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2008年11月10日

神戸大学教職員組合附属特別支援学校支部の学習会で講演

神大附属特別支援学校の教職員組合の学習会にて
 今日は、明石市大久保にある神戸大学附属特別支援学校へ行ってきました。
 同校の教職員組合支部による学習会で、各政党をよんで話を聞こうという企画でした。他党は、社民党の今西正行元県議が参加していました。

 会は、はじめに約15分ほどお話して、みなさんから質疑をうけ、それらにおこたえし、最後に訴えるという流れですすめられました。
 以下は、私がお話した概要です(時間の関係で言いそびれたことも少し付け加えています)。

 

●はじめの発言

 今日は、お招きいただきありがとうございます。
 案内文書によれば、「障害者自立支援法」、「労働者派遣法」、「後期高齢者医療制度」などの問題を通して「日本の政治の今後のあり方」や「投票権の行使」について考えるとのことでしたので、自立支援法などの諸課題にも触れつつ、いまの政治のあり方と、それを日本共産党がどう変えようとしているのか、大きくお話させていただきたいと思います。


 麻生首相が先日「追加経済対策」を発表しました。3年後には消費税を増税するとの記者会見をご覧になった方も多いのではないでしょうか。それまでに2兆円規模の給付金をみなさんにお配りするというのですが、消費税は1%上がりますと、2兆5千億円の増税ですから、なんのことはありません。選挙対策でばらまいておいて、あとでそれ以上のものをみなさんのふところから吸い上げてしまおうという算段です。
 ひどいのはそれだけではありません。共産党の国会論戦で新たに明らかになったことは、3大メガバンク(三井住友、三菱東京UFJ、みずほ)がこの10年間、大もうけしているにもかかわらず、まともに法人税を払っていません。また、株で大もうけをあげた人、株でのもうけにかかる税金を半分にまけてやるという制度がありますが、麻生さんはこれをまだ続けたいというのです。これで一体どれくらいの減税になっているのかを、調べてみますと、株でたいへんなもうけをあげた日本でも10本の指に入る大資産家に、合計180億円もの減税です。
 この間の「金融危機」は、アメリカ発のカジノ資本主義が破たんしたといわれています。ひらたくいえば、ばくちの失敗。ばくちの失敗は、ばくち打ちにとらせるのが当然ですが、ばくち経済、株で大もうけした銀行や大資産家には税金をまけてやる、そればかりか、この金融危機で少し先行きが悪そうだとなれば、その損失の穴埋めを国民の税金で尻拭いしようとまでしています。そのツケは国民への消費税というのではとうてい許せません。
 また、トヨタなどは、「金融危機」を理由に、1兆円以上の利益を見込んでいるにもかかわらず、派遣労働者などの雇い止め、首切りをおこなっています。日本共産党は、「金融危機」を理由にした国民犠牲を許さず、こういうときだからこそ、経済政策の軸足を大企業のもうけを応援する方向から、国民のくらしを応援する方向へ切りかえることをめざして全力を尽くします。


 具体的には、派遣労働の問題など、深刻な仕事・雇用の現状を改善するとともに、障害者自立支援法や後期高齢者医療制度など、国民に痛みと負担を押し付ける医療・福祉の大改悪をやめさせ、社会保障の制度を充実させることです。
 いま働く若者の2人に一人が正社員になれません。一ヶ月必死に働いても手取りは10万円そこそこ、低賃金でモノのように扱われています。貧困と格差との大きな原因ともなっています。この解決は待ったなしです。
 なぜこんな状況が広がったのか。99年に派遣労働の「原則自由化」。04年には製造業にも解禁。当時反対したのは日本共産党だけでした。しかし、いま小説『蟹工船』がブームになっているように、これでいいのかと各方面から声があがり、政府・与党も改善といわざるをえなくなりました。
 しかし、政府・与党の提案は、日雇い派遣は禁止というけれども、登録型派遣はそのままで、これでは抜け穴だらけです。99年の改悪以前に戻し、常用型派遣を基本にして、専門業務に限定する。正社員との均等待遇を実現するなどの改善が必要です。若者に人間らしい仕事を、正社員の道を切り開く政治の責任を果たさせていきたいと思います。


 福祉はどうか。3年前に成立した障害者自立支援法は、1割の応益負担を障害者のみなさんに押し付け、障害が重ければ重いほどお金がかかるとんでもない制度です。私自身、県下の障害者の方々から訴えられた「健常者の方はトイレやお風呂といった日常生活を送るのにお金がかかりますか」、「当たり前の生活を送りたいというのがそんなに贅沢なんでしょうか」という言葉が忘れられません。
 その施行後、政府の調査でも、通所施設の利用を断念した障害者は2000人近くにのぼり、応益負担による過酷な負担増を苦にした自殺、無理心中事件は全国で30件を越すといわれています。
 なぜ、こんな制度がはじまったのか。おおもとをたどっていったら、財界・大企業の要求にぶつかります。社会保障の企業負担を減らせと、小泉内閣時代に日本経団連会長さんが言い出して、毎年2200億円もの社会保障費を削る政治が続いている。あの骨太方針です。後期高齢者医療制度もここからきています。政府・厚生労働省がはっきりといっています。75歳以上のお年寄りは、いずれ避けることのできない死を迎えるから医療の予算をけずると。
 10月の末には、障害者のみなさんの大きな全国行動がおこなわれましたが、自立支援法に反対する運動の広がりで、政府は何度も手直しをせざるを得ないところにまで追い込まれています。
 来年はこの見直しとなりますが、①応益負担は廃止し、無料または低廉な利用料とする、もちろん食事(これも立派な福祉)の実費負担や医療の応益負担もやめるべき、②事業所にたいする報酬を大幅に引きあげる――全額公費による職員給与の月3万円引き上げ、報酬単価の引き上げ、支払い方式を「日割り」から月額へ、③障害認定区分の見直し、④地域生活支援事業への国の財政支援を強化する、⑤療育、補装具などの利用料の応益負担を廃止するなど障害をもつこどもの発達を保障することなど求められていると思います。
 こうしていまの医療や福祉を削る政治から、医療、年金、介護としっかりと充実させる政治へと切りかえていきたいと思います。


 最後に外交・平和の問題です。いまの国会の焦点の一つに、新テロ延長法案がありますが、この審議をめぐって異常な事態が国会でひろがっています。
 民主党は、インド洋に海上自衛隊を送るのはけしからんけど、アフガン本土に陸上自衛隊を送るのはかまわない、国連決議さえあれば武力行使をしてもいいと言い出しました。これにはさすが自民党からも、憲法違反だとの声があがりました。すると民主党は、政権をとったら解釈改憲をすると言い出したんです。これをうけて今度は自民党が、それなら憲法そのものを変えようと応じる――事実上の改憲の「大連立」が国会にできあがってしまっています。
 アメリカによる報復戦争開始から7年、アフガン情勢は年々悪化し、いまは最悪の事態になっています。米軍の空爆による犠牲者が急増し、新たな憎しみと暴力を生み、テロをなくすどころか、テロが増え、情勢悪化の悪循環です。戦争でテロはなくせないことははっきりしてきました。
 イギリス軍の現地司令官が軍事的な勝利は「不可能」として「政治的解決」を求め、国連代表もいま必要なのは「軍の増派」ではなく、「政治の増派」だと強調。だからアフガニスタンのカルザイ大統領は、武装勢力との政治的和解をよびかけ、和平交渉がはじまっています。
 いま、日本に求められているのは、アメリカの戦争支援のために自衛隊を送ることではありません。ましてやそれをやりやすくするために憲法を変えることでもありません。
 アフガン本土ではじまっている和平への道を後押しする外交努力をすすめること、それこそ平和の憲法9条を生かした努力こそ必要です。
 日本共産党は、いまのアメリカ言いなり政治のおおもとにある日米安保条約をやめ、本当に対等で平等な日米関係をつくり、自主的で平和的な外交をすすめるためにがんばります。


 今度の選挙は、政権交代と大騒ぎになると思いますが、政権が代わっても政治の中身が変わらなければ意味がありません。アメリカ言いなり、財界中心という自民党政治のおおもと、中身を変える共産党の前進を訴えてがんばりたいと思います。


●誰に聞いてもひどいという障害者自立支援法をやめるのに反対しているのは誰?、財源はどうするのか?との質問を受けて

 障害者自立支援法のようなひどい制度がはじまったのは、途中でもお話いたしましたが、財界の要求があることは間違いありません。小泉内閣時代に首相の直結機関として経済財政諮問会議が設置され、日本経団連や経済同友会という財界団体のトップがずっと居座りつづけ、企業の保険料負担を減らしたいということと、福祉分野にも市場原理をもちこんでもうけ口をつくりたいということで、福祉を削れとやりつづけたわけです。
 障害者自立支援法との関係でいうと、大きな転機は、2000年5月の社会福祉事業法の改悪だったと思います。この法改悪は、「措置から契約に」といわれたように、憲法25条に保障されている生存権の理念にもとづいて、戦後つくられてきた社会福祉の措置制度を廃止し、契約制に移行。障害者福祉に対する国の責任を放棄するものでした。ちなみにこのときにも反対したのは共産党だけでした。
 ですから問題は、財界の身勝手な要求にきっぱりとものが言えるかどうかが大きなポイントになっていると思います。


 財源の問題はどうか。麻生首相の言うように、消費税増税しかないのか。
 私たちは2つの問題にメスを入れたら財源は生まれると提案しています。
 第一は、ムダを削る。年間5兆円もの軍事費、とりわけ毎年アメリカに「思いやり」だと2500億円もの予算をかけるようなことはやめる。これ、一体何に使っているか。日本にある米軍基地内の水道料や光熱費はタダ、私たちの税金でまかなわれています。施設内の娯楽施設、ショッピングセンターまで日本の税金で建ててやる。こんなものに2500億円も毎年使いながら、日本の福祉の予算は2200億円削る政治は間違っています。
 また、障害者のみなさんに「自立」といって320億円もの負担を押し付ける一方で、日本共産党以外の政党は、同じ320億円を政党助成金として分け取りです。自民党の収入の6割が政党助成金、民主党に至っては84%が私たちの税金です。障害者のみなさんに「自立」を押し付けた人たちは、まったく自立していないわけです。こういうものをやめれば、障害者のみなさんに重い負担を強いなくてもすみます。
 第二は、大もうけの大企業への行き過ぎた減税を正すという問題です。派遣労働など、若者を低賃金で使い捨てにして、大企業はバブル期の2倍もの大もうけです。しかし、納めている税金は減税につぐ減税ですから、このゆがみを正す。大企業・大資産家へのゆきすぎた減税を正せば、だいたい7兆円ほどの財源がうまれます。こうすれば消費税増税をしなくても、暮らしを豊かにする財源は生まれます。


●今の政治状況を変えていくために政党として、私たちにどうしてくれるのか?どう政党どうしで連立していくのか?との質問をうけて、最後の訴えも兼ねて

 (参加者からの話のなかで、政党が世論をつくることが大事ではという声が出たこともあって)政党が、国民のみなさんの苦難をとりあげて問題を告発し、世論をつくるという役割があるのは、私も同感です。
 この間、派遣労働の問題で言えば、2月に志位和夫委員長が国会でキャノンの実態にもふれてとりあげると、首相も「好ましくない」と答弁し、キャノンが派遣労働をやめると表明しました。10月にはふたたび志位委員長が、今度はトヨタ車体がおこなおうとしていた違法な派遣使いまわし(クーリング)をとりあげると、今度はトヨタ車体がこれをやめると発表するなど、日本共産党の国会質問が、大きな変化をつくりだしています。若い人たち自身も声をあげ、運動が広がるなか、いま大きく世論も動き、政府・与党でさえ、派遣労働の現状を改善すると言わざるを得ないところまで潮目の変化をつくりだしてきました。


 どうして日本共産党がそんな力が発揮できるのか。そのひとつに企業献金を受け取っていないことがあると思います。
 政党助成金の話も出ましたが、そもそも80年代終わりから90年代にかけて、政治腐敗が問題になって、企業献金の禁止が問題になり、財界団体が政治献金のあっせんをやめたこともあります。そのときに企業献金をやめるためにと、政党助成金がつくられましたが、いまは、政党助成金も企業献金ももらっているのが、各党の実態です。日本共産党は、企業献金はもちろん、政党助成金も国民の思想・信条の自由を踏みにじる憲法違反の制度だとして受け取っていません。
 重大なのは、そのあとで財界団体が政治献金のあっせんを復活させましたが、そのときに、より財界の意向に沿うようにと、毎年、自民党と民主党の双方と懇談をもち、そのうえで各党の政策を評価する仕組みまでつくりあげていることです。当然、財界よりの政策になれば、なるほど、献金が増えますから、ますますカネの力で政治がゆがめられてしまいます。
 2大政党とはいっても、自民党と民主党は、一年前には「大連立」の相談をするぐらいですから、政策や立場には違いがありません。その根拠もこの財界との関係にあると思います。


 政権論ということでいうと、私たちは、単独で政権をとろうなんて考えていません。いまのアメリカ言いなり、財界中心のひどい政治を変えようというすべての政党や個人、団体のみなさんと力をあわせて、国民が主人公の新しい民主的な政権をつくっていきたい、そのための門戸を広く開いている政党です。
 若者使い捨ての派遣の問題でも、障害者をはじめ福祉切り捨て政治の問題でも、不公正な税制の問題でも、アメリカ言いなり、財界中心という政治の害悪のおおもとを打開しなければ解決の道はありません。そして、このおおもとに切り込んで、変えようとする政策と立場をもちあわせている党はいまのところ日本共産党しかありません。この党を伸ばしていただいてこそ、必ず政治は変わります。そのことをつうじてこそ、多くの国民のみなさんとともに、いまの自民党政治にかわる、本当に国民が大事にされる新しい政治、新しい政権をつくる大きな道がひらかれていくのではないでしょうか。
 世論の力、とりわけ主権者国民の投票行動がいかに力をもっているかを見事に示したのが、昨年の参院選ではないでしょうか。自公政権与党の歴史的大敗と評されました。いま、多くの国民のみなさんが、自民党政治に代わる新しい政治のあり方を模索しているときだと思います。
 その後、国会では「ねじれ」と呼ばれるような状況が生まれましたが、そのなかで選挙後初めて通った法案はなにか――被災者生活再建支援法の抜本改正です。世論の大きな力です。
 今度の選挙を、日本共産党の前進で、いまの政治を変え、新しい政治をつくる第一歩となるような結果をぜひ、ごいっしょにつくっていきましょう。

投稿者 teruhoriuchi : 2008年11月10日 23:42

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