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2008年06月05日

川西で青年たちと懇談~お聞きした派遣労働の実態は、まさに現代の『蟹工船』です

仕事を終えて三々五々集まってきた青年たちと懇談
 今日は、川西で、青年たちの「つどい」に参加しました。
 みんな、仕事を終えてから、三々五々、集まってきます。

 私は、みなさんの働いている職場の現状、実態をお聞きしながら、派遣労働をはじめ、劣悪な青年の雇用の原因をつくった政治の責任、その若い世代をモノ扱いにして莫大な利益を保障する大企業中心政治をきりかえること、アメリカ言いなりから抜け出し、憲法9条が生きる平和な外交をすすめる日本へ、日本と世界で広がる「資本主義よこれでいいのか」の声と日本共産党のめざす未来社会について、お話させていただきました。


 今日、参加した青年のうち、社会人1年生という方もおられました。その方が「正社員です」というので、「よかったねえ」と話を聞くと、実はコンピューターのソフトウェア開発の会社で、現在の職場は、その会社から大手の製造業の工場へ派遣されて働いているとのことでした。仕事の内容も、現場に行ってみると会社から説明を受けた業務内容とはまるで違っていたといいます。コンピューター関連の派遣といっても、別に一時的・臨時的なものではなく、しかも彼女が働く生産現場は、6人のうち5人がそうした派遣社員だといいます。彼女が配属された現場は、たまたま「いい人」が多く、仕事上も人間関係上も「恵まれている」といいますが、彼女の同僚のなかには春に採用され、いきなり「岡山に行くように」と飛ばされた人もおり、いつ自分もそうなるかわからないという不安のなかで働いています。


 その場でも話題になったのですが、さまざまな生産現場に派遣され、非人間的な扱いのなかで働く青年のおかれている現状は、いま売れている『蟹工船』で描かれる労働者の実態とダブってみえます。


 派遣労働のなかでもとりわけ、不安定な日雇い派遣については、さすがに見直す声が与党からも出ています。国会は会期末を迎えていますが、派遣労働法制の改正へ、私もできることに力を尽くしたいと思います。


○小林多喜二著『蟹工船』、湯浅誠著『反貧困―「すべり台社会」からの脱出』(岩波新書)読了。『蟹工船』は、先にも書きましたが、さまざまな職を転々としながら蟹工船にたどりつく労働者たちと、そこでの人間扱いされない劣悪な労働の実態は、まさに現代の派遣労働者の実態そのものです。小説のなかでは、労働者が自分たちの遍歴を語る場面がありますが、まさに当時の劣悪な労働実態の一覧となっており、それら一つひとつが現代の劣悪さに通ずるものがあります。また、完全無欠な登場人物などおらず、みな弱さをかかえた労働者たちが主人公であり、その彼らが非人間的な扱いのなかで、やむにやまれぬ思いで立ち上がっていく姿が描かれます。そういう意味では、等身大の人間が描かれているリアリティがあります。はじめて試みたストライキが、あっけなく負けてしまうところも、決して成功物語、きれいごとでないリアルさがあります。さらには、搾取の実態を暴くだけでなく、この蟹工船での搾取の現場を通して、支配階級は誰なのか、政治や軍事、軍隊の本質、戦争のカラクリが見事に表現されています。この資本のあくなき利潤追求の姿、階級支配の構図こそ、現代の若い世代をも苦しめる資本の姿であることが、小説のなかから鮮やかに浮き上がってくるような思いもしました。「そして、彼等は、立ち上った。――もう一度!」との末尾に、抑圧された人びとが希望をみいだす方向が示されています。戦前の小説が、この現代にベストセラーとなったのには、この小説の全体が共感を呼んでいるのだと思えてなりません。
湯浅氏著の『反貧困』は、まさにその現代、抑圧されたものたちが連帯し、そして「たたかう」方向を示唆したものとして、読むことができました。

投稿者 teruhoriuchi : 2008年06月05日 23:29

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