、「保険に関する審査、支払い実務に精通をしているなど、業務を的確迅速に処理するための能力に着目した」と同氏を登用した理由を語っていますが、民間保険のノウハウで労災を運用すれば、労災の目的が歪められかねません。この人事のあり方ももちろん根本から問われなければなりません。