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2006年11月27日

医師不足問題で政府交渉(内容を加えました)

 今日は医師不足問題で政府交渉のため東京まできています。文部科学省、総務省、厚生労働省と交渉しました。


20061126.jpg 山下よしき元参院議員を先頭に、近畿の予定候補や地方議員のみなさんがそろって参加しました。また、井上さとし参院議員、石井いく子衆院議員、吉井英勝衆院議員、こくた恵二衆院議員も同席しました。兵庫からの参加は安治川敏明豊岡市議、藤原敏信朝来市議、金沢はるみ神戸市議らでした。

 要望項目の詳細は省略しますが、私は、この間の但馬での調査を踏まえて、以下の通り発言し、政府の姿勢を質しました。


 今年の8月31日に、地域医療に関する関係省庁連絡会議が出した「新医師確保総合対策」では、深刻な10県については条件つきで大学医学部定員の増を認めましたが、このなかに近畿は入っていません。この対象となるには、人口10万人あたりの医師数が200人未満などの基準があげられていますが、これでは、地域の深刻な実態が正しく反映しないのではないでしょうか。


 近畿の各県も深刻です。私は、兵庫県の但馬地方の9つの公立病院のうち8つまで、院長先生から直接お話をうかがってきましたが、実態は本当に深刻です。だいたい国が基準にしている人口10万人あたりの医師数で考えても、兵庫県は全国平均(211.7人)を下回る207.1人で、但馬に至っては172.4人と大幅に下回っています。


 そのもとで何が起こっているか。9つの公立病院全体の医師数が04年の185人から06年は163人と22人も減っています。香住総合病院は、ピーク時の14人から11人になり、いまは5人です。日高病院も14人から7人へと半減です。そのなかで、浜坂病院は眼科・小児科が休診、産婦人科が廃止、3階病棟は閉鎖。香住総合病院も3階病棟閉鎖。日高病院も出石病院も夜間救急を制限。和田山病院は外科医がいません。
 村岡病院では4人の常勤医で4日に1回の日当直をこなし、泊まり明けもフルタイムで働いている。外来、入院だけでなく、4つの診療所、100人の往診患者も診ており、週70時間労働にもなります。高齢化の地で、お年寄りの笑顔に支えられているといい、医師の使命との思いで献身的に頑張っておられます。どこでも、国の責任で医師確保をしてほしいと切実でした。


 兵庫県の保健医療計画でも、医師不足を指摘し、その一因として県内医科系大学の入学定員が2大学200人と人口比で少ないことを指摘しています。また、兵庫県からは、国へ、へき地における医師確保対策として現定員とは別枠の特別定員を設けることや、兵庫ではじめようという新たな臨床医師養成制度創設にともない、医学部定員増への緩和という要望が出されています。
 こうした実情を踏まえて、国の責任で医師養成を増やしてください。


 公立病院の「集約化・重点化」については、考えるうえで大事なことは、「命に格差があってはならない」ということではないでしょうか。
 ある病院長は、「大病院はその方向だろうが、小さな病院はどうなるのか」と懸念を表明し、別の病院長は、「京都との境から、鳥取県境まである広い但馬で集約化は現実的ではない」といい、さらに別の院長も、「高齢者の多い地域で集約化が成り立つか。集約される側も大変だが、集約する側もお年寄りが集中し、パンクするのではないか。大病院が高齢者を抱えたらそれだけで満杯になる」と、集約する側も、される側も、どちらもうまくいかないときっぱりとおっしゃいました。またある自治体関係者は、「1+1は2にならない。いまある病院をしっかり充実させることが大事」と述べていました。これが現場の声です。


 そのうえで確認したいのは、「集約化・重点化」の目標と、その方法です。05年4月の総務省通知で「自治体病院再編等推進要項」では、「医療提供体制の確保」がその趣旨とされ、04年11月の総務省の検討会報告書には、「地域にとって必要不可欠な医療が提供される体制をどのように構築すべきか」が重要な視点とされ、計画の策定にあたっては、「住民のための計画づくりという基本姿勢を貫くこと」、「丁寧な住民説明を繰り返し行うこと」に「留意する必要がある」としています。
 ところが但馬で現実に起こっていることは、それとはまったく逆行する事態です。兵庫県は関係市町などと「但馬の医療確保対策協議会」をつくり協議をはじめています。この協議会の建前は全面公開ですが、ワーキンググループで検討中として、まったく情報が公開されていません。しかし、このなかでは実際に、かなり具体的な検討がおこなわれ、病院名をあげて、無床診療所化やベッド数の大幅削減がかかげられています。これでは、医師確保どころか、地域から医療を奪うものになってしまいかねません。これは、少なくとも国のいう「医療提供体制の確保」という目標からも、住民への説明をきちんとするというやり方からも反するものではないでしょうか。


 おおすじ、以上の内容を発言し、質しました。


 文部科学省は、医師養成について「厚生労働省とも相談して考えなければいけない」というものでしたが、厚生労働省は「医師を抑制するとの閣議決定があるから基本的には難しい」としながら、そのなかでも深刻な10県についての対策をしているところで…とただ現状を報告するのみでした。
 但馬の深刻な実情とともに、住民のみなさんの1万7千もの署名は大変な重みがあります。「但馬のような共産党の力が小さいところで、人口の1割近くの署名を共産党が1ヶ月足らずで集めたことの重みを受け止めて欲しい」との安治川豊岡市議の言葉に、うなづく厚労省の担当者もいました。


 自治体病院の「集約化・重点化」については、総務省から、「医師不足だから集約化ではない」との答弁があったことは新しい点でした。総務省の認識は、「道路事情の改善や、合併などもあり、再編・ネットワーク化の方針が出される中で、医師不足の問題もおこってきた」というものでした。医師が不足しているから集約化はやむなしではないということです。


 他にも、厚労省では、周産期母子医療センターの充実について、先日の奈良での妊婦死亡という痛ましい事故を2度と起こさないために国の姿勢を質しましたが、「県が…」、「県が…」を繰り返す厚労省の答弁に、奈良の宮本次郎県会予定候補らが、「遺族にもお会いして話を聞いてきたが、今日の厚労省の答弁は、とても遺族の方にもって帰れない!」と厳しくつめよるなかで、ようやく国の責任を認める発言をしました。


 いずれにしても、今回の要請行動でこの問題は終わりではありません。命にかかわる問題として、私たちも、しっかりと決着をつけるまで頑張りたいと思います。

投稿者 teru : 2006年11月27日 19:45

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